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彼女が帰ってきた! 編

  

 私達はわざわざ羽田空港で合流した。

 

 伽羅がオーストラリアで現地の男性と離婚が成立した直後だ。

(2回目の離婚だっけ??)

日本へ帰って来る彼女を迎えに行った訳だが、彼女が

「リニューアルした羽田を見たい」というのでわざわざ彼女は成田から羽田へ乗り継いだ。

 

 私、上殿《かみでん》ミラは昔活躍した元子役、

今は湘南でラジオのパーソナリティをやっている。

 ちょっと久しぶりの東京なので自分の顔が周りにバレないか少し気になったが

大丈夫なようだ。

 少なくともジロジロ見られてないし。

 

 到着した伽羅は旅慣れてて荷物は意外に少ない。

ほとんどの荷物は向こうで処分したようだ。

 彼女が当面オーストラリアに行く気は無いようなのが残念だった。

彼女に会いに海外に行くのは私の楽しみであったのに。

 正直ざんねん!!!


 着いた早々伽羅が

「タバコ吸いたい」

と言うのでテラスに行く。

 テラスのカフェで二人分のコーヒーを買った。


 伽羅・パーカーはハーフだ。

高校卒業までアメリカに居たが、家庭の事情で日本に来て大学に。

(日本語は幼い頃から親から教えてもらっていたらしく話せた)

私と同じ湘南の女子大だった。


  最初彼女は日本の女子大生ファッションとはちょっとずれていて目立っていたし

(そもそもスーパーモデル並みの身長と抜群のスタイルの彼女はもともと目立つが)

 それと鼻持ちならないような気取った印象もあり彼女に積極的に話しかけるクラスメイトは

少なかった。

  

 大学の入学式で彼女は鼻に医療テープを付けていた。

それが気になって私はつい彼女に「それどうしたの?」と声をかけた。

 すると

「ああ、これは日本の大学に入れたご褒美」

「??」

「親から整形代出してもらった」

「ああ、なるほど」

(海外の人ってそういう感覚で整形するのね)とスルー。


 彼女とは学科が違ったが、2年まで同じ授業を取っていてその時に彼女の方から

私の隣の席に座って来たり、

お昼を誘ってきたりした。


 初めて彼女と二人でお昼を食べた時に彼女のアイフォンで

子供の頃の私が出ていたドラマを見せられて

「ミラちゃんってさあー、昔テレビとかよく出てたんだって?

うちのクラスメイトが教えてくれたよ」

私は顔が真っ赤になった。

 彼女の完璧に綺麗な手からそれをひったくって消したかった。

「ま・・まあね。子供の頃の話だけど」 

 ほんと恥ずかしい!!

10代の初め頃にアイドル紛いの事もしてて歌も出したのは幸いなことに知ってる人が少ない

んだけど。

 まあ、隠してた訳じゃないけど伽羅にもバレてたのね。

私の恥ずかしい過去が・・・・。

 彼女は「すごい! ちょっとしたセレブじゃない?」悪気の無い笑顔で言った。 

 欧米の成功した子役には程遠い収入と栄光なんだけどな・・・。


 伽羅みたいな派手なタイプは派手なグループに属するのかと思ってたが

なぜかそうではないらしかった。

 彼女とはクラスが違ったのだが、他の誰かと群れている所はほとんど見たことが無かった。

しかし孤高の人という訳では無かった。

 ただ彼女の世界は別にあっただけのことだった。


 その世界とは....

 ある日昼休みに学校の外のレストランで二人で食事してた時

「あのさー」

「何?」

「今度の金曜の夜暇?」

 この時はまだ私には

高校の時に仲良くなったゲイの友達の鞠男意外に気軽に遊んでくれる人は居なかった。

 「うん」

「じゃあ、飲みに行かない?」

「いいよ」


 ・・・・と当日待ち合わせの場所で待ってると

一台の大きな車が私の前で止まった。

高そうな車だ。

 左ハンドルから白人男性が現れたので一瞬びっくりしたが

彼の隣のシートから伽羅が出てきた。

「ミラちゃん、来てくれてありがと。

びっくりした? 

帰りも彼らが送ってくれるから大丈夫よ」


 後部座席にもう一人白人男性が乗っていた。

男二人は20代半ばから後半といった感じ。

雰囲気は落ち着いてて米軍関係の人では無いらしい。

 ある程度裕福なビジネスマンといった感じかなあ。 

 

 車中で簡単に自己紹介されたが、伽羅と彼らの関係が良く解らず。

伽羅はどっちかと付き合ってるのか聞いてみたけど

「違うよ。友達」とのこと。


 男二人がまるで伽羅の奴隷のようにへいこらしてたので

なんとなく関係性がわかった。

 車は横須賀についた。

 「ミラちゃん、今日はカジュアルな所がいいかなと思ってちょっと遠出させてごめん」

と一軒の洋風のバーに・・・。


 入るとどうやら外国人達が多く集まる店らしい。

 アメリカンな感じの店内。

ビリヤードやらテレビスクリーンやらがある。

 伽羅が店内に入ると店の男達全員の目が一斉に彼女のそそがれた。

何人かが「ハーイ」と彼女に声をかける。

車に乗せてくれた男達が私達を奥のテーブル席に案内してくれると

飲み物をオーダーしにいってくれた。


 彼らを待っている間、チラチラと何人かの男達が伽羅を見ている。

伽羅の連れの男達が戻るといくぶん視線は収まったが・・・

 連れの一人は運転係なのかソフトドリンクだ。

「あ、ドリンク代・・」と私がバックを開けようとすると

「いいよ」と男の一人が言った。

 (結局最後までおごりだった)

 

「やっと伽羅が女友達を紹介してくれた」

運転係が私に言った。

 これってお見合い??

まさかねえ・・・。

 それにしても私はちょっと場違いだった。

 どんな所に呑みに行くかわからなかったので無難な格好を選んだつもりだけど。

 

 私はコットンの素朴なノースリーブワンピースにサンダルという格好。

伽羅は体にぴったりとした大きく背中と胸の開いたトップに体にぴったりのジーンズにハイヒールと

カジュアルとセクシーが入り混じったような格好。


 ちなみに他の客もラフな格好だった。

伽羅の連れもラフな格好だった。 

聞くと二人とも普段は横浜の外資系働いてるヨーロッパ出身のサラリーマンらしい。 

 一人は伽羅に気があるのは見え見えだ。

 伽羅はモデル並みの美人だ、当然モテる。

しかし日本人男は気が引けてなかなか声をかけられないタイプだ。

 しかし欧米の男性はあからさまに彼女へアピールしてくる。

 4人でテーブルを囲んでいる時、別の男性が近づいてきて伽羅に「これってどっちかが君の彼氏?」

と聞いてきた。

 「いいえ。友達」

「じゃあ、俺達とあっちでダーツでもしようよ」

 「だめよ。友達連れだからごめん」と断ってもナンパ男はしつこかった。

 「お前、しつこいぞ!」と 

それに怒り出した伽羅の男友達とナンパ男のにらみ合いが始まった。

 伽羅は慣れてるのか冷静だ。

 「ねえ、やめてよ」


 私は初めての事なんでちょっとおろおろ。

 (彼女と長く付き合ううちに慣れたけどね。 

ただし、伽羅は普通の日本人男性が臆する程の美女。

大抵こういうゴタゴタは外国の男性同士でやっている) 

  

 伽羅は「喧嘩するなら外でやってよね。 でないと私帰るよ」

と椅子から立ち上がろうとした時、

 ナンパ男が連れの男の襟を掴んだ。

「やめて!」

二人の男の拳が上がるのを察知した私は止めようと反射条件で二人の間に割って入った。

 

 10分後

 「痛い・・・」

 私は顔に残った二人の男の拳の跡を伽羅におしぼりで押さえてもらっていた。 

 「何もつっこまなくてもいいじゃん」

 伽羅の男友達と喧嘩相手は店から追い出させて何処かへ行ってしまった。

 「つい反射的にね・・」

 「もう、私と遊びに行くのはこりた?」

 「そんなことないよ」


 その後、その店にはもう二度と私達は行く事は無かったが、すぐに

私の高校時代からの友人の鞠男ゲイと一緒に3人で遊ぶようになった。

 伽羅には他にも外国人がよく行くような店には連れて行ってもらった。 

   

 伽羅との関係は卒業後も続き、こうやって彼女の何度目かの(2度目か?)

離婚後にも会える事が出来た。

 この先の予定は無くしばらく日本に居るつもりだそうだ。

 私としては一生彼女に日本に居て欲しいが、

恋多き彼女のこと、また何処かの国の男性と恋に落ち(大抵は向こうが彼女に夢中になる)

何処かに行く可能性もあるけどね。

 

 タバコを吸い終えた伽羅は軽く鏡で唇をチェックした。

「じゃ、ミラちゃん、空港のショップ見てまわろっか」


 彼女にはまだまだエピソードがある。

その話はまた今度・・・・


 END  

 

  


  

 

 

 

 






 

 



  

 




  


  

 






  

 

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