第七話 やっぱりイベントでした
「どういたしまして!」
俺はおっちゃんに言葉を返す。
まぁ俺が逃げてって言ったとは言え、子供を置いて逃げようとしたとかここは展開的におっちゃんじゃなくて可愛い子じゃないのかとか言いたい事はいっぱいあったけど、終わった事だしおっちゃんに言っても仕方ない事もある。
「君凄いね! もし良かったらうちの学校に来ない?」
「学校!?」
おっちゃんの口から信じられない言葉が出て、俺は思わず叫んでしまった。
学校……俺が行きたかったところ。
魔法学校に行く為にお金を稼ごうとあれこれ考えて行き詰まったところにこの展開。
まさにネット小説のようだ!
おぉ、神よ……。
「もし良かったらスカウトって形で両親と話させてくれない?」
「えっ……? あっ、はい! 喜んで!」
つまりこういうイベントだったんだな。
可愛い彼女はやっぱり学校でって事か。
それにフランがいる前であまり女の子と遊ぶとなんかフランにジト目で見られるしな。
「じゃぁ、今から家に行かせてもらっても?」
「はい! ……でも、おじさんはどういう人?」
こういう時はちゃんと相手の身分を確認しておかないとな。
詐欺って可能性もあるしな。
「ん? あぁ、こう見えて儂は校長なんだよ。今ちょうど出張の帰りだったところなんだよ」
キターーー!!
校長なら推薦も間違いないだろう。
まぁ詐欺って線はまだ捨て切れないけど、変な事言ったら親が断るだろうし推薦ならお金かからないはずだからな。
さっきの熊も校長なら魔法でちゃっちゃっとやつけたら良かったのに。
……あっ、詠唱時間がなかったのか。
なら仕方ないな。
そう言えばスカウトって言ってるけど俺、おっちゃんの前で魔法使ったっけ?
身体強化の魔法がかかっているのを確認したのかな?
それにしてもついに学校か……。
ん? でも……。
「あの〜……でも、まだ僕八歳だけどいいんですか? 学校って十歳からじゃ……」
「大丈夫大丈夫! 校長の儂が言うのだから! 君みたいな強い人はスカウトで特待生扱いだから大丈夫! ……それに定員割れしてるからな」
特待生って年齢関係ないのか。
なら、大丈夫だな。
でもなんか最後の方聞こえないくらいの声で定員がどうとか言ってたけど……誰か辞めた人でもいるのだろうか。
「分かりました! じゃぁ、とりあえず家に案内します」
そう言って俺はおっちゃ……いや、校長先生を連れフランの元へ寄り事情を説明して家へ向かった。