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私が行く・異世界冒険譚  作者: ちょめ介
蒔かれた種はどんな木に育つのか
36/81

第三十六話・飛行機には騒音がつきものです

はい、第三十六話投稿いたしました。


レポート祭りだワッショイワッショイっと…


いやー、休みがあっても無いようなもので、忙しいですね。


相も変わらず死にもの狂いです。


まあ、小説の更新は週一でやっていけるとは思いますが…


ひっふー、第三十六話始まり始まり…

どうも、イーナこと伊那楓です。


【レーダー】で位置を確認しつつ【緑竜】がいると思しき場所に向かっています。


距離的には、2kmも離れていないかと思います。


しかし【魔獣】の頂点である竜とこんなに遭遇するなんて、何か呪われているんですかね?


個体数も少ないハズなんですが…


「おいイーナ!速い!もっと速度落とせ!」


ああ【霊力突進】を発動していましたね。


そういえば、ここ最近【霊力浮遊】や【霊力急進】や【霊力突進】の出力が全般的に上がってきてるんですよね。


【霊力浮遊】で最高時速200km程【霊力急進】の瞬間最高速度が時速500km程【霊力突進】も最高時速500km程ですね。


それに【レーダー】の範囲もさらに広がってきています。


…やっぱり、慣れでしょうかね?


でも、よくついて来れましたね。


「ハァ…ハァ…つ、疲れた。お前は…なんで疲れてねえんだよ…?」


「まあ、疲れるようなことはしていませんから。それと…その【緑竜】はなんなんですか?」


その【緑竜】は、さんざん痛めつけたハズなんですが…


まだ足りないんでしょうか?


「ああ、こいつな。お前の作った…お茶だっけ?あれをえらく気に入ってな、また飲みたいんだと。」


そう言ったセルナの背中に張り付くように【緑竜】がおり、こちらを睨んでいました。


「ふ、ふん!別にあなたが怖いわけじゃないんだからね!ただこの【亜人】の背中が暖かくて…って!何言わせんのよ!」


そう言った【緑竜】がセルナの頭を叩きました。


「いてえ!」


パシーンといい音が響きました。


「まあ、どうでもいいですがね。」


さて、図書館に戻ったらどうなるか…




閑話休題




さあ、目標地点に着いたわけですが…


「うぇ…なんだこりゃ…」


「確かにね…これは…」


辺り一面は血飛沫、肉片、杖や服の切れ端、そして緑は赤く染まり、地は血に塗れています。


恐らく、先に来ていた【ルシャトリエ】のメンバーでしょうね。


「ふむ…なかなかに圧巻な光景ですね。」


まあ、そんなことはさて置いて…


「さて、件の【緑竜】はどこでしょうか?」


あるのは【人間】の面影を残さない肉塊ばかりで【緑竜】がいた痕跡は、抉れた地面、倒れた木々、そして【人間】だった肉塊のみです。


「…お前は何とも思わねえのか?同じ【人間】だろ?」


「はい?死んだ【人間】なんて、ただの肉の塊でしょう?そんなものに、何の感慨も浮かびませんよ。」


「な!?お前―――」


「なんて、冗談ですよ。」


「―――は?」


「まったく、そんな素っ頓狂な声を出して、私がそんな【人間】だと思っていましたか?無感情で無感動で無表情で冷酷な、そんな【人間】だと思っていたんですか?」


「そ、そうだよな。たまに変人で、たまに言動がおかしくて、たまに変な物を作るし、変な【魔具】も持ってるけど、普通の【人間】だよな。そうだよな、冗談だよな。」


「ええ、冗談ですよ。冗談です。あと、街に戻ったら課題を出しますから。」


「そ、それも冗談―――」


「いえ、純然たる事実です。よかったですね。薬草を採取しておいて。たくさん薬を作れますよ。」


それを聞いた途端に、セルナが崩れ落ち、手と膝を地面につきました。


まったく、そんなに落ち込まなくてもいいでしょうに。


でも、無感情で無感動で無表情で冷徹な【人間】ですか…


本当に、冗談ですよ。


私は、そんな【人間(・・)】ではありません。


「さてセルナ、そんなことをしてる暇はないですよ。」


「そんなことって…お前な…」


つい先ほどから【レーダー】に高速で接近中の物体があります。


「さあ、来ますよ。耳を塞いでください。」


上空を一瞬だけ緑色の物体が横切り、視界の外に消えていきました。


「な、なんだありゃ―――」


その直後、轟音と共に突風が殺到しました。


突風により木々が倒れています。


それにしても、衝撃波(ソニックブーム)ですか。


「はぁ…なにしてんのよ。あんた【亜人】でしょ?このくらい踏ん張りなさいよ。」


「―――ッ!無茶言うな!あんなの踏ん張れるか!」


後ろから聞こえる声に振り向くと、セルナの腕を【緑竜】が掴み、吹き飛ばされないようにしていました。


「あー…耳が痛い…なんだよありゃ…」


「さっき【緑竜】が高速で飛行をしていました。その衝撃波みたいなものですよ。それに、こちらに気付いたみたいですね。戻ってきます。」


離れていったはずの【緑竜】が急旋回しこちらに向かってきているのが【レーダー】で確認できます。


「お出ましです。では、始めましょうか。」


とりあえず、出すのはレールガンと、こと座のα星の名前を模した高出力レーザーライフルです。


そうして咆哮と共に降り立ったのは…


「近くで見ると、案外大きいものですね。」


「いや、なんでそんなに落ち着いてんだよ…てかうるせーな。」


全長十数メートルはあろう巨大な【緑竜】が姿を現しました。


以前海で見た【緑竜】よりも大きいですね。


「うわ…なんであいつがいるのよ…」


こちらにいる【緑竜】は、向こうの【緑竜】のことを知っているらしいですね。


「知ってんのか?…って同じ【緑竜】だよな。お前の知り合いか?」


「あー…あたしの結婚相手―――」


「はぁ!?」


「―――だった奴よ。」


「…だった、ってなんだよ。だったって。てか、お前がここにいるから、あの【緑竜】も追ってきたんじゃねえのか?」


「ふん!あたしより弱い奴になんて興味はないのよ!大体ね、あたしに負けたから【人間】なんて襲ってたのよ?バッカじゃないの?あいつ。」


「…てことは、イーナには興味ありってことか。」


「んなわけないでしょ!バカ!」


【緑竜】がセルナの頭を叩きました。


さっきまで殺し合いをしていたのに、二人は仲がいいですね。


それにしても…


「【緑竜】一つ聞きます。」 


「な、なによ?」


「あの【緑竜】は、憂さ晴らしに【人間】を襲っていた。それは本当ですか?」


「え、ええ。さっき大声で鳴いてたでしょ。あいつ【人間】を何人殺したとか、いくつ村を襲ってたとかをあたしに自慢してたのよ。」


「ふぅん…」


「ま、そんなんであたしの気を引こうとしたみたいだけど…無駄な足掻きね。あたしに負けた時点で、もう興味なんてないのよ。」


【緑竜】がそう言った途端…


「グギャアアァァァ!」


と咆哮を上げ、その攻撃を【緑竜】に向け―――


「うるさいわね。その口、閉じときなさいよ。」


【緑竜】の手が握られた途端に、宙に浮いていた【緑竜】が地面にめり込みました。


「は…?お前、何したんだ?」


「別に、ただあいつを押しつぶしただけよ。でも、やっぱり【人間】に擬態してちゃ上手く【魔法】が使えないわね。」


そう言って【緑竜】が指を弾くと、地面にめり込んでいる【緑竜】に四方八方から歪んだ塊が殺到しました。


しかし【緑竜】にはあまり傷が付いていませんね。


どうやら【緑竜】独特の風の【魔力障壁】が、威力を弱めているようですね。


「まったく、面倒ね。ま、このまま続けてればその内―――」


とりあえず、左腕に持っていたレーザーライフルを放ちました。


「な、なにするのよ!まさか…あいつに同情してるつもり?」


まあ、当てるつもりはなかったので、レーザーはあさっての方向に向かっていきました。


「別にそこの【緑竜】の味方をしているわけではありませんよ。そのままあなたに任せると、グチャグチャになってしまって、討伐した証拠を持っていくことができませんから。」


あのまま押しつぶすと【緑竜】がミンチになり、歪んだ塊が効けば粉微塵に消滅してしまいます。


これが依頼でなければ、そのまま放っておいてもいいんですがね。


「ところでセルナ。どの部位を、どの位持っていけばいいんですかね?」


「あ、ああ、ちょっと待て…えっと、牙やら爪やら鱗やら骨やらがあるが…特にどの位持ってけばいいのかは書いてねえな。」


「ああ、それなら簡単ですね。」


とりあえず、飛べないようにレールガンで【緑竜】の翼を撃ち抜きます。


なにやら【緑竜】が甲高い鳴き声を上げました。


「そういう時は、文句を言われないように全部(・・)を持っていけばいいんですよ。」


レールガンとレーザーライフルをしまい、出したのは射突型ブレードです。


【緑竜】が無様な体勢で、風の(ブレス)を吐いてきますが【霊力障壁】に阻まれ、私には届きません。


倒れている【緑竜】に、ゆっくりと近づきます。


「生きることは命を奪うことです。それはどうしようもありませんし、咎めるつもりはありません。でも、あなたは自分の憂さ晴らしに、無関係の【人間】を、殺した。」


そして、この射突型ブレードなら【魔力障壁】が有ろうと無かろうと関係ありません。


「まあ、あなたを殺しても、死んだ【人間】が戻ってくるわけでもありませんが…」


悪あがきのように、風の(ブレス)を放ってきます。


いくら貫通に優れた風の【魔法】だろうと【霊力障壁】に減衰され、私に届くのは僅かなそよ風のみです。


無駄だとわかっているはずなのに…


「哀れですね。まあ、同情はしませんけど。」


【緑竜】に最接近すると、前肢を振り上げ私を押しつぶそうとします。


「最後の抵抗ですか。」


振り下ろされた腕を【霊力急進】で避け、射突型ブレードを腕に打ちつけます。


【緑竜】の腕の肉が吹き飛び、骨が露わになりました。


「さて、終わりですね。」


倒れた【緑竜】の頭に【霊力急進】で近づきます。


なにやら、恐ろしいものでも見たかのような目の色をしていますね。


まあ、どうでもいいですけど。


「さようなら。」


射突型ブレードが【緑竜】の頭を吹き飛ばしました。

はい、どうだったでしょうか?


主要人物紹介のためのイメージ画像も掲載終了し…


いや、まだあるかもしれませんがね。


この後書きを書くのも、およそ一か月ぶりですね。


まあ、それはともかく。


主人公は別に【人間】の味方でも【緑竜】の味方でもありません。


かと言って【人間】の敵でも【緑竜】の敵でもありません。


さて、主人公は誰の味方で誰の敵なのか…


そんなことより【緑竜】が結婚相手だったと言っていましたが、それは後々明らかになる予定です。


ご期待せずにお待ちください。


感想、意見、その他諸々、お待ちしております。

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