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第百十一話 沈黙が語るもの

 ついに着いた。

 俺の目の前には『2ーA』の標識のある教室がある。以前ここにやってきた時は扉を開けるなり、魔導具で魔法を放たれたっけ。

 今回も十分その可能性はあるな。

 一応扉の上に黒板消しとかと言った古典的な罠はないけど。


 「ライト君、気をつけて」


 俺が以前ここに来た時の事を思い返していると、ライア君が心配して声をかけてくれた。

 この前は不意をつかれたけど、今回は警戒して何があっても咄嗟に動けるようしとかないとな。


 「ありがとう。大丈夫だよ」


 俺はライア君に言葉を返すとドアの取っ手に指をかけ一気にドアをスライドさせ開けた。

 すると、ドアは勢い良くスライドして開き、壁にあたって『バン』という大きな音を上げた。


 「……」


 この前みたいにドアを開けた瞬間に魔導具で魔法を放たれるかと警戒していたけど、ドアを開けても何も飛んでくる事はなかった。

 そして、教室の部屋の中を見るとチェスター先輩がさっきのドアを開けた音にも動じず、一人こちらを背にして机に足をかけ、外を見るようにして椅子に座っていた。

 いったい何を思い、何を考えているのか? その背中から読み取る事は出来ない。


 「チェスター先輩」


 俺はチェスター先輩を呼ぶ。

 すると、チェスター先輩は足を机からおろし、おろした反動で立ちあがりこちらへ振り返った。


 「……ちっ」


 チェスター先輩は俺たち、そしてドーラ君とバルテル君に担がれた赤髪と青髪を一瞥すると舌打ちをした。

 この反応……やはりチェスター先輩は今回この件に関わっているだろうし、赤髪と青髪はチェスター先輩の指示で俺たちを襲ってきたって事だろう。チェスター先輩もここまで赤髪と青髪を連れて来られたって事は魔導具を取り上げられたってのも理解してるだろうし、前みたいに知らない顔は出来ないだろう。


 「チェスター先輩これでもまだ言い逃れしますか?」


 俺はチェスター先輩を見据え言葉を投げ掛けた。

 ここからチェスター先輩がどうするか……俺はチェスター先輩の動きを注視しながら返答を待った。

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