第百一話 見回り方法と知らない話
話し合いの結果、最初は二組に分かれて見回りしようかと話が出たけど、二年生が何を考えているのか分からないってのと、向こうが魔導具をどれだけ持っているのか分からない事、もし証拠を掴んだとしても二人だと相手の人数によっては対応が難しい事から五人で回る事になった。
「俺は一人でも十分だけどな。まぁおまえらがそう言うならそうしてやる」
「何言ってるのドーラ君? これは君の為でもあるんだよ?」
「はぁ!?」
「ドーラ、正直、俺たち、厳しい。ライト、ライア、くらい」
「なに生温い事言ってんだよ!? 俺が負ける訳ないだろっ!?」
ドーラ君はムキになって言い返す。
そう言えばドーラ君って生温いって言葉口癖みたいによく使うな。でも、負ける訳ないって……。
「ドーラ、ライト、戦い、負けた。ライト、ベイル先輩、戦い、負けた。ベイル先輩、魔導具、負けた。ドーラ、負ける」
「あぁ〜!! 負ける負けるうるせぇな!! そんなもんは気合だ!」
いやいや、精神論で戦って日本は負けましたから。気合や精神論でやっていける程あまくはない。まぁ多少の影響はあるだろうけど。
でも、バルテル君の言う通りベイル先輩を倒したかもしれない相手だ。魔導具がどれほどか分からないし威力も詳しく分からない以上、油断出来ない。
「……」
「ん? ジャグナル君どうしたの?」
「いや、なんもねぇよ」
なんだろう? 何か思い詰めたような顔してたけど。
「そっか。ジャグナル君はベイル先輩に憧れてたもんね」
「……うるせぇよ」
ジャグナル君がベイル先輩に憧れてた?
「ライア君、どういう事?」
「ん? あぁ、ライト君は途中で入ってきたから知らないのか。実はジャグナル君は昔ベイル先輩と戦ってるんだよ」




