第四十一話 認めなくない事
「ライア先輩、いったい何が……」
俺はライア君について廊下を走りながらライア君に問いかける。
俺はまだ頭の中で整理ができてない。
今日は普通に授業のある日で、俺はいつものように学校で授業を受け、ライア君やジャグナル君といつものように冗談を言ったり他愛もない話をして過ぎていく……そんな一日が始まるはずだった。
それなのに学校が始まる前からジャグナル君が誰かにやられる……意味が分からない。
「ライト君……ジャグナル君はおそらくB組かC組の奴にやられたんだと思う」
「!?」
俺の心に痛みが走る。
おそらく俺は頭の奥底では予想していたんだと思うけど認めたくなかった。
それが意味する事は俺に関係してる事だと思うから。
「も、もしかして僕が二つのクラスの番長に狙われているのと関係がーー?」
「はっきりした事は分からないけど、今までこんな事はなかったし、ライト君がA組の番長になって他のクラスが狙ってるって噂が流れてからのこの出来事って事になるとその可能性が高いと僕は思う」
ジャグナル君……俺のせいで……。
確かに最初の印象は最悪だったし、リノアちゃんの件でも少し恨んだ部分もある。
それでも、ジャグナル君とは他人とは言えない関係になった。
少なくとも前世にいた友達以上の関係にはなったと思う。
そのジャグナル君が俺のせいで……。
「でも、なんで僕じゃなくてジャグナル先輩が……」
「それは僕も分からない。とりあえずジャグナル君の様子を見に行こう! もうそこだ!」
俺の前方に『保健室』とかかれた札のある部屋が見えてくる。
俺はライア君の言葉に無言で頷きながら足を早めた。
「ジャグナル君!!」
「ジャグナル先輩!!」
俺とライア君は勢いよく保健室のドアを開けて叫ぶ。
そして次の瞬間にはジャグナル君の姿が目に入った。
「ジャグナル先輩……」
俺は言葉を失いながら呟いた。




