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第五十七話 ひと区切り

 「ライト君は休みは家に帰るの?」

 「そうだね。一度家に帰ってゆっくりするよ。ライア君は?」

 「そっか。僕は寮でゆっくりしてるよ」


 ドーラとの戦いからは何事もなく平和な学校生活が流れた。

 と言っても俺が入学したのが前世で言う二学期の途中からだったのであっと言う間に二学期は終わりを迎えた。

 今は二学期最後の登校日が終わり、寮に帰ってる途中だ。

 ちなみに、つい先日も学期末のテストがあったけど、読み書きについては問題なしで他の勉強も親の(おそらく母さんの)遺伝子が良いのか、俺の脳のスペックは良くて問題なくこなせた。

 そして、実技の方は言うまでもなく学年一番の実力(身体強化の魔法を使ってるけど)だから問題なかった。

 戦士学校だから戦闘においては勝つ事が重要視される為、武器の使いこなしとかは二の次だ。

 だから、身体強化の魔法を使い強引に模擬戦を圧倒した。

 つまり俺は学期末のテストを学年一番で終えた。

 前世ではあり得なかった事だ。


 「それか一緒にライト君の家にお邪魔しようかな?」

 「おっ、いいな! 俺も行こうか? ライトんところは可愛い妹いるんだろ?」

 「どっから出たのジャグナル君!?」

 「どっから出たって人をゴキブリみたいに言うなよ!」

 「そんなつもりじゃなかったけど……ダメだ!! フランには会わせない!」


 可愛い妹が毒牙にかかってたまるか!

 ……いや、逆にジャグナル君が返り討ちになるか。

 フランは魔法も身体強化の魔法も使えるし。

 

 「ちぇっ! ライトはケチだな」

 「はは! ライト君は妹が好きなんだね」


 ラブじゃなくてライクですけどね。

 そう言えば家に帰ったらフランに会うんだもんな。

 フラン元気にしてるかな?

 でも、衝撃の告白を受けた後うやむやにらしてたしちょっと気まずいけど。

 帰ったら誘惑に勝てるだろうか?

 いや、そこは勝たなければならない。


 「自分、ライトの強さの秘密知りたい」

 「うわっ! どっから来たのバルテル君!?」


 ドーラとの戦い以降、バルテル君はちょいちょいと俺たちの教室に来ては俺たちにツルんでくる。

 『自分、負けたからライトの言う事聞く』とか言って来てたから『そんなのは気にしなくていい』って言ったけど『ライトの周り楽しそう』って言うから拒否はしなかった。

 なんだかんだバルテル君も楽しい学校生活を送りたかったのだろう。

 ちなみにドーラはまだ治療中で姿を見ていない。

 見舞いに行こうかと思ったけど、ドーラのプライドもあるだろうしやめとく事になった。

 まぁ、先生は大丈夫って言ってたからまた新学期になったら会うだろう。


 「ダメダメ! 休みは家族でゆっくりするから!」

 「む、残念」

 「けっ! 学年の番長が何ぬるい事言ってんだよ!」

 「まぁまぁ! 戦士にも休養は必要って言うしね? ねっ? ライト君?」

 「う、うん」


 まぁ家族でゆっくりしたいってのもあるけど、こんなメンバーいきなり連れて帰って家族みんな卒倒したら困るからな。

 家に連れて行くにしてもちゃんと段取りを組んでうまく説明していかないと。

 俺がグレたと思ってみんなが悲しんではいけない。


 「そういうことでまた新学期にね!」

 「うん、元気でね!」

 「けっ! 腑抜けになるんじゃねぇぞ?」

 「自分、もっと鍛える」


 何かちょっとバルテル君は違う感じもするけど、明日から冬休みだ。

 久しぶりに家に帰ってゆっくりしよう。


 「じゃあまたね!」


 俺はみんなと別れて寮の部屋へ帰った。

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