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ここは……天国か

 サトルを起こそうとぷにぷにしていた私は、ミント0号に取り上げられた。

 そのまま彼女は自分の膝の上に、彼の頭を置く。

 つまり、膝枕である。それを見ながら私は、


「あら、いい加減諦めたの?」

「二人な所を見られたなら仕方がないでしょう。それで、生き別れの双子で通すから」

「普通に二人に別れちゃった、じゃあだめなの?」

「サトルが信じると思う?」

「信じるも信じないも、昔から一緒にいるサトルにその嘘が通るかしら」


 それを聞いてミント0号が沈黙する。

 降ってわいたような双子の話。

 しかも、以前私がモブモブ君(仮)についた時に、この学校を出入りしている外部業者すらも調べてあるという。


 とことんミントを守る為だと思うあの情報網も含めて、誤魔化しが効くとは思えない。

 下手すると私を潰せば解決という方法に……。

 それだけは避けないとと思う私。


「そして二人いるからどちらかを消した方が良いと言い出したらどうするの!」

「……それは漫画の読み過ぎだと思う。サトルはそんな事をしないもの」


 微笑むミント0号。

 それだけ信頼しているというのに、どうして告白という段階を拒絶するのかと私には分からない。

 まあ、大事な協力者として協力してもらいましょう、私はサトルを見ながら思ったのだった。






 サトルが目を覚ましたのはそれから10分後のことだった。

 彼がゆっくりと瞳をあける。

 私とミント0号が覗きこんでいたので目がかすんだと思ったのだろう。


 それでもまだ二人に見えるのか、目をこすって私達を見ている。

 そこでようやくサトルが呟いた。


「ここは……天国か」

「残念だけれど、天国ではないわね」

「……では、何故ミント様が二人」

「分裂したから」

「……冗談でしょうか」

「いえ、本当なの」


 にこりと微笑んだ私にサトルはもう一人のミントを見るが、ミント0号は頷く。

 それに思案するサトルだがそこで私は、


「それで、ミント様の膝枕の感触はどうかしら」

「ごふっ、申し訳ありません!」


 サトルは焦ってそこから起き上がる。

 身軽な動きは間違いなく忍者だ。

 そんな事を思っていると彼は私を見て、


「それで二人になったというのは?」

「なんか知らないけれど、異世界の存在である“私”がミントの中に入って別れたみたい」

「つまりお前は偽物なのか?」

「さあ。今はミントそのもののような気もするし良く分からない。けれどわかっている事も幾つかあって……その話をする前に、話しておかないといけない事があるの」


 話をそらす私。

 そもそも少しでも時間を有効利用しないと行けず、そのための強硬手段なのだ。

 どうにかミント0号は諦めてくれたようなので私はその話をしようとすると、ミント0号が、


「サトルは今の話信じてくれる?」

「……敵意の有無は分かりませんが、目の前にいるお二人はとても良く似ていらっしゃって、けれど性格がまるで違うのは分かります」

「そう、なんだ……」

「ミント様のずっとお傍におりましたから」


 そう、何処か照れくさそうにサトルがミント0号に言っている。

 ミント0号もそれに嬉しそうだったので私は、

 

「そうなの、それでね、このミント0号は貴方が好きみたいなんだけれど、貴方の答えを聞かせてもらってもいいかしら」


 私はサトルに告げて、それを聞いたサトルが凍りつき、ミント0号が蒼白になったのだった。


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