第百九話 名コンビ? 迷コンビ?
「という事で、ジャグナル君とドーラ君は二人を運んでね?」
「「はぁっ!?」」
「だってさっきも息ぴったりだったし、赤髪さんと青髪さんも息ぴったりたったからお似合いじゃない?」
始まった! さっきまでのシリアス展開をぶち壊すかのようなライア君のおちょくり!
いつもながら唐突に……それにしてもライア君はいつでもマイペースだな。まぁいろいろ気を遣ってるのかもしれないけど。
「「息ぴったりじゃねぇ!!」」
「ほら!!」
「「ぐっ……!!」」
それにしてもここまで二人が息ぴったりとは……。最初は水と油かと思ってたけど。まぁ水と油と言ってもドレッシングとかは交わらない物を混ぜてあるし、それを混ぜて使うと美味しいって事もあるからな。
うん、この二人もそんな感じだろう。
……って事にしておこう。
「もういい加減気が合うって認めたら?」
「「認めねぇーー!!」」
ダメだ……ここまで息ぴったりだと……。
「……ぷ、ぷははは!」
俺は思わず声に出して笑ってしまった。
「ほら、ライト君も笑ってるよ?」
「「笑うんじゃねぇ!!」」
「あぁ〜ゴメンゴメン! ついつい笑っちゃった! それよりどうしよう? 俺も運ぼうか?」
二人が嫌なら俺も運ぶ方に入る事にしよう。
でも、今考えるとみんな纏まって行動して良かったな。
「俺、運ぶ。ライト、警戒、しろ」
「バルテル君……」
「そうだね。ライト君はチェスター先輩に目をつけられてるしこの前みたいな事があるかもしれないし」
確かにチェスター先輩ならあり得る……か?
「でも、いいの?」
「うす」
「へへ、ラッキーー! じゃあバルテルよろしくなっ!」
「何、言ってる? ドーラ、運ぶ」
「はぁ!? なんで俺なんだよ!?」
「ライト、ライア、戦力、上、ジャグナル、ベイル先輩、件、ある」
「ぐっ……!! ……しゃーねぇーな! 後でなんか奢れよ!!」
「ドーラ君……」
なんだかんだいってドーラ君はいろいろ考えて引き受けてくれた。
最初は最悪な印象だったけど、こうして接していると全然違う風に感じる。
「よし、じゃあ行こうか!」
ライア君の言葉に俺たちはみんな頷いた。




