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第百三十話 明日の夜に予約が入りました

 男は俺に向き直る。

 

 「なんだおまえは? おまえはこの男と戦ってたんだろ? だったら良かったじゃないか。俺がとどめをさしてやる」


 チェスター先輩の事は憎い。ジャグナル君やベイル先輩……魔法を使えない者になんの遠慮もなく魔導具を使った。

 それでも命を奪っていい訳ではないし、それに生きてちゃんと罪を償ってもらわなければならない。

 でも男は躊躇なくとどめを刺そうとしている。


 「やめろって言ってるんだ!! どんな悪い人間でも殺してはいけない!!」

 「……ふん、生温い奴だ」


 俺の言葉を無視するように男はチェスター先輩にとどめを刺そうとチェスター先輩の手を取り引き金を引かそうとする。


 「だから、やめろって言ってるんだ!!!」


 その瞬間、俺は闘気を最大限発動させ、なおかつ男が重力魔法に反発するイメージで重力魔法放ち、男の重力魔法を無効化する。


 「なにぃっ!?」


 俺は驚愕する男に一気に肉薄するとその手を掴み空へと向ける。

 その瞬間、チェスター先輩の魔導具から上空へと炎槍が放たれた。

 良かった……間に合った。


 「……」


 俺が間に合った事に安堵していると男は俺を無言のまま見据えていた。


 「おまえまさか……」


 もしかして俺が重力魔法を使ったのがバレたのだろうか? ……まぁ仕方ない、覚悟の上だ。


 「……」


 俺は何も言わずに男を見据える。

 そして、男も俺の事を無言で見据えしばらく静寂が流れる。


 その時だった。

 馬の足が聞こえ段々とこちらへ向かってくる。


 「……明日の夜、街の反対側の郊外にある倉庫街へ来い」


 男はそう言うと俺の手を振りほどき来た道を歩いて戻って行く本気で力を入れていた訳ではないとは言え俺の手を簡単に振りほどくとは……。

 俺は男を追うべきか迷ったけど、ジャグナル君の件もあるし追うのをやめた。それに明日の夜と向こうが指定してきたのだ、今追わなくても明日会う事が出来る。


 明日こそ……。


 俺は去って行く男の背中を見ながら明日への決意をした。

 

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