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私が行く・異世界冒険譚  作者: ちょめ介
蒔かれた種はどんな木に育つのか
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第五十三話・姉とは妹とは…

はい、第五十三話投稿いたしました。


ぐへぁ…


ACVをやりすぎて投稿が…


本当に申し訳ありません…


しかし、第五十三話始まり始まり…

どうも、イーナこと伊那楓です。


今日は大会の決勝戦です。


ここまで長かったですね。


とは言っても、ここまで二回しか試合がありませんでしたけど。


むしろ、この国に来て殺した人の数の方が多いですね。


今日の試合はお昼過ぎかららしく、まだ日が昇りきっていない今はリリウムたちと宿でのんびりしています。


ルビアはまだ体調が優れないらしく、ベッドで横になっていますが数日中には復帰するでしょう。


リリウムは私の膝の上に座り、胸に頭を押し当てながら体を預けて来ます。


なんだかこそばゆいですね。


そんなこんなでリリウムとのんびりしていると、セルナが話しかけてきました。


「なあ、イーナ。前から思ってたんだけどさ…」


「なんですか?リリウムは渡しませんよ?」


「いや、リリウムはそこから退かねえだろうし遠慮しとく。それでさ、お前と会った時から思ってたんだけどさ…」


セルナが口にしたのは、私にとってコンプレックスとも言える言葉でした。


「お前【魔法】は使わねぇのか?」


【魔法】…【魔法】ですか…


「以前にも言ったでしょう?私は一切合切の【魔法】は使()ないと。」


「でもさ【魔力】が少なくっても、少し勉強すれば火種を起こしたり水を出すくらいできるんだぞ?それでもか?」


「そうなんですか?でも、たとえそうだとしても、私には【魔法】を使うことができません。一つ聞きますが、セルナは何故【魔法】が使えるのか考えたことがありますか?」


「いや、勉強して少し練習すりゃ使えたし…ただ使えるんだなぁって…」


「それと同じです。私に【魔法】が使えないのに理由なんてありません。ただ使えない、それだけです。」


「でもなぁ…【魔具】だって使えんのにさ…」


「私の【魔具】は誰にでも使えますよ?まあ、厳密に言えばこの世界の【魔具】とは違いますが…」


「この世界?」


おっと、いけませんね。


「…少し喋りすぎましたね。セルナは今日の試合を見に来ますか?」


「ん?ああ、見に行くけどさ。ルビアはどうすんだ?一人で寝かせてても心配はないだろうけど…」


「そうですね…寂しい想いをさせてしまいますから、今日も一緒のベッドで寝ましょうか。もちろん、リリウムも一緒ですよ?」


私の膝に座っているリリウムの頭を撫でながら言いました。


「うん…お姉ちゃん…」


リリウムの頭を撫でると、気持ちよさそうに顔を綻ばせました。


本当に、リリウムといると心が和みますね。


「ふふ…では、行きましょうか。リリウムはどうします?ルビアと一緒に寝ていますか?」


「ううん…リリウムも…行く…」


「そうですか。私はいっしょにいられませんので、これを…」


そう言ってリリウムの首にかけたのは、ユリの花を意匠とした銀のネックレスです。


この国に来てから行っていた削り出しが、昨日ようやく終わりました。


一見しただけでは分かりませんが、小さく【魔法陣】も彫りこんであります。


「なんだそりゃ。なんか珍しい形してんな。」


「ええ、私がいなくてもリリウムを護ってくれますから。」


「うん…お姉ちゃん…おんぶ…」


「はいはい、落ちないようにしっかりしがみついてくださいね。」


背中には、リリウムの…【家族】の温もりが感じられます。


この温もりを護るのなら、私は…




閑話休題




『十日にも及ぶ激戦を勝ち抜き…ようやくこの時がやってきました!』


この試合開始前のは、わざわざ行わなくてはいけないんですかね?


あまり注目されるのもイヤなんですよね。


おとといみたいな輩が来ても、面倒ですし。


『両選手とも予戦から決勝まで勝ち上がってきました!歴史のあるこの大会でも初めてのことではないでしょうか!』


歴史上初めてですか…


もう手遅れでしたね。


『小さな体ながらも【魔具】を用いて勝ち上がってきました!【No.9】イーナ選手!』


キャーキャーワーワーと歓声が耳障りです。


お通夜みたいに黙れないんですかね?


『【土属性魔法】を使用して相手を場外に放り出して勝利してきました!【No.7】ベル・グーリ選手!』


ベル・グーリですか?


たしか、決勝にでるのは姉だとキャリルさんが言っていたハズですが…


しかし、金髪であることもそうですが、どことなくキャリルさんの面影が見て取れます。


キャリルさんがもう少し大人になったような風体ですし、偽名かなにかですかね。


『泣いても笑ってもこれで最後!決勝戦開始です!』


試合開始の合図もあり試合が開始されました。


「さあさあ、ちゃっちゃと終わらせるよ!早く終わらせてあの子と…うふふ…」


「私も早く終わらせるのには賛成ですよ。」


手早く終わらせて、ルビアの面倒を看ないといけませんし。


「ふっふん、私はあなたの試合を見てたよ!それで弱点も見つけたんだ!」


ビシッと効果音でも出るかのように、私を指差しました。


「それはそうですよ。弱点の一つや二つ…いえ、もっとありますよ。」


いったい、なにを言っているんでしょうか?


そもそも、弱点の無い完全無欠で完璧な生物なんていませんよ。


「うーん…なんかやりづらいなぁ…いつもなら怒ったりするのに…」


ベルさんがぶつくさ言っていますが、気にすることではありません。


と言うより、今のは挑発のつもりだったんでしょうか。


「まあいいや。ところでさ、あなたの後ろにいる女の子なんだけど…」


「女の子ですか?」


そう言われて後ろを振り向きますが、見えるのは大勢の観客だけです。


視線を戻そうとすると、足になにかが感触がありました。


「これは―――」


足元の地面がツタのように絡みつき、あっという間に私を宙吊りにしました。


ベルさんは地面に片手をつき、こちらを見ています。


「試合はもう始まってるんだよ?それとも、いきなり攻撃して卑怯って言うつもりなの?」


「いえいえ、卑怯だと言うつもりはありませんよ。どんな手を使おうと、勝つことが出来ればそれでいいんですよ。」


地面につけた右手には手袋をしています。


【魔法】の呪文は聞こえませんでしたから、あの手袋に【魔法陣】でも仕込まれているのでしょうね。


そんなことより、逆さになっていると頭に血が上ってしまいます。


「それには賛成だけど…あなたの負けは決定だよ?」


たしかに、このまま場外に投げてしまえば終わりでしょう。


右腕にレーザーブレードを、左手にレーザーライフルを出し、ベルさんを狙撃します。


「―――ッ!」


打ち出された【霊力】は、地面から生えた土の壁に防がれてしまいました。


しかし土の壁でベルさんの視界は塞がれています。


その隙に、足に絡みついている土のツタをレーザーブレードで斬りつけます。


ボロボロとひび割れ、足に絡まる力が弱まってきました。


耐え切れなくなったのか、私を放して元の土に戻りました。


ふう…頭に血が上らずに済みました。


「やっぱり…あのお姉さんも凄い【魔法】を使ってたけど、あなたも凄い【魔具】を使うんだね…」


ボロボロに崩れた土の壁の向こう側から、ベルさんが言いました。


「いえいえ、私はただの人間ですから。ただ【魔具】を使ってるだけですよ。」


「それじゃ…これはどうかな!」


地面が海のように波立ち、徐々に足が沈んでいきます。


「足止めが目的ですか?まあ、無駄ですけどね。」


【霊力浮遊】を起動したのでこれ以上沈むことはありません。


「まだだよ!」


波立った地面が螺旋を描き、私を拘束しようとします。


【霊力急進】で回避しましたが、追随するように土のツタも追ってきます。


「こんな【魔法】は初めて見ますね。どんな【魔法陣】を使ってるんですか?」


【霊力急進】を使いながら土のツタから逃げ、ベルさんに話しかけます。


「これが【魔法陣】の仕業って分かるんだね。それに、この【魔法】からも逃げられるんだ。」


言ってしまえば【魔法】とは違う現象には大体【魔法陣】が関わっていますからね。


判断するのなんて簡単ですよ。


それにしても、これではらちがあきませんね。


「まあ、これも【魔法】の一種なんでしょう?なら簡単ですよ。」


ブレードを起動すると、まるで月の光を模したかのような蒼く長い刀身が発生します。


私の持っているレーザーブレードの中でも、最大の攻撃力を誇る一品です。


そして、生物のように動く土のツタを切断します。


すると動きが止まり、徐々にひび割れ、粉々に砕け散りました。


「ふぅ…」


さすがに、この【魔具】は消費が激しいですね。


まあ、それも数秒もすれば治りますが…


「それ、綺麗な【魔具】だね。もしかして自分で作ったの?」


「いえ、私なんかがこんな【魔具】を作れるわけないじゃないですか。これは…まあ、貰い物ですよ。」


ベルさんに言った通り、これは貰い物です。


あの変な神様とやらに貰った物ですし。


「そんなことより、その手袋に【魔法陣】を描き込んであるんですね?でも、接地しないと効果はないんじゃないですか?」


地面に変化が起きるときは、必ずベルさんの右手が接地していました。


そもそも【魔法陣】を使うには、どこかに貼りつけたり描き込んだ上で【魔力】を流す必要がありますから。


私は主に紙に描き込んでいますが、ベルさんは手袋に描き込んでいるようですね。


「うん、正解だよ。でも、だからと言ってそんなことできるの?」


ベルさんが地面に手を置けば、再びあの土のツタが追跡してきます。


ただ手を置くだけという止める隙の少ない動作です。


だからこそ、それを認めているのでしょう。


近づいて一気に畳み掛けることもできますが…


「まあ、仕方ないですね。」


以前キャリルさんに渡したレーザーライフルと小型のレーザーブレードを出します。


私の渡した【魔具】をキャリルさんから没収したのは、キャリルさんの姉だったハズです。


なぜ没収したのか、理由なんて分かりませんが、同じ【魔具】を見れば…


「…それ、あなたの【魔具】だよね?」


私の出した【魔具】を見た途端に、ベルさんの表情が凍りました。


「ええ、そうですよ。あなたは見たことあるはずですよね?ヴェルマ・グリニャールさん。」


「へぇ…そう…そうなんだ…」


ベル…いえ、ヴェルマさんが左手にも手袋をはめると、再び右手を地面につけました。


すると、周りから土がドーム状にせり上がり私を閉じ込めました。


暗いですね…


取りあえず、このブレードで―――


『聞こえるかな?まあいいや、聞こえなくても。』


外からヴェルマさんの声が聞こえると、徐々に…徐々に熱くなってきました。


『私の正体を知ってたんだね…でも、そんなのどうでもいいの…』


そして土が赤く光りだし、ドロドロと流動性を帯びてきました。


『あなたなんだね?あの子にあの【魔具】を渡したのは…』


そういえば、キャリルさんは【火属性魔法】と【土属性魔法】を合成させた【魔法】を使うと…


『あの子を戦いに巻き込むなんて…許さない。』


これは、まさか―――


『苦しんで、苦しんで…』


地面が、壁が、天井が…


『後悔して…消えてね?』


マグマとなって押し寄せてきました。

はい、どうだったでしょうか?


二日で書き上げた結果がこれだよ!


と言う前置きから…


とうとう出てきました、伝統と信頼と実績の最強ブレードである月光剣です。


最強はコジマブレードだって?


ははは、私はあれをブレードだなんて認めませんよ。


そういえば、4とfaで刀身の色が違うんですよね。


なぜ変わったし。


そんなことより、今回主人公が使ったのは4準拠の月光剣です。


そして、姫様のお姉さん恐るべし…


絶対Sだろうって?


いえいえ、妹に関してはMの限界突破をしています。


感想、意見、その他諸々、お待ちしております。

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