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第七十九話 闘気

 「ははは!! おもしろい! 俺にここまで本気を出させるとはな!」


 グランドにベイル先輩の笑い声と声だけが鳴り響く。

 ベイル先輩と裏腹に俺を含め他のみんなは無言……いや、言葉を失ってただただベイル先輩の姿を見つめるのみだ。

 なぜならベイル先輩の身体から白いオーラが発せられ、身体の周りを白いオーラが纏っているからだ。

 なんなんだあれは? 見た感じスーパーサ◯ヤ人みたいだけど。でも、洒落にならないほどの圧力を感じ、身体が言う事を利かなくなりそうになる。


 「闘気……」


 どこからともなく、呟く声が聞こえる。

 なるほど、あれは闘気って呼ばれているのか。でも、思うにあれは魔力が可視化できる程に圧縮され出ているような気がする。

 

 「ライトと言ったか。俺にこの闘気を使わせるとは凄い奴だ。久しぶりだぞ? ここまで本気を出すのは」

 「ベイル先輩! もうライト君の実力は分かったでしょ!? もう終わりにしましょう!!」

 「黙れライア!! 俺は今この時を楽しんでるんだ!! ……なぁ? おまえもだろ? ライト!」


 いや、全然楽しんでません! むしろ、ライア君の言う通りここでやめたいくらいなんですけど!

 でも、この空気の中でそんな事言えそうにないし……。そう言えばライア君、ちゃんと心配してくれてるんだ。優しいな。……いや、元はと言えばライア君が……というよりこの状況をどうしよう……。


 「ふっ、ライトおまえの度胸に免じて先に少し実力を見せてやろう……見てろよっ!」

 「っ!?」

 「まぁこんな感じだ」


 俺があれこれ考えていると、ベイル先輩が言葉を発した。そして、言葉を発したと思ったらベイル先輩の姿が消え、次の瞬間には俺の後ろで声がした。

 俺は咄嗟に飛び退きベイル先輩と距離を取る。

 なんだこれは……? 全く見えなかったぞ?


 「ほう、この闘気を前にしても動けなくなる事なく動くか。……おもしろい」


 俺がベイル先輩の元から飛び退くとベイル先輩はニヤリとしながら言葉を放つ。


 「お、おい、ライアこれってマズイんじゃねぇーか?」

 「まさかベイル先輩が闘気を使うなんて……そこまで本気なるとは思ってなかった」

 「へっ、ライトなら何とかするだろう? 俺に勝ったんだからな」

 「ベイル先輩、強い、ライト、このままだと、負ける」

 「バルテル君の言う通りこのままだとライト君はたちうち出来ない。ライト君がやっている事よりも闘気は能力的に上なんだ」

 「へっ、闘気だかなんだか知らねぇかどそんなんでびびっちゃおしめいよ」

 「ドーラ、頭、考えない、単細胞」

 「なんだとっ!」

 「ライト……」

 「ライト君……」


 何やら一年生サイドで賑やかなやり取りが行われてるみたいだけどそれどころじゃない。このままじゃ何も出来ずにやられてしまう……どうする?


 「さぁ、ライト。次はどう来る?」


 ベイル先輩は俺の出方を伺いながら、この戦いを楽しんでいると言った感じで笑みを浮かべる。

 くそっ、こうなったら……。

 俺はベイル先輩に一矢報いる為にある考えを実行する事にした。

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