第六十七話・彼女たちの想いと彼女の想い
はい、第六十七話投稿いたしました。
本当にごめんなさい。
およそ二か月の更新停止。
忙しくて忙しくて、もはや執筆を進める暇もなく、この一話を書き上げるのにとてつもなく時間がかかってしまいました。
そして短いという…
ただでさえ週に一回の更新が、二月に一回って…
とりあえず、書きあがり次第に投稿をしていきますので、ご容赦ください。
第六十七話、始まり始まり…
ゴトリ、と鈍い音を立てて、イーナの手から【魔具】が滑り落ちた。
「う…うぁ…」
目が虚ろになり徐々に光を失っていき、仰向けに倒れこんでしまった。
「まったく…」
【魔具】を向けて出て行けと言ったかと思うと、力が抜けたように倒れこんでしまった。
そして苦しげな呼吸のみが聞こえ、顔には汗が滲んでいる。
「あ、あの、セルナさん。どうかしましたか?」
その時【亜人】の少女が静かに扉を開けて、部屋に入ってきた。
「ん、何でもない。メリア達になんか言われたのか?」
床に落ちた【魔具】を拾い、近くの棚に置いておく。
「い、いえ。なんだか物音が聞こえて…そ、それで、イーナさんは…」
どうやら【魔具】が落ちた音はメリア達には聞こえていないらしい。
「そか。イーナだけどさ、さっきまで起きてたんだけど、また寝ちまった。ルビアはなんか言ってたか?」
イーナが倒れてから二日間、ずっと面会謝絶にしてたからな。
そろそろルビアが痺れを切らしそうだ。
「は、はい。リリちゃんと一緒に寂しがってました。そ、それとメリアさんと【エルフ】さんも…」
あー…そういえば、俺もイーナにつきっきりであいつらに会ってねーや。
「そーだな…少ししたら戻るって言っといてくれ。流石に腹減っちまった。外にでも食いに行こうぜ。」
「え…で、でもイーナさんは…」
「どうせ、お前も碌に飯食ってねえんだろ?イーナが起きた時に誰かが弱ってたらあいつも悲しむだろ。」
そう言うと、少女はイーナと俺を交互に見た後に、困ったような表情で言った。
「は、はい…で、でも、ルビアさんたちは…」
「ん…まあ、あいつら竜だし、食わなくても大丈夫みたいなこと言ってたからな。てか、どーせ誘ってもついて来ねえだろうし。」
むしろ、俺が居なくなったらすぐにこの部屋に来そうだな。
俺がそう言った途端、少女が愕然とした表情を浮かべ、先の丸まりふわふわとした毛が生えた耳がピンと立った。
「え、あ、あの、そ、それって、本当に…」
「言ってなかったか?メリアルビアとリリウムな、全員竜だ。まあ【人間】に擬態するなんて、あいつらに合うまで知らなかったし、お前が知らねえのも無理ねえや。」
未だに怯えたような表情を浮かべる少女の耳と耳の間を優しく撫でる。
俺も母さんにこうやってもらったもんだ。
「う…はうぅ…で、でも、竜って聞くだけで怖いです…」
「まあな。でも、ルビアもリリウムもお前と同じ、イーナの【家族】だろ?確かに色々と話しは聞くけどさ、あいつらはあんなことしねえよ。」
一吹きで森を燃やし尽くしたり、羽ばたきだけで城を壊したり、一晩で山を崩したり、いつの間にかでかい湖が出来てたり、色々と竜がやったって逸話があるからな。
「そ、そうですね!リリちゃんも仲良くしてくれますし、ルビアさんもよくしてくれますから、きっと大丈夫です!」
あの【エルフ】とも仲良くしてくれりゃ助かるが…
「あ、あと【エルフ】さんがずっと喋ってくれないんですけど…」
ああ、そういえばずっと喋ってねえな。
なんか理由でもあるのか?
「まあ、慣れてくりゃ喋るだろ。そんな気にしなくても大丈夫だ。」
あいつもきっと、喋ってくれるさ。
「ん…う…」
イーナの苦しげな声が聞こえると、少女の顔が曇った。
「さて、そんじゃそろそろ外に行くか。飯食いに行くから、メリア達呼んできてくれ。」
「は、はい…イーナさん、おやすみなさい。」
少女はイーナにペコリと頭を下げて、扉を静かに開けて出て行った。
「さて、と…」
横たわっているイーナを見る。
息遣いは荒く、その顔は赤く染まっている。
もはや死に体だ。
「…まあ、早く治せよな。」
少女が戻ってくるまで、まだ少しだけ時間がある。
もう少しだけ看病していても、罰は当たんねえだろ。
はい、どうだったでしょうか?
前回の更新から約二か月。
なに?第六十六話までの話なんて忘れたって?
ならば…見直せばいいじゃあないか!
そして、早いところ第二部へ移行したいと思っているのに、さっぱり進みません。
いつになることやら…
感想、意見、その他諸々、お待ちしております。