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第二十話 いらないところはリアル

 「ちょこまかと避けるなぁぁぁ!!!」


 ジャグナル君はさっきよりも一段ギアを上げ、俺に襲いかかる。

 対する俺も当たって痛い思いをしたくないので左右に、そして時には上体を反らしたりしながらジャグナル君のパンチを躱す。

 前世の俺なら間違いなくボロボロにやられて生死の境を彷徨っていた事だろう。


 「くらえぇぇぇ!!!」

 「!?」


 俺はパンチに気をとられていた隙をついてジャグナル君は右足蹴りを繰り出してきた。

 横から繰り出されたキックは避けるには間に合わず左腕でガードする。


 「イテテて」

 「やっと捉えたぜ」


 予想外の攻撃だった為、手や筋肉のあるところでなく腕で受けた為、鈍い痛みが腕を駆け走る。

 いくら身体強化とは言え当たればダメージを0には出来ない。

 アニメやゲームと違っていくら能力が高くても能力の低い方からの攻撃に対して痛みまではなくせない。

 こういうところは異世界なのに妙にリアルだったりする。

 ここはリアルでなくても良いのに。

 

 「へっ、ほら構えろよ。次行くぞ!」


 そう言ってジャグナル君はファイティングポーズを取る。

 俺に一発当てた……当てたと言ってもガードしたけど、それにジャグナル君は気を良くしたようだ。

 でも、何度も痛い思いするのは嫌だ。

 俺はそういうのは前世でも全力でそういう状況になる前に回避してきたし免疫がない。

 こうなったら……

 

 「ジャグナル君……いや、ジャグナル先輩? うーん、とりあえず痛くても文句言わないでくださいね?」

 「あぁ!?」


 やってしまった。

 『君』か『先輩』どちらで呼ぶか決めてなかった為口に出してから迷ってしまって、それが余計に挑発っぽくなってしまった。

 よし、今後はライア君に合わせて口にする時は『先輩』にしておこう。


 「調子乗ってるんじゃねぇぞ!!!」


 ジャグナル君はさっきケリを当てたのに気を良くしたのと挑発で頭に血が昇っているのか、俺に当てる事が出来なかったパンチを繰り出してきた。

 

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