表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/143

第五十話 連戦

 バルテルを投げた後、グランドは静寂に包まれた。

 ドーラだけじゃなく、その取り巻きも静まり返っている。

 俺がバルテルに……しかも、一撃ももらわずに勝つとは思っていなかったのだろう。


 「はぁはぁはぁ……」


 俺はジャグナル君の時と違い授業という場ではない、しかもアウェーの中で慣れない戦闘(ケンカ)に体力よりも精神的な面から疲れていた。

 まして、C組番長バルテルの戦いだ。

 バルテルのパンチは空気を切り裂く程速く、そしてその威力はライア君に匹敵しそうなくらいだ。

 一発も喰らわないようにというプレッシャーが俺の精神を削っていた。

 しかし、身体強化魔法は解くわけにはいかない。

 俺は呼吸を整えながらドーラに向き直る。


 「これで次はおまえだ」


 俺が言葉を発してもドーラは険しい表情で俺を見たまま何も動かない。

 しかし、少しの間の後ドーラの口元が動いた。


 「まぐれ……って訳じゃなさそうだな」


 ドーラは呟く。

 そして、ドーラは俺へ歩み寄ってさらに言葉を繋ぐ。


 「どうやらおまえはコネやまぐれで特待生って訳じゃなさそうだな。あのバルテルにパワー勝負でも勝った……か。……ふははは! 面白い! 特待生……いや、ライト! 俺と勝負だ! これでどっちが学年のトップか決まる!」

 「俺はどっちが学年のトップだろうがいい! ただ、おまえが俺の仲間を傷つけたり人を虐げるのなら許さない!」

 「ははは! 甘いなライト! 強者こそすべてだ!」

 「違う! いくら強くても一人では生きていけない! 仲間……人は協力して生きてくんだ!」

 「ふっ、甘いな。戦士と賢者、協力して邪神と戦って最後はどっちが名声を得た? 最後は強い者が残る! それが現実だ!」

 「名声とかそんなのは結果に過ぎない! 戦士と賢者が協力しなければ邪神は封印できなかったはずだ!」

 「戯言を……ならおまえが俺に勝ってそれを証明してみろ! 俺が負けたらなんでも言う事を聞いてやる! さぁ拳で決着つけようぜ、ライト!」

 

 そう言ってドーラは構える。


 「あぁ勝ってやるさ! そして、おまえの好きにはさせない!!」


 俺はそう答え態勢を整え構えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ