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第八十三話 昼休みと振り返り

 「そっか、そうだったんだ」


 俺の怪我は痛みはあったけど、骨が折れているとかもなく、保健室の先生が治癒魔法をかけてくれるとしばらくして痛みも取れた。

 ちなみにクライフ先生もかけつけてくれたけど、みんなから事情を聞いてベイル先輩と闘気を使って戦ったって聞いたら顔を青くしていた。

 あの威力からして闘気ってのはよほど危険な代物なのだろう。

 それに、あの衝撃でこの程度で済んだと考えると闘気ってのは近距離戦では最高のものだと思う。

 もっともそれだけの効果があるだけあって使いこなすには訓練しないといけないだろうけど。

 まぁそれで怪我もたいした事なかったからそのまま授業に出て今は昼休みだ。だから、あの時何がどうなったか聞いている。


 「そうだよ。ライト君の右ストレートとベイル先輩の右ストレートが交錯してお互いの頬に当たったんだ。そして、しばらく静寂が包んだかと思うとライト君が倒れたんだ。ベイル先輩も片膝はついてたけどね」


 俺の右ストレートもベイル先輩には届いていたみたいだ。でも、俺が闘気を使いこなせてなかったからかただ単に打たれ弱かったのか、結果、ベイル先輩は倒れず俺は倒れた。

 でも、その光景って想像するとどっかのボクシング漫画みたいだな。


 「ライト、凄かった」

 「あぁ、あれは確かに凄かったな。癪だけど」

 「あんな光景を目にしたら編入初日にライトに絡んだ俺の命が今もあるってのが奇跡だぜ!」

 

 俺とベイル先輩の戦いはみんなの目に焼き付いたらしい。

 俺としては記憶のかけらも残ってないけど。


 「ベイル先輩も戦いが終わった後、ライト君をちゃんと横にしてくれたし、去り際には『俺が卒業した後も安泰だな』って言ってたしライト君の事を認めてくれたと思うよ?」

 「ベイル先輩が? そっか……」


 俺が思うにまだベイル先輩は本気じゃなかった気がする。これから頑張らないとな。


 「そう言えばごめんね?」

 「何が?」

 「いや、僕、ベイル先輩とライト君が戦う姿を見たら二年生もちょっかいを出すのをやめるかなと思ったんだけど、まさかベイル先輩が闘気まで使うなんて思わなくて……」


 そっか。ライア君はだからああやってみんなが見るように仕向けてたのか。確かに二年生も見てたもんな。


 「いや、いいよ。俺も貴重の体験出来たし」

 「本当に? 許してくれる?」

 「うん!」

 「じゃあ次もーー」

 「やめてください!」

 「「「「ははは」」」」


 いつものようなやりとりに俺たちは笑い声をあげた。ひょんな事からベイル先輩と戦ったけど、元を辿れば二年生の動向からだ。

 これから何があるのか……?

 考えてみてもそこは全く検討がつかなかった。

 

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