表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/143

第四話 喜ぶべき?悲しむべき?

 「お兄ちゃん、今日は模擬戦でもする?」

 「そうだな」


 今日はフランと一緒に秘密基地と言うなの空き地に向かっている。

 最近、フランも魔法のコントロールもうまくなったのもあって模擬戦をちょくちょくとしている。

 まぁ威力を調整しながら、動く相手に先に魔法を当てたら勝ちって言う二人共鬼役の鬼ごっこ的な感じだ。

 まぁ結果は言うまでもなく俺が勝つ事が多い。

 転生して知識持っててこれで負けてたら俺はなんだって話だ。

 それでも時々意表を突かれて負ける時がある。

 ……決してスカートの中身に気がいったとかではない。

 純粋に負ける時があるのだ。

 ちなみ、前の一件があって以降、フランは俺と遊ぶ(訓練)の時はズボンを履いている。

 だから、スカートの中身とか気にする以前の問題だ。

 喜ぶべきなのか悲しむべきなのか……。


 父さんにはあまり男の子の遊びばっかしてフランを男っぽくするなよって言われたけど、俺だってフランには可愛い姿をしてもらいたい。

 まぁでもズボンとは言え、タイトなズボンで決して不恰好じゃないあたりはさすが可愛い妹と言うべきか。

 今日は黒のズボンに白のシャツだ。

 このまま大きくなったら所謂OLってやつだろう。


 「どうしたの? お兄ちゃん?」

 「な、なんでもない! 最近背伸びたか?」

 「どうだろう?」


 俺がフランを見ながら将来を想像していると、フランが俺に声をかけてきた。

 すかさず、俺は違う話をする。

 フランは自分の頭に手を当てながら上を見ている。

 危ない危ない。

 最近なんか嘘ばっかついている気がするな。

 なのに城下町に一人で行くうまい嘘は思いつかない。

 こういう時に『嘘スキル』が発動して欲しいものだ。

 そんなスキルないけど。


 「ん?」


 俺は歩く前方に二つの影らしきものを見つけた。


 「お兄ちゃん、あれって……」


 どうやらフランも気づいたみたいだ。

 こういう展開ってあんまりよくない展開な気がするけど……でも、これはイベントってやつだろうか?

 とりあえず行くしかないか。

 まぁ魔法も使えるし大丈夫だろ。


 「フラン、身体強化の魔法を詠唱(・・)でかけて待ってろ。……なんかあったら逃げろよ?」

 「う、うん。お兄ちゃんは?」

 「ちょっと見てくる。なぁに大丈夫だ」


 俺はできるだけ爽やかに笑顔でフランに言う。

 ……ちょっとナルシストだったか。

 フランは俺の思いをよそに心配そうな顔をしている。

 良かった。変に思われていないみたいだ。

 俺はフランの様子を確認すると詠唱に入った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ