第七十話 可哀想な自分
「あっ、ライト君!」
「久しぶりライア君!」
あの後、盗賊達は追跡を諦めたのかそれとも馬達に影響が出たのか俺の乗っていた馬車を追っては来なかった。そして、無事にウェルホルム王国の城下町までたどり着いて学校の寮に戻ってきた。
街に入った時に馬を操作していた男の人は物凄い安堵の表情を浮かべていたしだいぶ盗賊に追われたのが堪えたんだと思う。これで仕事辞めなかったらいいけど。
それはそうと俺はもう一つの戦場へ戻ってきた訳だ。
「おっ、ライトじゃねぇか! 偶然だな!」
「偶然って……ジャグナル君はライト君が戻って来ないかってよく外見てたじゃない?」
「な、なに言ってるライア!? 適当な事言ってっと殺すぞ!?」
「どうぞどうぞ! まぁジャグナル君には負けないけどね」
「てめぇーー!!」
帰ってきて早々、目の前で賑やかなやりとりが繰り広げられる。
でも、ライア君とジャグナル君ってこんな感じだったっけ? ……まぁ仲良くなったと思ってプラスに考えておこう。
「ライト長旅ご苦労」
「うわっ!」
ジャグナル君とライア君のやりとりを眺めていると後ろからバルテル君の声がして驚いて声を上げてしまった。
「へっ、俺に勝った奴が情け無い声あげてんじゃねーよ」
「ドーラ君!? ケガ治ったんだ!」
そして、その横にはドーラ君がいた。
見た目からはケガは治っていそうに見える。
ジャグナル君といい、ドーラ君といい打たれ強い。
……俺は心が打たれ弱い。
あれ? 急になんでこんな事思ったんだろう?
「ドーラ、ライト敬え」
「はぁあ!? 誰に言ってんだ!?」
「ドーラ、ライトに負けた」
「うっせい!!」
「まぁまぁ落ち着いて!! ジャグナル君も!」
なんで俺が帰ってきて早々、気を使わなくちゃいけないんだ!? ライア君は確信犯なのか楽しそうな表情をしているし。なんだろう? なんかこれからも苦労しそうな気がする……。
俺は寮に帰って早々に気が重くなった。
かと言って、家に帰ったら帰ったで問題があるし……俺は自分の境遇に自分で自分が可哀想になった。




