第四十五話 B組の番長
B組の教室は階段への踊り場を挟んでA組の教室の反対側にはある。
ちなみに俺たち一年の教室があるのは二階でB組の奥の教室がC組となっている。
そして、保健室はA組の教室前の廊下を奥に行って角を曲がった先にある。
俺はB組に向かう前にトイレに酔って詠唱で魔法をかけておいた。
タンカ切って保健室出てきた割にはちょっとかっこ悪い気がするけどそんな事言ってられない。
ライア君もちょっと『こんな場面で?』って驚いた顔してたけど。
俺は万全な準備をしてジャグナル君の仇を討ち、A組のみんなを守る。
その為には準備を怠れない。
俺はB組へ向かおうと進むとB組の教室の反対、A組の教室の奥の廊下を曲がった先にある保健室からA組の教室のある廊下へさしかかった時に人影に気付いた。
「……おまえがドーラか?」
廊下を曲がった先、A組の教室の前に見慣れない姿があった。
金髪の短髪に身長が高くて細い、でも筋肉がないかと言ったら違う。
おそらく細マッチョってやつだろう。
その証拠に腕をまくっていて肌が見えている部分は筋肉の筋が浮き上がっている。
そして、その男の後ろには20人程の男達がいた。
俺はその中心にいる細マッチョの人物に近づきそいつが誰かは分からないけど、反射的にジャグナル君をやった相手の名前を呼ぶ。
「へへ、おまえがライトか。てっきり逃げたかと思ったぜ?」
「逃げる訳ないだろ」
「その割には登場が遅かったな」
そう言ってドーラはA組の教室の方へ顎をやる。
まさか……。
「みんな!?」
俺が走って教室を覗くとそこには床に倒れて伏せたA組のみんながいた。
「ライト……」
「ライト君……」
床に倒れ伏せたみんなが俺を見上げて名前を呼ぶ。
どうして………なんで……?
「ライトおまえが悪いんだぜ? せっかく俺様が来てやったのにいないから。ちょっと暇つぶししようとしたけどこいつらじゃ暇つぶしにもーー」
「だまれぇぇぇええ!!!」
俺は生まれて初めて大声を上げ叫んだ。




