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私が行く・異世界冒険譚  作者: ちょめ介
蒔かれた種はどんな木に育つのか
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第三十七話・楽しい時間はあっという間に過ぎ去ります

はい、第三十七話投稿いたしました。


さて、タイトルにある通り、楽しい時間はあっという間に過ぎ去ります。


それとは逆に、面倒な時間は長々と続きます。


これって、よくあることですよね?


いえー、第三十七話始まり始まり…

「ん…ふぁ…」


うん、リリウムだよ?


お母さんとお昼寝していたんだけど、なんだか目が覚めちゃったの。


「お母さん…」


お母さんの体を揺さぶっても、スヤスヤ眠ってて起きてくれないの。


「お母さん…起きてよ…」


「んー…イーナさ…ムフフ…セル…邪魔で…」


いくら揺さぶっても起きないの。


お姉ちゃんとお兄ちゃんの夢でも見てるのかな?


お姉ちゃんは本を読んでて、お兄ちゃんはお薬を作ってて、お母さんはお姉ちゃんのお手伝いをしてるの。


私も、お姉ちゃんのお手伝いをしてるの。


お姉ちゃんの作ってくれたお茶、また飲みたいな。


一回だけお兄ちゃんのお手伝いもしたんだけど、薬草を間違えて渡しちゃったり、落としちゃったりで、邪魔をしちゃったの。


お兄ちゃんは苦笑いをしてたけど、そのあと頭を撫でてくれたんだ。


みんなリリウムに優しくしてくれるんだよ?


「そうだ…お姉ちゃん…」


お姉ちゃんはいつも隣の部屋で本を読んでて、リリウムが傍に行くと頭を撫でてくれるの。


お姉ちゃんに撫でてもらうと、なんだか胸がポカポカするの。


「あれ…お姉ちゃん…?」


扉を開けたら、部屋の中には誰もいなかったの。


いろんな部屋を探したけど、お姉ちゃんとお兄ちゃんがどこにもいなかったの。


どこに行ったのかな?


「お外かな…?」


お姉ちゃんとお兄ちゃんとお母さんは、お買い物でお外に出ているけど、リリウムだけでお外に出た事はないの。


「そうだ…」


お母さんも眠ってるし、起きるまでに戻ってくればわからないよね?


うん、そうしよう。


お姉ちゃんが作ってくれたカバンもあるし、お金も少し持たせてくれたから、何かあったら買ってみるの。




閑話休題




いっぱい【人間】が歩いてるの。


それに、いろんな食べ物が置いてあるの。


お姉ちゃんたちが言ってた、市場なのかな?


「おや、見ない顔だけど、お使いかい?」


【人間】の間を歩いていると【人間】の男の人に声をかけられたの。


「ううん…お姉ちゃんに…」


「おお、そうかい。で、ここは果物が専門だけど、お姉さんは果物が好きなのかい?」


「うん…えっと…」


お姉ちゃんがよく食べてた果物…?


「アルモ…?」


「あ、アルモかい?それはここには売ってないな…そうだ!確か…ほら、見えるだろ?あの青い屋根の建物。」


【人間】のおじさんが指をさした方を見ると、でっかい青い屋根が見えたの。


「あそこは、ここよりももっと大きい店だから、きっとアルモもあるよ。」


「ありがと…【人間】のおじさん…」


お姉ちゃんに、お礼は大事って教わったの。


挨拶さえしておけば、何事も円滑に進むって…


「ハハハ…まあいいよ。今度は、ここの果物もよろしくな。」


そう言われて、青い屋根に向かって歩いたの。


それにしても【人間】が多いの。


お母さんと、一緒に来ればよかったの…




閑話休題




扉を開くと、きれいな鈴の音が鳴ったの。


お店の中には、前にお姉ちゃんの袋の中で食べた果物がたくさんあったの。


それに、カウンターには【人間】の男の子が座っていたの。


「はい、らっしゃ…ってなんだ、ガキかよ。」


男の子に、なんだか失礼なことを言われたの。


「あなたも…私と同じくらい…だよ…?」


「う、うるせ!まったく、これだからガキは…」


そう言って男の子が、こっちに近づいてきたの。


「で、何の果物が欲しいんだ?いろんなのがあるが、おすすめはこの…」


男の子が持ったのは、丸い真っ赤な果物だったの。


「エイプレってのだな。ちょうど今の季節が旬だし…4個2000Sだな。」


「うん…わかった…」


お姉ちゃんにも食べてもらおうと思って、私がカバンからお金を出そうとすると…


「わー!待て待て待て!冗談だ!」


なんだか、男の子が慌ててるの。


「どうしたの…?」


「だから冗談だって!4個で700Sだ!悪かったよ。ごめん。」


「うん…いいよ…」


お姉ちゃんにも、謝られたら許せ、って言われたの。


でも、あんまり酷ければ許すな、とも言われたの。


「で、何を探してんだ?ニベアか?ラガリアか?それとも―――」


「アルモ…」


「あ、アルモか?なんだってそんなのを。」


「お姉ちゃんが…好きなの…」


この頃は食べてる所を見てないけど、お姉ちゃんはあの果物が好きなはずなの。


「いや、まあ。あるにはあるけど…ホントに食うのか?」


「うん…お姉ちゃんは…おいしそうに…食べる…よ…?」


「ふぅん…お前の姉ちゃん、おかしいんだな。」


「おかしい…?」


「ああ、あんなくそまずい果物を、好んで食べるなんて、よっぽどの変人か、味覚のおかし―――」


「お姉ちゃんは…優しいよ…おかしくなんて…ない…」


そんな言葉を聞いたら、体が勝手に動いちゃったの。


「お姉ちゃんは…おかしくない…優しくて…強くて…それで…」


「ちょ、はなせ…!苦し―――」


「お姉ちゃんは…おかしくなんて…おかしくなんて…!」


「悪かった!ごめん!謝るから!離してくれ!」


「分かった…」


ついカッとなって、男の子を首を絞めちゃったの。


でも、酷いことを言ったから、いいと思うの。


「お姉ちゃんは…私の…大切な人…だよ…酷いことを…言ったら…許さない…」


「あ、ああ。悪かった。…で、アルモだったな。えっと…ああ、これだな。5個で200Sだ。両方で900Sだ。」


「うん…これ…」


900Sって、高いのかな、安いのかな?


「んじゃ…ほらよ。エイプレとアルモ。それじゃ、また来いよ。」


「ん…それじゃ…」


扉を開けると、きれいな鈴の音がまた響いたの。


お姉ちゃんはもうちょっとこの街にいるみたいだけど、どうなのかな?




閑話休題




図書館に戻る途中で、おっきい広場を見つけたの。


木陰が涼しそうだったから、ちょっと休んでから図書館に戻ろうと思ったの。


「ちょっとだけ…」


今日買ったエイプレの味見をしようと思ったの。


でも、アルモは食べないの。


「ん…おいし…」


噛んだら、新鮮な音がして、甘酸っぱい味がしたの。


ちょっと酸味が強いけど、うん、おいしい。


お姉ちゃんも、喜んでくれるかな?


「ふぁ…」


エイプレを食べ終わって少ししたら、なんだか、眠くなってきちゃった…


いつもより早く起きちゃったからかな?


「ん…む…」


少しだけ、眠ってもいいよね?


少しだけ、少しだけ…




閑話休題




ゆらゆらと、揺れる感覚で目が覚めたの。


目を開けると黒い髪があって、匂いを嗅ぐといいにおいがするの。


嗅ぎ慣れた、落ち着くにおい。


「ん…お姉ちゃん…?」


「目が覚めましたか?リリウム。」


「あれ…ここ…どこ…?」


周りを見ると、木がいっぱいだったの。


「もうすぐ街に着きますからね。眠かったら、眠っててもいいんですよ?」


「ううん…眠く…ない…」


今は、お姉ちゃんの温もりを、少しでも感じていたいから。


お姉ちゃんの首に回っている手に力を入れて、ギュッってしたの。


「こら、苦しいですよ。」


「ごめんなさい…」


「ふふ、いいですよ。落ちないように、しっかり掴まっていてくださいね。」


「うん…」


ゆっくり、ゆっくりと。


こんな時間がずっと続けばいいな…

はい、どうだったでしょうか?


今回のラスト付近で【白竜】が街の外に居た理由ですが…


何も考えずに書いているわけじゃありませんよ?


書いて、投稿してから、続きを考えているわけじゃないですからね?


ほ、本当ですよ。


…多分。


それと、今回登場した少年ですが…


モブです。


それと、妙に背伸びしたい年頃ってあるじゃないですか。


ちょうどそんな年頃だったんですよ。


感想、意見、その他諸々、お待ちしております。

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