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第百二十九話 謎の男

 「おまえは……?」


 その人影はゆっくりとこっちに向かって歩いてくる。この状況の中で普通に歩く事が出来る人物……あいつがこの魔法の使い手か。


 現れた人物は俺と同じくらいの身長に黒い髪、そして黒いシャツに黒いズボンの男だった。でも、格好と裏腹に顔は少し幼さが残り俺と同い年くらいに見える。

 あいつはいったい何者なんだ……?


 現れた男は俺の問いかけに無視してチェスター先輩の側に立つ。


 「ちっ、物を売りさばく事もろくに出来ずに挙げ句の果てには俺が貸してやった魔導具まで取られやがって」

 「ーーっ!?」


 なんだって!? どういう事だ!?


 『物を売りさばく』『俺が貸した魔導具』


 もしかして、こいつがチェスター先輩を使って学校で物を売りつけたり魔導具で脅したりしたのか!? ……まさかベイル先輩も!?


 俺の中で様々な疑問が頭の中で繋がる。

 チェスター先輩がいくら魔導具を使ったからと言ってベイル先輩も一方的にやられるのはおかしいと思っていた。あのチェスター先輩が使っていた魔導具は威力、スピードともに高かったけど、それでも闘気があればそれなりに対応出来るだろうしいくら向こうが数で勝負に来てもベイル先輩の事だ。最悪相打ちにしてでもチェスター先輩を倒しただろうし、それまでに誰か倒すだろう。

 それが一切、相手の証拠がなかった。

 

 もしかしたらこいつがチェスター先輩を使ってベイル先輩を呼び出しこの重力魔法を使ってベイル先輩の動きを封じたところにチェスター先輩らがトドメをさしたのかもしれない。……そう考えるとベイル先輩がやられたのも分かる。

 闘気を使っているとは言え、重力魔法の範囲を狭められ一人だけ身動きがとりにくい状況で多数から魔法を放たれたらいくらベイル先輩でもひとたまりもない。

 

 「ち、違う……んです! ちょっと油断……しただけで……つ、次こそはーーっ!? グハッ!!」


 男は言葉を口にしたチェスター先輩を踏み付ける。

 

 「言い分けは聞かん」

 「や、やめてくーーぐぁぁぁぁあああああ!!!!!」

 「ーーっ!?」


 男は踏み付けたチェスター先輩の手に魔導具を無理矢理持たせるとチェスター先輩自らに銃口を向けさせ引き金を引いた。

 そして、チェスター先輩はジャグナル君の時と同じように炎につつまれ全身に火傷を負い痛さのあまり叫ぶ。


 「……しぶといな。しぶとさだけは一人前か。なら。もう一発ーー」

 「やめろっ!!!」


 俺は今にもチェスター先輩にトドメをさそうとする男に向かって叫んだ。

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