第八十四話 修行します
「くそ、ちょっと休憩だ!」
俺は今闘気の扱いの訓練をしている。
俺が闘気の訓練をしようと思ったらみんなも一緒に訓練するって言っていつもの五人で集まってやっている。訓練は放課後で、学校近くの川の河川敷で訓練している。最初は喧嘩と間違われて通報された事もあったけど、今では衛兵さんとも顔見知りになった。
もちろん悪い事をしてる訳ではないし衛兵さんは将来の後輩になるかもと時々はっぱをかけてくれる。
でも、悪い事をしてないとは言え前世で言う警察の役割の人に顔を覚えられているとなんだか微妙な気持ちだ。
もし、家族が街に遊び来て一緒にいた時に衛兵さんに『悪さするなよ!』って冗談でも言われた家族はびっくりして悲しむだろう。
でも、学校や寮の敷地で訓練しようにも闘気なんて使ったら怒られるし。
「ライト君、学校に来た時に比べて動き良くなったよね! 闘気使わなくてもスピード上がったと思うよ!」
「本当に?」
もちろん訓練と言って模擬戦するにしても、みんな相手の時は闘気は使わない。危険だし、そもそもまだ闘気を使いながらずっと維持しながら戦闘なんて出来ない。
闘気の訓練は模擬戦の前に自分の魔力を制御して少しずつ動きながら制御できるようにしてる段階だ。
模擬戦をする時は無詠唱の身体強化、気功だけ使って出来るだけ能力に頼らず、反射神経を磨いたり反応速度を早めたり身体に覚えさせて咄嗟の時に自然と身体が動けるように最低限の能力でこなしている。
「うん! ほら、ジャグナル君とかドーラ君はもういっぱいいっぱいみたいだし」
「「誰がだ! まだまだやれる!」」
おっ! うまくハモったな。
「自分、スピードタイプ違う」
「そうだね。バルテル君はスピードよりパワーだもんね。でも、少しはスピードもつけた方がいいよ?」
「押忍」
バルテル君は素直だな。でも、ライア君の言う通りパワーがあっても当たらなければ意味がないしな。逆にスピードだけで全然威力がなくても駄目だし。
ある程度両方ないと戦いでは通用しないもんな。
「そうそう、それはそうとライト君。僕と模擬戦する?」
「えっ?」
ライア君の言葉に俺は驚いた。




