第六十九話・招待状からは良い匂いがします
はい、第六十九話投稿いたしました。
テスト終わりました。
やったー!
単位とれるか分からないけどね。
やだー!
夏季休業中の更新は気分次第だよ。
すみませーん!
第六十九話始まりっ!
「私を招くということは、王様はもう回復したんですね。」
「まだ完全に復調したわけではありません。しかし、国の恩人を待たせるべきではない、との意見が多数挙がりましたので…」
「まあ別に、王様が死のうが生きていようが、約束さえ守ってくれれば問題はありません。それで、これが招待状ですか?」
私の体調が戻り【エルフ】の目薬を調製したのが昨日になりますね。
【アプライド】の使者の方が、私が滞在している宿を訪ねてきました。
どうやら城内の混乱も終息したようで、こうやって使者を出す余裕も出たのでしょう。
「…はい、そちらを門番に見せて頂ければ問題なく通行できます。それでは、お待ちしております。」
それだけ言って、さっさと出て行ってしまいました。
なんだか所作に洗練されたようなものがありましたが、気にしないでおきましょう。
そういえば、使者の人はどうやってこの国まで来たのでしょうね。
まあ、直通の転移の【魔法陣】があるらしいですから、どうせそれを使ったのでしょう。
一度の転移で10万S以上かかるとかで、使うのは一部の上流階級だけでしょうがね。
招待状を眺めていると扉が開きました。
「ああ、セルナですか。どうかしましたか?」
「いや、さっきの奴なんだったんだ?なんか妙に小奇麗だったけど…」
「【アプライド】の使者さんでした。ほら、この前ルビアを迎えに行ったでしょう?」
透明な人がいたり、王様が捕まっていたり【吸血鬼】が出てきたり。
でも、ルビアが無傷だったのは本当に良かったです。
「ふぅん。それで、その使者さんが何の用だったんだ?」
「早く言ってしまえば、お礼がしたいのでお越しください、ですね。先延ばしにしても失礼ですし、今日にでも出発しましょうか。」
「へ?」
「馬で急いでも一週間はかかる話です。ついでに馬車も買いましょうか。」
私を入れて7人と言うことは、馬は2~3頭程度ですかね。
「ちょっとまて。わざわざ馬車なんか買わなくても、お前なら飛んで行けるだろ?」
「ええ、ここから数時間程度で着きますね。」
「な、ならそれで…」
「確かに、あの袋にみんなを詰めて、さっさと行くこともできます。しかし、それでは情緒も何もないでしょう?」
「いや、情緒って…」
「情緒は大事ですよ。それに旅を楽しむことも必要です。さあ、馬を買いに行きましょうか。」
「ん、いいけどさ…」
セルナの返事を聞きつつ、外出の準備を始めました。
閑話休題
「こうやって、セルナと二人で外を歩くのも久しぶりですね。」
ここ数日は私が寝込んでいましたし、なんだかんだでセルナもあの【緑竜】と【エルフ】とも一緒にいますし。
「そうか?てか、お前と会ってからもそんなに日が経ってないしな。」
セルナと会ったのも数か月ほど前ですから、確かにそこまでは経っていませんね。
「まあ、その短い間にセルナは何度か死にかけたりしていますがね。私がいなければ本当に死んでいましたよ?」
「まあな。でも、お前と会ってなけりゃこんな場所にも来なかったし、メリアにもカンナにも会えなかったし、感謝してるよ。」
「カンナ…あの【エルフ】ですか?」
「ああ、いつまで経っても名前がなくちゃ不便だろ?お前が寝込んでる間に考えてみたんだ。」
「ええ、いい名前だと思いますよ。それに、リリウムとヒナとも仲良くしてくれると嬉しいです。」
「ヒナ?」
「あの子の名前ですよ。子ども同士の方が話しも弾みますから。」
「へぇ、可愛い名前じゃん。」
そんな話をしている間に、予定通り馬車を売っている店に到着しました。
大きなお屋敷と共に馬小屋も併設されていて、馬も何頭かいるようです。
「ここか?」
「そのようですね。入りましょうか。」
中に入ると、広い店内にいくつかの馬車が置いてあります。
どうやら見本のようですね。
「いらっしゃいませ。本日は何をお求めで?」
馬車を見て回っていると、店員が声をかけてきました。
まあ、ただ見て回っているよりは店員に聞いた方が早いでしょうね。
「馬車と馬を買いに来ました。7人乗りで、それを牽ける馬もお願いします。」
「少々お待ちください。確認をいたします。」
それだけ言って、店員はどこかへ行ってしまいました。
「なあ、イーナ。どんなのを買うつもりだ?」
「そうですね。なるべく大きめで幌付きの物がいいです。それと、大きい馬が2~3頭が必要ですね。セルナも何か買いますか?」
「いや、こんな場所で買うモンもねえよ。それに無駄に高いしな。」
まあ、大きめの荷車だけで7万Sを超える物もありますから、ポンポン買える物でもないでしょう。
「お待たせしました。確認しましたところ、8人用の幌付き馬車がすぐに用意できます。」
「ええ、それでいいです。ところで値段はどうなりますか?」
「はい、馬車の価格と必要経費その他諸々を合わせまして…160万Sとなります。」
「わかりました。それで、馬はどうなんです?」
「は、はい。牽引用の馬なんですが、実は先日の事件でギルドの方に徴集されてしまって、一頭しか残っていないんですよ。」
「確かに、一頭だけでは8人乗りの馬車は牽けませんね。」
「いえ、お求めになった馬車は問題なく牽けます。しかし…」
店員がなにやら言いにくそうにしています。
「どうしたんです?」
「実は…【魔獣】なんです。」
閑話休題
【魔獣】とは、なんらかの理由によって【魔法】を使えるようになった動物の総称です。
【魔獣】が子孫を残すのかも分からず、どうやって繁殖しているのかもわからない。
ハッキリ言って、詳しい生態も不明瞭なことが多いです。
まあ、凶暴な【魔獣】が多いのですから手懐けることも難しいですね。
しかし、極一部に友好的な個体がいるとの話で、中には使役している【人間】もいるとか。
「で、結局その【魔獣】とやらを買うのか?」
「いえ、ただ見てみるだけですよ。いざとなったら…セルナにでも牽いてもらいましょうか。」
「無理だからな!」
店員に案内され、併設された馬小屋に到着しました。
中は独特な動物のにおいがします。
「それで、その【魔獣】はどこにいるんです?」
「は、はい。この扉の先です。しかし…一つだけ注意をしてください。」
どこか怯えたように、店員が言います。
「【魔獣】は、土の【魔法】を使います。十分に気を付けてください。私はここまでしか行けません。」
「どういうことです?」
「実は…我々がこの【魔獣】の部屋に入ると、土の【魔法】が飛んでくるんです。お客様ならそんなことはないのですが…」
「どういうことです?そんなことなら、そもそもここに連れて来られないハズでは?」
「いえ、つい最近まではおとなしかったんです。確か…一か月ほど前ですね。その頃から急にそのような事を起こすようになってしまって。」
「ふぅん…まあ、どうでもいいですがね。」
真新しい、最近取り換えたような扉に手をかけます。
「そうだ、セルナはここで待っていてください。もし【魔法】が飛んできても守れませんから。」
まるで【魔獣】が自ら選別しているような、そんな感じですね。
まあ、行ってみますか。
はい、どうだったでしょうか?
主人公はお金持ちです。
日本円にして250億円くらい持っています。
主人公は勝負運が凄いね!
まあ、全部自分で仕組んだ?ことだけどね。
色々とお待ちしております。