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番外編-武器を片手に、宝探しをしよう!-

 私は仁王立ちにして、彼女を見下ろしながら告げた。


「イエスか、はい。好きな方を選んでいいわ」

「どっちも同じ意味じゃないですかぁああああああ」


 そう目の前にいる涙目な“もう一人の私”はそう答えたのだった。









 新しイベントは宝探しらしい。

 そして好きな武器を手に、迫る敵を倒す必要があるらしい。

 ちなみに、二人組を自動的に作るそうだ。


「誰でもいーや、ぽちっとな」


 目の前に現れた、黄色と黒の斜めの縞模様でその中に赤いボタンが有る。

 そしてその直ぐ側には、相手がランダムに選ばれます、押してね(はーと)という看板だ。

 恐らくはこの可愛い丸い文字も、蒼一兄ちゃん(♂)が書いていることだろう。


 そう思うと何だかな~と思った私だがとりあえず押した。

 目の前に現れたのは……私?


「あ、ミント0号、どうしたの?」

「ど、どうしたのじゃないです! 私はただボタンを押しただけで……まさか」


 顔を青ざめさせるミント0号に私はにやりと笑う。


「今日はよろしくね」

「いやぁあああ、お家に帰るぅう」

「こき使ってあげるから、楽しみにしててね~」


 そう私は答えて悲鳴を上げるもうい一人の私を連れて行ったのだった。









 さて、私はミント0号の武器を選んだ。


「武器はこれ。イエスか、はい。好きな方を選んでいいわ」

「どっちも同じ意味じゃないですかぁああああああ」


 そう目の前にいる涙目な“もう一人の私”はそう答える。

 他にも色々と武器が有るのだが、やっぱりキャラデザが可愛いので魔法の杖であるべきだと思う。

 というわけで、私達の選んだ武器は魔法の杖(棍棒)となった。


 振ると光が杖の先に集まり、レーザーを発射して敵を焼きつくす、迫る敵は薙ぎ倒される凶悪武器である。

 そして、それを持ちながら実は私は結構楽をして進んでいた。


「いやぁあああああああ」


 悲鳴を上げるミント0号が恐慌状態になり、涙目で先手必勝とばかりに現れた敵をビームで焼きつくし、突如目の前に現れた敵はその可愛らしい杖で、とてもではないがモザイク無しではお見せできないような物体を作り上げていく。

 このグロ画像は果たしてここまでする意味があったのだろうか?

 

「……一定時間経つと消えるからまあ良いか」

「何を一人でブツブツいっているんですか、手伝ってくださいいいいい」


 ミント0号はそんなことを言う。

 だが待って欲しい、私の出番がそもそもミント0号に奪われているという……だが、


「でももう目の前に宝箱があるわね」

「じゃあこれで終わり……良かった。よし、開けます」


 ミント0号が意気揚々と宝箱に近づく。

 だが、そういえば宝箱に擬態する魔物もいたようなと思ったが杞憂であったらしい。だが、


「なにこれ、ただの紙?」

「よし、外れね。次行きましょう」

「ミント、中身は読まないの?」

「君たちの友情がどーのこーのという内容よ、どうせ。それに手に入れた宝物で、得点が決まるんでしょう? だったら紙は大していいものにはならないと思う」

「夢がないな~、えっと……“大吉”。おみくじみたい」

「……」

「……次に行こう」


 こうしてわたしたちはつぎのぼうけんのぼうけんにたびだったのであった。まる。









 さて宝箱を新たに見つけた私達は、宝箱にふらふらと無防備に近寄った結果、このようになっていました。


「……」

「ミント0号ほうけていないで攻撃よ!」

「む、無理、だってあれ……」


 そう、私達の目の前には私達の数十倍の背の高さなドラゴンと言われる羽の生えた恐竜のようなバケモノが現れた。

 だからミント0号はあまりにも巨大な敵を前にして動けなくなった。だから、


「よし、とりあえず協力して攻撃よ。手始めにビームを一緒に放つわ。いいわね!」

「は、はい」

「行くわよ。せーの!」


 そして私達は杖を振り上げ、同時に杖からレーザー砲を放出する。

 一直線に巨大な閃光が走り、ドラゴンを貫いて……横で、同時攻撃&同じキャラ特典、攻撃力、?2500と出てきた。

 崩れ落ちるドラゴンを見ながら、小さな角が落ちてくるのを受け取りながら私は、


「こんなボーナス有るの知らなかった」

「私も」


 そう呟き、それからそばにある宝箱を開き、青い宝石を手に入れたのだった。









 さて、時間終了して、換算したェッか私達の特典は一位だった。


「青い石、300pt、金色の棒、20pt、真珠のニセモノ、20pt、丸まった紙、10pt、おみくじ(大吉)、325500000pt」


 読み上げたミント0号。

 それに私はため息を付き、


「まさかあの、おみくじがレアアイテムだったなんてね」

「私の大勝利です」

「そうね。しかも同じキャラだったらあんな攻撃になるなんて」

「驚きました」


 あの技はなかなか過激でよかったように思う。

 やはり合体技は正義だ。

 協力しあって攻撃はとても魅力的である。


 私はそれにある種の感動を覚えつつ、こうして私達は一つのイベントを終了させたのだった。

 そして後日、私が知ったのは自キャラをミント、相棒のAIをミントにすると、相棒が魔法の杖(棍棒)を強制的にもたせ、超火力で敵をなぎ倒す仕様になった……という話である。

 相変わらずミントの行動は変だと言われるが、ミントは可愛いので杖を振るべきで、少しもおかしくないと私は思う。


 だがその行動は好評らしく、イベントは大成功だそうだ。

 というわけでそろそろ自分の行動に疑問を持つべきではないのかと私は思ったけれど、まあ一家と適当に考え、図書カード片手に私はその場を後にしたのだった。





「おしまい」



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