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第二十一話 正当防衛

 「よっ!」


 俺はパンチを避ける。

 さっきので自分のチキンハートがビビって動けなくなるかと思ったけど、転生して今までの生活で少しは変われたのか自信がついたのか恐怖で動けなくなる事はなかった。

 それに、フランとの模擬戦の成果か咄嗟でも動ける反射神経がついたのかさっきのもガード出来たし今も身体が反応して動いている。


 「これで終わりだ!」


 そして、俺は避けざまに右ストレートを鳩尾に打ち込む。

 

 「ぐふぅ!?」


 ジャグナル君は身体を『く』の字に曲げながら吹き飛ぶ。

 ジャグナル君は5メートル程宙を飛んで3メートル程地面を転がる。

 ……やり過ぎてしまったか!?

 さっきのでちょっとやられてはいけないって思ったのと仕返しと思ったけどやり過ぎてしまった!

 これって傷害罪とかにならないだろうか……。


 「おまえ……」


 ジャグナル君は一言呟いて地面に倒れた。

 良かった……とりあえず死んではいないみたいだ。

 でも、肋骨とか大丈夫だろうか。


 「なにがあった!?」


 クライフ先生が慌てて駆け寄ってきた。

 先生……これは正当防衛なんです。

 

 「いや、ちょっとカウンターで一発入れただけ……なんですけど……」


 ……嘘は言っていない。

 言ってない内容もあるけど。


 「カウンター入れただけって……今吹っ飛んでたぞ!?」


 はい、その通りです。

 

 「ハハハ、なんででしょうね? 入り方が良かったのかな?」


 俺は乾いた笑い声を上げながら愛想笑いで誤魔化す。

 でも、これ誤魔化せるんだろうか。


 「……さすが特待生という事か。とりあえずジャグナルを保健室に運ぶ。おい、手をかせ!」


 誤魔化せた!?

 ま、まぁ熊を倒したと言う話をおっちゃんから聞いてたのかもしれないからか。

 クライフ先生がそう言うので手伝おうとしたらクラスの八割を占める方の生徒がジャグナル君に駆け寄った。

 その中には担架みたいな物を持っている生徒もいる。

 いったいどこにあったんだろうか。

 でも、あって良かった。

 まぁ実技だからグランドのどっかに配備されているのかもしれないな。


 「よし、運ぶぞ! 残ってる者は自習だ!」


 そう言ってクライフ先生は数人の生徒を引き連れてジャグナル君を担架みたいなものに乗せて運んで行った。

 辺りを見回すと残されたのは二割を占める生徒と八割の方の生徒の残り。


 「ひぃ!? 許して!」

 「あ、あのジャグナルが……す、すまん!」


 八割の方の残りの生徒は悲鳴を上げながら、校舎に戻って行った。

 ……俺別に何もしないけど。

 てか、自習は? いいの?


 「さすがライト君だね」


 俺が呆然としているとライア君が声をかけてきた。

 

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