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私が行く・異世界冒険譚  作者: ちょめ介
蒔かれた種はどんな木に育つのか
8/81

第八話・市場…それは店と客との戦いの場

はい、第八話投稿いたしました。


今回は主人公が【魔法】についてを学びます。


そして主人公が他の国に向けて旅を始めます。


それだけの話です。


ほんじゃま、第八話、始まり始まり…

おはようございます。


伊那楓です。


ちなみにこの世界ではイーナと呼んでください。


え?今なにをしているかって?


朝食を食べていますよ?


朝食を食べないと頭が働かないと科学的にも証明されていますし。


トーストとハムエッグこの世界では割とポピュラーな献立らしいです。


それはそうと、朝から宿の中が騒がしいんですよね。


なんなんでしょうかね?




閑話休題(おいしかったです)




朝食も食べ終わり一息ついていると、ミシェルちゃんがこちらをまじまじと見ているのに気が付きました。


「どうかしましたか?ミシェルちゃん。」


「あの、お母さんに聞いたんですけど…」


「なにをですか?」


「イーナさんって、もう20歳超えてるんですよね?」


「はい、そうですけど…」


「イーナさんってもしかして【エルフ】なんですか!?」


この世界には【人間】【亜人】【エルフ】がいます。


【人間】は、そのまま【地球】の人と変わりはありません。優れた所はありませんが、それ故に努力次第でどの方向にでも伸びることができます。


【亜人】は、人と獣が混じったような外見で、特に力に特化しています。


【エルフ】は、人間と見た目は変わりません。しかし耳が長く、能力が【魔法】に特化しています。


しかし…


「いえ、私は人間ですよ。」


「え…でも20歳なのにそんなに背が低いし…」


そうなんですよ…ミシェルちゃんが間違えるのも無理ありません。


【エルフ】は体の成長速度が極端に遅く、【人間】の三倍ほど長く生きます。


まあ、【亜人】も【エルフ】ほどは長く生きませんが、それでも【人間】の二倍ほど長く生きます。


「ほら、耳もミシェルちゃんと変わりないでしょう?」


「ホントだ。じゃあなんでそんなに背が低いんですか?」


「さあ?なんででしょうね?」


私ほどの外見を【エルフ】でいうとおよそ20歳くらいでしょうね。


ちなみに【エルフ】は一人一人の寿命が長いので、子どもの生まれる数が少ないようです。


長寿命の種族の宿命ですかね?


「こら、ミシェル!イーナちゃんを困らせるんじゃないよ。」


私とミシェルちゃんが話しているのを見てベルさんがミシェルちゃんを叱りつけました。


「いえ、ベルさん。別に困っていませんよ。ところで朝から騒がしいようですが、何かあったんですか?」


「すまないねイーナちゃん。実は昨日の夜遅くに騒ぎがあってね。」


「騒ぎですか?」


「どうにもこの近くで人が倒れていたらしいんだけどね。なんと、それが調べてみると人攫いグループ。ギルドに指名手配されてた奴もいたらしくてね。ギルドも誰がやったのか探してるんだよ。」


「指名手配犯もいたんですか?」


「そうだよ、賞金も懸けられてたらしくてね。確か500000Sだったかね?なんにしても人攫いは重罪さ。【アンヴィーラ】に送られて監獄行き、すぐに奴隷だよ。」


「もしかして、それに名乗り出たりしてるからですか?賞金を貰うために?」


「そう、この宿からも何人か名乗り出たらしいけどね。もう門前払いさね。人攫いもやけになってるらしくて。『子どもにやられたんだ!』とか言ってるらしいから、誰がやったのかも分からないままさ。」


「それは怪しいですね。子ども(・・・)にやられるわけ無いですよ。」


「まあ、それもそうさね。それと今日の【アンヴィーラ】行きの馬車だがね。どうやら休止になっちまったみたいだよ。」


「え?どうしてです?」


「どうやら昨日の昼ごろに馬車が盗賊か何かに襲われちまったみたいで、ギルド員が来て盗賊は捕まったみたいなんだけど、馬車が壊れちまったみたいでね、馬車は点検中だってさ。」


「馬車が壊れたぐらいで休止になるんですか?」


「ああ、イーナちゃんは来たばかりだから知らないかい。【アンヴィーラ】行きの馬車はね、馬じゃなくて【魔法】で作られたゴーレムで出来てるのさ。なにせ長距離だからね、馬じゃあそんなに早くは着けないさ。私らには分からないけど、ゴーレムは繊細らしくてね。何かあると壊れやすいのが欠点なのさ。」


「それじゃあ乗合の方は?」


「乗合の方は個人でやってるからね。これを期に儲けようとして値段を上げてるらしいからね。止めといたほうが賢明だよ。」


「そうですか…」


まあ、元々歩くつもりでしたから、そんなに困ってはいませんね。


「で、イーナちゃんはどうする?再開するまで泊まってくかい?」


「いえ、朝の内に荷物を整えて【アンヴィーラ】に向かうことにしますよ。」


「そうかい、また【グラブス】に来ることがあったらこの宿屋に泊まってくれたらありがたいね。」


「ええ、機会があったらまた来ますよ。」


300Sを支払い、荷物を持って宿を出ました。


さて、宿を出て市場に向かうことにします。


宿を出るときに市場の場所を教えてもらいましたから。


300Sを宿代に払ったので、残りは700Sです。


さて、これで何が買えますかね。


図書館も探しつつ回ってみますか。




閑話休題(十数分後)




はい、市場に到着しました。


まだ朝の早くなのに活気づいていますね。


寝てる時でも【霊力障壁】を展開させておけば動物は近づけないでしょうからテントは必要ありませんね。


とりあえず必要なものは、水や食べ物と着替えですかね。


なるべく多く持っていきましょう。


多くて困ることもありませんし。


それに、袋にはいくらでも入るので持ち運びには事欠きませんし。


それにしてもにぎやかですね。


あちこちから声が聞こえてきます。


『ほら、そこのお姉さん、ニベアが5個でなんと62Sだ!』


『うーん…ちょっと高いわね。あっちは5個で57Sだったわよ。』


『なんだって!?それじゃこっちは5個で53Sだ!もってけドロボー!』


とかで桃に似た果物が売られていたり


『なんと、高級肉として名高いスパーの肉が120S!買わなきゃ損だよ!』


『スパーの肉が120Sか…塊で全部買うから1000Sにしてくれないかい?』


『お!お客さん太っ腹だね!気に入った!その値段でいいよ!』


と肉の塊を売っていました。


どこの店でも、店と客との値切り合戦が繰り広げられています。


さて、【地球】では見ることが出来ない光景に唖然としていましたが、気を取り直しまして。


「それじゃ、最初は食料かな?」




閑話休題(一時間後)




とりあえずあらかたの物は買い終わりました。


え?なにを買ったかですか?


主に野菜や果物です。


その時の値切りの仕方ですが…


『あの…すみません。』


『お!どうしたお嬢ちゃん、お使いかい?』


『はい、そうなんですけど…新鮮な果物か野菜なんてありませんかね?』


『おいおい、お嬢ちゃん。うちにあるのは全部今朝収穫した新鮮な物だからね。どれが新鮮かなんて―――』


『そうですか…おや?このカニス、ヘタが萎びてますね?この野菜は収穫しても数日はヘタに張りがあるはずですが…あと、このアルモも収穫したてだと、実全体にツヤがあるはずですし…それにこれも―――』


『お嬢ちゃん…脅迫するつもりかい?』


『いえいえ、私は素直なだけで、思ったことを口に出してしまうんですよ。だからこの店が古い物を収穫したてだと偽って売っていると口に出して―――』


『もってけドロボー!』


…脅迫じゃありませんよ?


ただ本当のことを言っただけですよ。


ところで野菜や果物の鮮度の違いが分かるのって一般教養なんですかね?


果物や野菜は見ただけで名前がわかりますがね。


まあ、おかげでたくさんの食料をタダ同然で買うことが出来ました。


お金を払わないのはドロボーですからね。


あとは違う店でファンガの干し肉を十枚ほど買いました。


味は牛肉に近いらしいですがね。


こちらは20%ほど安く買うことができました。


え?着替えですか?


…女性にそんなことを聞くもんじゃありませんよ?


さて、これらを全部袋に詰めて、と


「とりあえず、旅の準備は完了ですね。」


まだ日が昇りきっていないのでまだ9時ほどでしょうか?


出発はお昼を食べたらにして、図書館を探しましょうか。




閑話休題(図書館発見)




さて、図書館を発見しました。


したのはいいんですが…


「ずいぶんと古めかしい建物ですね…」


レンガ造りの、壁はツタで覆われている、何年も放置されているような建物です。


看板にも書いてありますし、間違いはないはずなんですが。


とりあえず入ってみると、カビと埃が混ざったような独特なにおいがします。


「おや、いらっしゃい。こんなに小さなお嬢さんが来るなんて。珍しいこともありますね。」


カウンターの方から声が聞こえました。


見てみると、眼鏡をかけた、体の線が細く、背の高い、若い男の人が立っていました。


「あの、【魔法】関係の本を探しているんですが…」


「おや、珍しいお客さんがこれまた珍しい本をお探しですね。ええ、ありますよ。お探しの魔法書は【オーガニー】の水の魔法書でしょうか?それとも【アナリティカ】の風の魔法書?はたまた【アプライド】の火の魔法書?もしかして【フィジカ】の土の魔法書でしょうか?」


そう一息に言い終えると、どこからか出した四冊の分厚い本をカウンターの上に置きました。


「いえ、初心者向けの教本ってありますか?」


「あることにはありますが…」


そう言いながらカウンターにあった本をどこかへしまってから、これまた厚い本をカウンターに置きました。


「それで結構です。ところでこの本の内容は?」


「【魔法】を使うための基礎の基礎。【アンヴィーラ】の魔法学校で使われているものと同じものです。」


「それで十分です。ここで読んでいってもいいでしょうか?」


「それはもちろん。ここは図書館です。本を読む人の邪魔は致しませんよ。」


それだけ言って男の人はカウンターの奥に消えて行った。


さて、【魔法】を詳しく調べますか。




閑話休題(数時間後)




ふう…没頭してしまいましたね。


【魔法】に関しては大分理解できました。


神様から聞いたからも考えて【魔力】と【霊力】の違いも分かりましたよ。


長くなってしまいますが、【魔法】についての説明と【魔力】と【霊力】の違いについての考察を述べたいと思います。


この世界【ケミスト】に存在する【魔法】ですが、簡単に言うと『体に存在する【魔力】を一か所に集中させ、【呪文】によって属性を付加し、放出する。』とのことです。


神様が言っていたことと違うんですが…まぁ、神様の方が正しいんでしょうがね。


神様ですし。


…話がそれましたね。


この工程を省いてしまうと【魔法】として体外に放出することはできずに、暴走や不発の原因になってしまうようです。


【魔力】を集中させる時に使われるのは、【魔具】と呼ばれ、様々な形状があります。


素材によっても【魔力】を通しやすかったり、【魔力】を増幅させるものがあるらしいです。


【呪文】についてですが、読んでいたこの本ですが、呪文についてはあまり詳しく書かれてなかったんですよ。


水、風、火、土の【初級呪文】から【中級呪文】の【属性魔法】の一部と【基礎魔法】が載っていました。


【基礎魔法】というのは、属性によらず行使することができる、【魔力】があるなら使える、【属性魔法】よりも比較的簡単な魔法です。


【魔力障壁】も【基礎魔法】の中に入っていて【魔力】を込める量によって【魔力障壁】の強弱も変化するようです。


【魔力】と【霊力】との違いですが、神様が言っていたことと照らし合わせると何となくですが理解することができました。


この世界【ケミスト】で誕生した【人間】【亜人】【エルフ】は【魔力】を消費し【魔法】を使い、向こうの世界【地球】で誕生した私は【霊力】を消費し【魔法】とは違う現象を起こしています。


やはり、神様が言っていた【魂】の違いなんでしょうね。


【魔力】と【霊力】と、どちらも【魂】から湧き出してきますが、誕生した世界が違うので似て非なるものですね。


例えてみれば日傘と雨傘ですかね?


私は日傘をさしていて、この世界の住人は雨傘をさしているとしましょう。


形は同じようでも、用途が違う。


【霊力】を使う、私には【魔法】が使えませんが、【魔力】を使う、この世界の人々は、どうにかすれば私が起こしている現象を再現できるかもしれませんね。


晴れの日に雨傘をさしているようで、違和感がありますけどね。


ただ、消費が半端ではないのですぐに【魔力】がカラッポになりそうですがね。


それと、私のEN兵器で【魔力】を減らすことが出来る理由ですが、これは推測になってしまいます。


おそらくは、【魔力】と【霊力】が互いに打ち消しあうからだと思います。


+と-を思い浮かべてくれるとわかりやすいです。


+が大きければ-が打ち消され、-が大きければ+が打ち消されます。


私のEN兵器は【霊力】を撃ち出しているようで、それが【魔力】を持っている相手に当たれば、もちろん【魔力】を削ります。


今までの人たちが気絶していたのは、【魔力】が削りきられたからでしょうね。


【霊力】をかなりの密度で撃ち出しているみたいなので、大体のこの世界の人々はこれを防ぐことができません。


【魔力障壁】の密度を増加させれば、威力をある程度は弱めることが出来るんじゃないでしょうか?


これくらいでしょうか。


固まっている体をほぐそうと席を立ち、背伸びをします。


「んー、久しぶりに本を読みました。」 


さて、そろそろいい時間ですね。


本を返そうと、カウンターに行きます。


「すみませーん。本を返したいんですが。」


「はいはーい。お疲れ様でした。どうでしたか?」


カウンターの奥から先ほどの男性が出てきました。


「はい、【魔法】については大体理解できました。」


「それはよかった。ところで、これから【アンヴィーラ】の魔法学校に入学ですか?」


「いえ、【アンヴィーラ】には行きますが、魔法学校じゃなくてギルドの方です。」


「そうでしたか。すみません、丁度入学シーズンでして、授業の前の予習かと思いまして。大体は予習もせずに魔法学校に入学して、痛い目を見るんですよ。それにしてもギルドですか…」


「いえ、魔法学校に入学する歳でもありませんですし【魔法】については知っておかないとまずいでしょう?」


「…ところで歳を聞いても?」


「まぁ構いませんけど、これでも20は超えてますよ?」


「…【エルフ】ですか?」


「いえいえ、私は人間ですよ。ほら、耳の長さは変わらないでしょう?」


耳をみせると男性は絶句しているようだ。


「ところで、あなたはこの図書館の館長さんですか?」


「え…ええ紹介が遅れました。図書館・ウェリアの館長を務めております。アムザイ・シーボーグです。」


「はい、私はイーナといいます。」


「イーナさんですか?」


「はい。また図書館に寄ることもありましたらよろしくお願いします。」


「わかりました。それでは、またお会いしましょうか。」


握手を交わしてから図書館から出ました。


さてと、そろそろ【アンヴィーラ】に行きますか。





閑話休題(数十分経過)




「すみませーん、出国したいんですけど。」


昨日通った門に到着しました。


「おう…って昨日の旅人さんかい。どうした?もう出国するのか?」


「はい。【アンヴィーラ】に用事が出来たので。」


「なるほど、それじゃあちょっと待ってな。」


そう言って門番さんはノートに何か書き込んでいる。


「よし…と、それじゃあ旅人さん通ってもいいぞ。」


そう言って門を開けてくれました。


私が通ろうとすると…


「そういや旅人さん、あんたが来た日に森で馬車が襲われたんだが…何か知らないか?」


「いえ、知りませんが。」


「そうか。ここを通ったギルド員が言ってたんだがな、到着した時に盗賊はもう戦闘不能状態だったって。調べてみると体内の【魔力】がカラッポだったらしいんだ。盗賊の頭は【魔法】を使えたらしいからまだわかるんだが、その部下二人は【魔法】が使えなかったから、どうして【魔力】がカラッポだったのかが不明だったってよ。」


「そうですか。ところでもう通ってもいいですか?」


「ああ、すまねえな。引き留めちまって。気になったら誰かに聞いちまうんだよ。」


「まぁ、分からないでもないですが…それでは、また来たときはよろしくお願いします。」


「ああ、入国税を払ってくれればいつでも通してやるからな。」 


「それでは…」


そうして私は【グラブス】を発ちました。


「さて、【アンヴィーラ】は東ですか。ま、ゆっくり行きますかね。」


私はゆっくりとした足取りで【アンヴィーラ】を目指しました。


「ところで東ってどっちでしょうか?」


…目指しました。

はい、どうだったでしょうか?


主人公は二つの騒ぎに関係していますがとぼけているだけです。


それと【魔法】については説明にあった通りです


理解できない点があれば、なるべく答えたいと思います。


感想、意見、その他諸々、お待ちしております。

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