第百五話 魔導具
「みんなっ!!」
俺はその光景を見た瞬間に叫ぶ。
でも、ライア君は予想していたのか先輩達が魔導具を出した瞬間に素早いスピードでジャグナルを抱え射線から飛び退いた。
おそらく無詠唱の魔法、気功を発動させたのだろう。
ドーラ君とバルテル君もライア君が煽っていたのが分かっていて予想していたのか横に飛び、木の影に隠れる為に動き出していた。
俺は俺でその光景を見た瞬間に安心し、近くの木へと無詠唱の身体強化を使い移動を開始する。
「くらぇぇえええ!!!」
みんなが回避行動を取った瞬間に、先輩達は魔導具を発動させ、火の玉、氷の槍を発射させる。
そのスピードは速く、俺がこの前に教室で受けた物より速い。あの時のは威嚇用で今回のは仕事用なのだろうか?
しかし、先に回避行動をしていたみんなには当たる事なく、魔導具から発射された魔法は遠へ飛んで行った。
「ちょこまかと避けんじゃねぇ!!」
そう言って二人は魔導具を乱射させる。
避けんじゃねぇって言われて避けない奴はいないだろう。俺を含め、みんな木に隠れて反撃の機会を伺っている。
魔導具から放たれた魔法はみんなが隠れている木にぶつかり木を揺らす。
それだけならまだしも、炎に至っては木を燃やし、このままではヤバイ。
「ライト君!!」
次の瞬間にライア君の声が聞こえてきた。
俺は何となくライア君の言いたい事が分かり行動に移す準備をした。




