第九十五話 二年生の番長
俺たちは途中で合流したバルテル君も一緒に二年生の番長の元へと向かう。
そして、途中でみんなから二年生の番長の情報を聞いた。
名前はチェスター。ベイル先輩みたいなガッチリしたタイプじゃなくてドーラ君やジャグナル君みたいな細マッチョ系みたいだ。実力としては強いらしいけどベイル先輩みたいな圧倒的な強さではないらしい。
それでも、二年生の番長なのだから戦うとなったら油断は出来ないだろう。
「なんかさっきから見られてるな」
「そうだな。しかも後ろからついて来やがる」
「そりゃそうだよ。二年生の階なんだから。言わば僕たちは招かざる客だよ」
「俺たち、殴り込み、きた」
「うーん、バルテル君、ちょっと違うな〜それ言っちゃうと一気にややこしくなるからやめとこうか?」
「うす」
ジャグナル君やドーラ君が言う通り、二年生の階へやってから俺たちはマークされているみたいだ。まぁ仕方ないって言ったら仕方ないけど。それでも俺たちを見たりついて来たりするだけで何もしてこないのは、俺とベイル先輩の戦いを見ていた影響があるのだろうか? まぁ分からないけど、それならそれで無駄な労力を使わなくて済むしちょうどいい。それにしても、バルテル君はライア君の言う事には素直だな。
「さて、ここだよ」
ライア君が立ち止まり指差す教室には『2ーA』と書かれていた。
ここにチェスター先輩が……。
俺はライア君の横を通り過ぎ、ドアに手をかけた。




