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私が行く・異世界冒険譚  作者: ちょめ介
蒔かれた種はどんな木に育つのか
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第五十二話・人間の心竜知らず

はい、第五十二話投稿いたしました。


ふぅ、体験版だってのにLvが300超えとか…


まあ、自分はマイペースでやっていくのが心情ですから、気にはしていませんけどね。


それと、不具合は発売までには修正をお願いしたいです。


やるからには、なるべく快適にプレイしたいですからね。


ほいと、第五十二話始まり始まり…

どうも、イーナこと―――


「おっと、危ないですね。」


銃弾程度の速度で襲ってくる焔の矢を、左腕に出した盾の様なレーザーブレードで防ぎました。


しかし、息をつく暇もなく次々と焔の矢が飛んできます。


【霊力障壁】は展開していますが、この矢の速さでは申し訳程度の役割しか果たしていません。


矢が直撃すれば、それだけで死んでしまいますね。


そんなことを考えているとまた一本、目の前を掠めていきました。


【レーダー】を確認しつつ【霊力急進】を使って避けています。


しかし、焔の矢の勢いが止まる所を知りません。


それ以前に、ルールでは中級魔法まで使用可能とあった気もしますが…


特にペナルティもありませんし、ルールなんて有って無いようなものなんでしょうね。


まあ、ルビアも本気は出していないようですが、それでも全力には違いありません。


私を本気で殺したいのなら、面で攻撃をすればいい話ですからね。


ですが…


「こんなに無理をして…」


ルビアに【魔法】を教えてから、まだ一週間程度です。


いままで使ったことのない【魔法】を使う負担は大きいでしょうね。


それも難度の高い上級魔法を、こうもポンポンと使えば【魔力】消費の負担は尋常ではないでしょう。


事実、ルビアは汗で顔を濡らし、苦しげな表情を浮かべています。


しかし、それでも焔の矢の勢いは緩みません。


それどころか、勢いは増す一方です。


…仕方ありませんね。


「ルビア、大丈夫ですか?苦しそうですけど。」


「いっ、イーナさんっ!気を、抜くとっ!はぁっ!死んじゃい、ますよっ!」


更に数十本の焔の矢が出現し、一斉に襲い掛かってきました。


「今にも倒れそうな声を出して…私の心配をする暇があるんですか?」


それを避けたり斬ったり防いだり、とにかく消滅させていきます。


「私はっ!イーナさんにっ!」


「まったく…」


これで、最後ですね。


視えているルビアの【魔力】も随分と減っていました。


それでも、いつものセルナの数倍程度はありそうですけどね。


「焔の矢はこれで終わりですか?次は…【魔力】も残り少ないですね。試合も終わりにしましょうか?」


「っ!イーナさんっ!どうしてっ!どうして本気を出さないんですっ!イーナさんが本気を出せば!私なんてすぐに―――」


親の心子知らずとは言いますが…私の気持ちは分かりにくいですかね?


「まったく…ルビア、いいですか?私は本気なんて出しません。分かりますか?ルビアは―――」


「イーナさん!これでっ!終わりです!上級魔法【ブレイズクロー】!」


私の言葉に聞く耳を持たず、またもや【魔法】を発動させました。


これは、手元に属性ごとの爪を出現させる【魔法】ですね。


遠距離では意味がないので近距離で直接…いい考えだと思います。


しかし、ルビアの【魔法】は違いました。


「これは…?まあ、やることは変わりませんがね。」


ルビアの身長の何倍もあろうかという、巨大な焔の右腕が出現しました。


それに加えて、右腕から超圧縮された【魔力】がレーザーの様に全方位に照射されています。


そのレーザーが当たった地面が溶け出しています。


とてつもない熱量で、ここにいるだけで汗が滝のように流れてきます。


【霊力障壁】を展開しているのでまだマシですが、これがなかったら火傷程度ではすみませんね。


恐らくあの腕は、あらん限りの【魔力】を絞り出し、極限まで圧縮した【魔力】を腕の形に形成しているのでしょう。


その圧力に耐え切れなくなった【魔力】がレーザーの様に暴走しているんでしょうね。


しかし、ルビアの顔色が段々と悪くなっています。


限界まで【魔力】を使っているからでしょうか?


とにかく、ルビアの体が心配ですね。


【魔具】を消して、ルビアに話しかけます。


「ルビア、聞いてくださいね?私はルビアを愛しています。」


「い、イーナさっ…!イー…ナさんっ!」


ルビアの【魔力】はほとんど消滅しかけています。


いつもの真っ赤な【魔力】が見る影もありません。


この【魔法】を維持しているのも不思議なくらいです。


ここまで【魔力】を消費していても、立っていられるのは意地かなにかですかね?


「たとえ掠り傷一つ切り傷一つでも、ルビアを傷つけるくらいなら…」


「イーナ…さん…」


ルビアが顔色を悪くしながらも【魔法】を消す素振りを見せません。


「私は死にますよ?」


「え…?」


ルビアが呆気に取られたかのような顔をしました。


「短刀で喉を掻っ切って剣を胸に突き刺したり、どんな手を使ってでも死にます。」


他にも、飛び降りたり毒を飲んだり首を括ったり、死ぬ方法なんていくらでもあります。


「だからルビア、分かりますか?私は、ルビアを…【家族】を心から愛しているんですよ。」


いえ…依存していると言ってもいいですかね?


【家族】がいなかったら…そんなこと、考えたくもありません。


「【家族】は絶対に、なにがあろうと傷つけません。それ以外はどうだっていい。けど【家族】は別です。誰かが【家族】に手を出したら、私はそいつを殺します。」


そのためなら、私はなんでもします。


王族も貴族も【人間】も【亜人】も【エルフ】も、全てを利用してやりますよ。


もちろん、金に糸目なんてつけません。


いくらかかろうが、徹底的に探し尽くしてやります。


「あ、いいことを思いつきました。殺す前に拷問をして、目の前で家族親類友人恋人諸共、一族郎党皆殺しがいいですね。」


体中の関節に釘を打ちこんでやりましょう。


それとも全身の皮膚を剥がす方がいいでしょうか。


そうすれば少しは思い知るでしょう。


誰の【家族】に手を出したのかを…


「それに、そいつの故郷も滅ぼしましょうか?【家族】に手を出した奴を生んだ場所です。また【家族】が殺されてしまうかもしれませんから。そうすれば…」


いえ…やっぱりダメですね。


殺された【家族】は二度と戻ってきませんから。


そうすると…どうしましょうか?


「この際、全ての種族を皆殺しにしましょうか?ああ、もちろん【家族】は別ですよ?」


私は【家族】を絶対に護ります。


そもそも【家族】でない種族に生きる価値なんてないんですよ。


「いいですか?ルビア…私は【家族】のためならなんでもできます。ルビアが望むのなら、私はルビアに殺されても構いません。しかし…」


ルビアの眼を真っ直ぐ見つめます。


「その後に、ルビアはどうしますか?」


「私は…」


ルビアの眼には、迷いの色が浮かんでいました。


「恐らく、私が死んだらリリウムが泣いてしまうでしょう。でも、私は【家族】を傷つけたくないんですよ。ルビアもリリウムも【家族】として、愛していきたい。」


「そう…ですね…でも…私は…イーナさんに…」


巨大な焔の右腕が振り上げられました。


「ですからっ…!これで…終わりですっ…!」


最後の最後、気力を振り絞った一撃なのでしょう。


苦しいはずなのに、顔には笑みを浮かべています。


「確かに、これで終わりにしましょう。」


右腕に【魔具】を装着します。


全ての【魔力】を消し飛ばす【魔法】を使い【魔力】が体に流れている生物にとって、天敵ともいえる【魔具】です。


それを焔の右腕に対向するように殴りつけました。


そして、それが接触した瞬間…


緑色の閃光が迸り、後にはなにも残りませんでした。


たとえどれだけ強大な【魔力】でも、どんなに強力な【魔法】でも、それが【魔力】であれば問答無用で消し飛ばします。


「イーナさん…やっぱり…強い…です…」


「いえ、私は人間ですから。【魔具】を使わなければ、ただの弱い人間ですよ。」


「いいえ…だって…」


ルビアが私に向かって倒れ込み、耳元で囁きました。


「イーナさん…ですから…」


それっきり安らかな寝息が聞こえてきました。


「ルビア、お休みなさい。いい夢を…」


こんな私を、本当に…




閑話休題




セルナたちを見送った後、控室まで戻ってきました。


閑散とした部屋の中には、小さなイスとテーブルが置いてあります。


その椅子に腰かけ、少し経つと…


「お、いたいた。お前ら入ってこいよ。」


一人の男が入ってきました。


それに続いてぞろぞろと、数人の男が入ってきました。


ルビアをセルナに預けた後【レーダー】に赤い点が複数個確認できました。


狙いの見当は付きましたから、セルナたちを先に帰したんですけどね。


「嬢ちゃんの【魔具】を渡してもらおうか。お前にゃ勿体ないからな。俺たちが有効活用してやるよ。」


リーダーのような男が杖をチラつかせながら言いました。


まったく…


「こういう輩がいるから本当は【魔具】なんて使いたくないんですよ。」


袋から紙を出し【魔法陣】をサラサラと書き、壁に貼りつけました。


「ん?嬢ちゃん、なんだそりゃ?」


「結界を展開する【魔法陣】です。特に害はありませんよ。」


閉鎖された空間ならば、大気に漂っている【魔力】だけでも起動が可能な【魔法陣】です。


これで外に音は漏れませんし、部屋に入ることも出ることもできません。


「結界の【魔法陣】?なんだそりゃ?そんなのきいたことねえぞ。」


「この部屋を隔離しただけです。騒ぎになると面倒ですからね。」


でも、試したいこともありましたし、丁度いいですね。


「隔離だと…?おい、ドア開くか?」


男がドアを調べています。


開くわけないんですけどね。


「開かない?…その【魔法陣】の仕業か。どうせ【魔法陣】を壊しゃ、結界とやらも解けんだろ?」


「ええ、その通りです。これを壊せば結界も解けますよ。」


「いいのか?そんなことわざわざ教えて。」


「いえいえ、最後の質問くらい答えてあげませんと。可哀想じゃないですか。」


「最後だと?まさか、四対一で勝てるとでも思ってんのか?俺としちゃ【魔具】さえ渡してもらえりゃいいんだが…」


「うるさい虫は駆除しませんと。耳元で飛び回られると耳障りですから。」


「後悔…すんなよ?」


リーダーのような男が杖を構え、取り巻きの男たちがそれぞれ武器を構えました。


「それはこちらのセリフです。生きてることを後悔させてやりますよ。」


ひとり、ふたり、さんにん、よにん…計四回分ですか。


気を失わせず、かつ動けなくするようにしませんと。


道具も袋に入っていますし、楽しみですね。

さて、どうだったでしょうか?


主人公は、他の誰よりも狂って歪んで捻れてイカレています。


そして、なによりも【家族】という存在を優先させます。


たとえ自分が殺されようと【家族】が幸せになるのならば、笑顔のままそれを受け入れる…


【家族】が依存し【家族】に依存している、絶対的ながらも歪な関係性です。


この男たちがどうなったのか、って…?


一応執筆はしたのですが、ちょっとグログロでグチャグチャでドロドロな内容になってしまいましたので、躊躇している次第であります。


血飛沫、断末魔、悲鳴、拷問、外道、殺人描写など、人によっては気持ち悪くなるような描写が入ってしまったので…


読みたいというお方がおりましたら、ご一報を下さい。


番外編として活動報告に載せようかと思います。


それと、番外編も纏めないとなぁ…


まあ、それは後々…


感想、意見、その他諸々、お待ちしております。

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