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第六十六話 犯人と説教と再確認

 「さて、どういう事かな?」

 「ど、どういう事って何? お兄ちゃん?」


 俺は今、家に帰ってきたフランを部屋に呼び出して話をしている。最初俺に呼ばれた時は喜んでいたフランだったけど、なんとなく雰囲気を感じとったのだろう。今は気まずそうにしている。

 ちなみに俺は家に帰って来るまでに五人の男の子に絡まれた。みんな活動する時間になったからか行きしよりも多くの子に絡まれ、そしてその度に男の子を優しく倒して家まで帰ってきた。途中何度通行人に誤解を解いた事か……。


 「フラン……心当たりないのか? お兄ちゃんは嘘付きは嫌いだぞ?」

 「ゔぅ〜……ごめんなさい」


 俺が嘘付きは嫌いと言うとフランは素直に謝った。

 俺を襲った男の子に理由を聞くとみんな最後は口を揃えて同じ言葉を口にした。


 『だってフランちゃんがお兄ちゃんより弱い男は男として見れないって言うから』


 それで男の子たちは俺を襲ってきたのだという。

 フランは可愛いからモテるのは分かる。そして、俺を好きって言っているのも知ってる。だからって何が悲しくて俺は村で年下に絡まれなければならない!?

 まぁでも、フランがまだどっかの男の子と付き合うなんてのも嫌だし優しく倒した俺も俺だけど。


 「はぁ〜……だいたい理由は分かるけどなんでこんな事言ったんだ?」

 「だって、私お兄ちゃん好きだし! それに正直、お兄ちゃんより弱い男なんて興味ないよ。だって私、女だよ? 守るより守られたいし」


 うん、予想通りだ。

 このブラコンにも困ったけど、フランが強すぎるってのも問題だな。まぁそれは俺が悪いんだけど。


 「話は分かった。でも、俺を襲うのはやめるように言ってくれ」

 「えっ!? お兄ちゃん襲われてたの!? ……あいつら私のお兄ちゃんを……」


 えっ……? フランちゃん? 言葉が悪くなってますよ? それにオーラがやばいですよ?


 「えっ、あっ、いや、俺はほれ! 強いから全然大丈夫だけど、村の人とかに誤解されると困るからね? だからまぁその……うまく言ってくれ!」


 あぁ、やばい。

 フランの迫力で自分の言ってる事が分からなくなってしまった。


 「まぁお兄ちゃんがそう言うなら……」

 「まぁ男の子たちも俺にやられてフランにもやられてたらかわいそうだろ?」

 「確かにそうだね……やっぱお兄ちゃん優しいね! 大好き!」

 「うわっ!」


 フランは突然俺に抱きついてきた。

 でも、俺より強い男しか興味ないって……フランは嫁に行きそびれないだろうか? 変な男と結婚するのも嫌だけど、婚期を逃すのも嫌だな。

 それに俺もフランに甘いものだ。


 俺は休みに家に帰ってきて、学校の問題から離れてゆっくりするつもりが家の方の問題を再確認してしまった。

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