表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/143

第八十七話 眠れる獅子

 「くっ!」


 慎重派の俺が前に突っ込んで来るってのは予想外だったのかライア君は意表を突かれたみたいで声を上げる。

 この間合いだとガードは出来ないはず!

 そう俺は確信しライア君へと迫る俺の右ストレートを見ていた。


 「っ!?」


 しかし、次の瞬間に驚愕の光景が目に入ってきた。

 俺の右ストレートがライア君に届くかと思った瞬間、俺の右腕をライア君が左手で押し俺のパンチの軌道を変え逸らした。

 俺は前のめりになっていた為、態勢を崩し、がら空きになった背中にライア君の肘打ちを食らった。


 「イテテテ」


 俺は急いで立ち上がり態勢を整えてライア君と距離を取る。

 いったい今のはなんだ!? ライア君がちょっと触れただけで軌道を変えられ態勢を崩してしまったぞ!? 


 「どうしたの? もう降参?」


 ライア君がニヤリと微笑みながら問いかけてくる。

 さすが眠れる獅子と言ったところか。なんて言うのだろう? 合気道みたいな感じの使い手なんだろうか? 俺の力を受け止めるんじゃなくて俺の動きを利用して仕掛けてくる。


 「ライアのやつすげぇ……」

 「ライア、強い」

 「あぁ、あれはまたベイル先輩とかライトとは違った強さかもな」


 三人が感嘆の声を上げる。

 やられた俺が言うのもなんだけど、力と言うよりは受け流されたと言った感じだろうか? と言ってもこれだけのスピードの中でやるのは簡単ではない。やはりライア君はベイル先輩に一目置かれるだけの実力を持っている。ベイル先輩が『剛』だとしたらライア君は『柔』だろう。


 「まだまだこれからだよ!」


 でも、そう簡単に諦める訳にはいかない。俺は言葉を放つとライア君を見据えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ