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へんな詩

私は空気

作者: Iso Rock

 私は空気。


「おはよう」と挨拶しても。

 聞こえていないらしく、誰も返事はしてくれない。


 廊下ですれ違ってぶつかられても。

 見えていないらしく、誰も頭は下げてくれない。


 教室には人が沢山居る。人で溢れている。

 けれど、周りは人でも私は独り。


 話しかけても蹴られてもぶつかっても、

 たとえ目の前にいたとしても、

 みんながみんな、みんな無視。


 見えない、聞こえない、分からない、気づかない。


 私は空気なんだ。


 すぐ傍に居ても、

 息の当たる距離に居ても、

 二十四時間当たり前に居ても。


 空気だから誰にも知られなんだ。


 みんなが私をないがしろにするから、私は黙って消えた。


 この子も、その子も、あの子も、どの子も、みんなみんなみんなの前から消えた。


 するとどうだろう。

 みんなは急に顔を青くして、喉を掻きむしって、最後は凄い顔して動かなくなった。


 私は空気。

 居なくちゃ誰も生きられない。

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― 新着の感想 ―
[一言] 魚の目に水が見えないように、ぼくたちも空気があるということが身近すぎて忘れかけていたのかもしれません。 たかが空気、されど空気。 見えないからといって蔑にするのではなく、きちんと取り組むべ…
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