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第六十三話 襲撃
「おばちゃんのクッキーはやっぱうまいよな〜」
やっぱりおばちゃんのクッキーはうまい。
絶妙な甘さに焼き加減、口の中でほどける感じ……熟年の技だな。
あっ、熟年の技なんて言ったら怒られるな。
口は災いの元、おばちゃんには言わないようにしないと。
俺はおばちゃんにもらったクッキーを食べながら散歩する。
散歩するって言っても小さな村だから行く宛もない。これからどうしようかな? 訓練場にでも行こうか?
「おい! ちょっと待て!」
俺がこれからどうしようかとかんがえていると後ろから声をかけられた。
えっ!? 俺って村でも絡まれるの!?
「僕と勝負しろ!」
俺が恐る恐る後ろを振り返るとそこには年下だと思われる男の子がいた。
……俺って年下にも絡まれる運命なのか?
「え? どういう事だい?」
「うるさい!! 黙って勝負しろ!!」
俺が自分の運命に悩みながら言葉を返すと切って捨てられた。
俺っていったいなんなんだろう……?
「行くぞ!」
俺がいろいろとショックを受けていると男の子は俺に襲いかかってきた。




