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私が行く・異世界冒険譚  作者: ちょめ介
蒔かれた種はどんな木に育つのか
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第五十八話・人の胸中は察しがたいです

はい、第五十八話投稿いたしました。


絶賛スランプ中です。


話が詰まり過ぎなのかなぁ…


ほれ、第五十八話始まり始まり…

宙に浮かんだイーナの背中辺りから青白い光が噴出し、あっという間に空の彼方に消えていった。


「行っちまった…大丈夫か?」


「大丈夫なんじゃないの?ルビア


「いや、イーナの心配でもルビアの心配でも無くてさ。あの国が心配でさ…」


まず間違いなく、イーナはルビアをつれて戻ってくる。


それは絶対に間違いない。


「なによそれ。あの【人間】があの国を滅ぼすって言うの?」


「いや、大丈夫だとは思うんだけどさ。ほら…【グラブス】辺りで馬車追っかけたじゃん。」


「【人間】が全員死んでたあれよね?忘れるわけ無いじゃない。セルナと会ってすぐだもの。でも…あれって結局誰がやったの?セルナなにか知ってるの?」


「あー…それなんだけどさ、あれやったのイーナなんだよ。」


「は?」


綺麗な顔をポカンとさせて、間抜けな声でメリアが言った。


「リリウムが誘拐されたって言ってたけど…そうだよな?リリウム。」


なんとなく意気消沈していたリリウムの頭をクシャクシャと撫でながら聞くと、赤い目を涙で潤ませながらこちらを見上げた。


「うん…起きたら…お姉ちゃんがおんぶしてくれてたの…」


「な、なによそれ。同じ【人間】を殺したって言うの!?」


「いやさ、イーナとはまだ短い付き合いだけどさ、あいつは【家族】を大切にしてるだけだと思うんだよ。」


【家族】には優しいけど、それ以外はどうだっていい。


歪んで捩れて狂ってて…それでも、イーナは純粋に【家族】を守りたいんだよな、きっと。


「あの【人間】狂ってるわよ…」


「ああ、それな、俺もイーナに言ったんだよ。あいつもそれを認めた。狂ってる、ってな。」


たとえ狂っていても、たとえどんなことをしても【家族】だけは見捨てない。


それが、俺から見たイーナと言う【人間】だ。




閑話休題




イーナを見送った後、未だ慌しいであろうギルドに向かった。


「ねえセルナ。ここになんの用なの?」


「ああ、イーナが優勝しただろ?優勝賞金の受け取りと賭け金の払い戻しだな。」


イーナは明日の昼頃に帰ってくるって言ってたから、それまでに金を作っとかねえと。


「そういえば、そんなこと言ってたわね。すっかり忘れてたわ。」


まあ、俺もちょっと忘れてたけどな。


ギルドに入る俺の後を追うように、リリウムとメリアが手を繋いで歩いている。


とりあえず、メリアとリリウムには待っていてもらい、なんか色々な書類を整理して忙しそうにしている受付の係員に話しかけた。


「ちょっといいか?」


「は、はい、なんでしょう!」


いや、そんな鬼気迫った表情で返されても…


「これ頼むよ。合ってるハズだからさ。」


「ええっと…え…!しょ、少々お待ちください。」


まあ、賭け金が賭け金だしな。


十倍とか、二十倍とかでも一億S超えるし、用意すんの大変なんだろうな。


まあ、袋もあるから持ってくのは簡単だけどな。


数分の間、色々な視線に晒されながら待っていると…


「お、お待たせ、しま、した。配当金、です。」


「お、来た…か…」


金ピカで目が眩むほどの輝きが、そこにあった。


以前【緑竜】を討伐したときの何十倍もの金が、そこに…


「ふぅ…イーナ選手勝利の倍率が250倍でしたので、配当金は30億Sになります。」


にひゃくごじゅうばい…?


さんびゃくおく…?


あ…眩暈が…



閑話休題




「ん…」


目が覚めると、茶色い天井が見えた。


窓からは光が射し込まず、薄暗いランプの光が部屋を照らしている。


後頭部には、なんだか柔らかい感触がしている。


「セルナ、起きた?」


その声が聞こえると、横からメリアの顔が覗いた。


「…ああ、悪いな。わざわざ運んでくれたのか?」


「当然じゃない。ここに着くまで大変だったけどね。」


迷惑かけちまったな…


その時、メリアの手が俺の頭に乗せられた。


そのまま髪を梳くように、撫で付けている。


「…メリア、止めてくんねえか?」


「イヤよ。セルナの髪、撫で心地がいいんだもの。」


なでなで、さらさら、すいすいと、優しく絶妙な手加減で撫でられ、とても気持ちいい。


耳が勝手にピクピク動いちまう。


そして、小さい時母さんに撫でられたのを思い出し、メリアの顔がぼやけて見える。


「セルナ…泣いてるの?」


「いや、ちょっと母さんを思い出してな…」


腕で目を覆うが、メリアに腕を掴まれ、ズイと元の位置に戻された。


「なんだよ…」


メリアを睨み付けるが、気にも留めずに俺の目を真っ直ぐ見つめてくる。


「ねえ、セルナ。セルナってさ、優しいわよね。」


唐突に、そんな事を言われた。


「…なに言ってんだよ。俺はそんなに優しくねえよ。」


イーナもメリアも、なんで俺が優しいって思うんだ?


「ふぅん…そんなこと言うんだ…」


メリアが妖しく微笑み、俺に顔を近づけ…


「ん…」


俺に唇を重ねた。


以前にもメリアにキスをされたが、あの時とは違う。


乱暴ではない、触れるだけの優しい口付け…


「セルナと会ったとき、あたしは死にそうだったわね。あの【人間】に撃たれてさ…」


あの時か。


メリアが撃たれて、イーナが止めを刺そうとして…


「あの時、本当に死ぬかと思ったわ。本当に怖かった。でも、セルナは全然怖気づかなくて…」


あの時は夢中だったからな。


剣を素手で受け止めて、滅茶苦茶痛かったけど、後悔なんてするハズがない。


「あたし、セルナが好き。セルナだから大好き。」


もう一度、深く深く、お互いを確かめるように…


「…なあ、メリア。」


「なに?セルナ。」


妖艶ではなく、純粋な微笑みを俺に向けた。


「こんな俺だけど…一緒にいてくれるか?」


「セルナだから…ずっと一緒よ。」


優しく優しく、壊れ物でも扱うかの様に、俺の頭を撫でる。


その安堵感と心地よさで、自然と目が閉じられる。


「ふふ、可愛いわね。」


「可愛いって言うな…あ、そうだ。もう一人くらい増えるけど、大丈夫か?」


「ええ、セルナのすることなら、あたしはなにも言わないわ。」


メリアには言ったし、イーナには…まあ、あいつは大丈夫だろ。


「それで、どんな子なの?」


「んー…って、子どもって決め付けんなよ。」


「違うの?」


「…違わないけどさ。えっと【エルフ】の子どもだよ。」


ちらりと見えた、絶望したかのような光の宿っていないあの綺麗な目。


そして…


「はぁ…本当に優しいわね。」


助けて、って求められたからな。


「優しくなんかねーよ。ただの…」


「ただの?」


「…いや、なんでもねーよ。そういや、リリウムはどうした?」


「もう寝ちゃってるわ。お姉ちゃんがいないって、ぐずってたけど…」


「そか…ルビアもいないし、イーナが帰ってくるの明日だからな。」


リリウムは、いつもルビアかイーナと一緒だったからな。


寂しがるのも仕方ない。


「…今日は三人で寝るか。リリウムが真ん中で、な。」


イーナがルビアを連れて戻ってくるまで、一緒にだ。

はい、どうだったでしょうか?


【亜人】と【緑竜】は、なんと言うか…恋人?


主人公はどうしたかって?


…さて、どうしてるんでしょうね。


感想、意見、その他諸々、お待ちしております

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