第二十六話 バイキングは戦い
「す、すごい量取って来たんだね」
俺は朝食を取ってライア君の元に戻ってきた。
取って来たのは、御飯に何かの魚の塩焼きに何かの卵焼き、パンにコーンスープっぽいのとサラダに果物だ。
ほぼ全種取ったと言ってもいい。
まぁバイキングと言えば前世でもとりあえず全種は食べないとってのが定番だったからな。
それと一番原価が高そうなのを。
でも、ここではお金はかからないしそこまで本気になる必要はない。
ライア君とはあんまり距離を縮めるのは良くない気もするけど、秘密を知られてる以上無碍にもできない。
だから、俺はライア君が用意していただろう隣の席に座る。
まぁバレても才能って言ったらいいのかもしれないけど……。
でもライアが一般生徒で俺が特待生である以上バレて特待生でなくなる可能性があるしそれはまずい。
俺には魔法学校へ行く為にお金を稼ぐ方法を探さないといけないという使命があるのだ。
その為には、多少の妥協は必要だろう。
……絶対一線は越えないけど。
一線と言えば、俺ここでライア君を警戒しながら、野郎相手に絡まれたりしてて男臭い生活を過ごしていざフランとあった時耐えられるだろうか。
……危ないな。
これはここでメンタルも鍛えとかないと……あっ、メンタルは鍛えられてるか。
うーん、気合しかないな。
てか、それは今はいいか。
でも、ライア君はなんで特待生じゃないんだろうか?
まぁ、普段から気功……いや、無詠唱の身体強化?を使ってる訳じゃないしなんか理由があるのかもしれないけど。
そのうち聞いてみるか。
「お腹空いてたんで! さっ食べましょう!」
ライア君が手を止めていたのを気遣い俺は食事を勧める。
というか、ただ単に俺が早く食べたかったってのもあるけど。
でも、これでやっと食事にありつける。
「いただきまーー」
「おい」
俺がやっとの思いで食事にありつこうとしていると後ろから声をかけられた。




