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私が行く・異世界冒険譚  作者: ちょめ介
蒔かれた種はどんな木に育つのか
31/81

第三十一話・白くて赤くて暖かいです

はい、第三十一話投稿いたしました。


およそ一ヶ月ぶりの投稿となってしまいました。


夏休みをダラダラと過ごした結果がこれですよ。


後期は忙しくなりそうなので、前期同様な更新が出来なくなるかもしれませんが、その時はよろしくお願いします。


…そういえば、ユニークが4万突破していました。


それっと、第三十一話始まり始まり…

リリウムだよ?


この名前はお姉ちゃんにつけてもらったんだ。


今日は、お姉ちゃん達と一緒にお出かけするんだよ?


でも、お母さんとお兄ちゃんが怖い顔してたの。


どうしてかな?




閑話休題




お姉ちゃんと手をつないで、市場に来たの。


お母さんとお兄ちゃんは、私たちの後ろで何か話してるけど…


「お姉ちゃん…あれ欲しい…」


私が指差したのは、赤くて粒々がついている小さい果物だよ?


「ラガリアですか?いいですよ。」


お姉ちゃんの袋の中に入ってたのを食べたけど、すっごくおいしかったの。


でも、私が袋に入ってた時に食べた、あの果物は嫌いなの。


なんだか、口の中がすっごく苦くて…


一人でいた時は、いろんな果物を食べてたけど、あんなに不味かったのは初めてだったんだよ?


でも、お姉ちゃんはおいしそうに食べてるの。


どうしてかな?




閑話休題




「それじゃあ、図書館に行きましょうか。」


私が欲しかった果物も買い終わって、次はお兄ちゃんの用事だよ?


「あの図書館は、もう閉めるらしいですから、不要な本も貰えるでしょうね。」


「そうなのか?」


「ええ、なにやら知り合いの【エルフ】のお爺さんの所に行くとかで。ランダル君とも、ここでお別れですね。」


ランダル君は、お兄ちゃんが助けた【人間】の男の子だよ?


でも、私の方がお姉さんなんだ。


えへん。


「…そうか。」


「母親もそこにいるらしいですし。これで、安心ですよ。」


「…そうだな。安心だ。」


そう言ったお兄ちゃんは、なんだか辛そうな顔をしていたの。


どうしたのかな?


「お母さん…お兄ちゃん…どうかしたのかな…?」


お母さんは(ブレス)も吹ける【赤竜】なんだよ?


今は、擬態をして【人間】の姿になってるけど、竜に戻ったらすっごく強いんだよ?


でも、お姉ちゃんはもっとすっごく強いの。


私は、お姉ちゃんを助けたい、って思ったら、突然擬態ができたの。


でも、竜の姿に戻れなくなっちゃったの。


でも、お姉ちゃんと一緒だから、嬉しいな。


「んー。たぶん寂しいんだと思います。」


「寂しい…?」


「はい。リリウムちゃんもイーナさんと離れたら、寂しいでしょう?」


「うん…」


私は、お姉ちゃんと離れたら、また一人ぼっちになっちゃうから。


「それと同じだと思いますよ?セルナは、ああ見えて寂しがり屋ですから。」


「そうなんだ…」


俯いているお兄ちゃんに声をかけたの。


「お兄ちゃん…」


「ん…どうした。」


「お兄ちゃん…寂しいの…?」


「は…ば、バカ!さ、寂しくなんか…」


「おや、セルナ。ランダル君がいなくなって寂しいんですか?」


「そ、そんなことねーし!寂しくなんかねーし!むしろ清々したし!」


お姉ちゃんが声をかけたら、顔を赤くしながら言ってるの。


「まあ、いいです。もう図書館も見えてきましたし。そこでお別れにしましょうか。」


道の先には、ツタで覆われている建物があったの。


あれが図書館なのかな?




閑話休題




図書館の中は、なんだかカビ臭いにおいがしたの。


「それじゃ、セルナの欲しいのは薬草関連の本でしたね。聞いてきますから、待っていてください。」


そう言って、お姉ちゃんは奥に行っちゃったの。


「お母さん…抱っこ…」


「はいはい、リリウムちゃんは甘えん坊さんですね。」


寂しくなっちゃったから、お母さんに抱っこをねだったの。


お母さんは、暖かくて、いいにおいがして、安心するんだよ?


「よしよしです。」


「ん…」


お母さんが、頭を撫でてくれたの。


「まったく、お前らは仲がいいよな。てか【白竜】と【赤竜】って、そんなに仲がいいものなのか?」


「何を言っているんですセルナは。リリウムちゃんは、私の娘です。リリウムちゃんも、私の子どもになってくれるって言ってくれました。」


「そうなのか?」


お兄ちゃんが、私に確認してきたの。


うう…恥ずかしいよぉ…


お姉ちゃんには、知られたくないな。


「うん…私は【白竜】だけど…お母さんはお母さんだよ…?」


「ふーん…で、何でお前らはイーナに連れ添ってんだ?」


なんで、って…


「お姉ちゃんが…私を助けてくれたからだよ…?」


「あいつがお前を助けた、ねぇ…」


「うん…そうだよ…?私が【人間】に襲われて…私は気を失っていたんだけど…気がついたら…お姉ちゃんが隣にいたの…」


あのとき、お姉ちゃんに助けてもらえなかったら、今ごろどうしてるのかな?


「そん時はまだ【白竜】だったんだろ?お前を襲ってたのって、やっぱり【人間】か?」


「うん…白いマントを着けてた【人間】だったよ…?」


「はぁ…やっぱりか。やっぱ【人間】ってのは―――白いマントだぁ!?それって【No.】の証じゃねーか!…いや、まてよ。偽者って可能性は…」


お兄ちゃんが何か考え込んじゃったの。


「お母さん…お兄ちゃん…どうしたのかな…?」


「さあ?何か考え込んでるようです。まあ、そのうち元に戻りますよ。」


お母さんが、ギュってしてくれたの。


やっぱり、暖かくって、いいにおいがして、とっても安心するの。


お母さんは、小さい声で『至福です』って言ってるけど。


私は、みんなに出会えて幸せだよ。




閑話休題(数分後)




お姉ちゃんがランダル君と【人間】の男の人を連れてきて戻ってきたの。


「セルナ、図書館では静かにしましょうね。向こうまで響いてきましたよ。」


お兄ちゃんは、お姉ちゃんが持っていた本を頭に落とされて、目を回しているの。


「に、兄ちゃん…大丈夫か?」


「あ、ああ。大丈夫だ…」


頭を抱えながら、お兄ちゃんが体を起こしたの。


「おう、ランダル。元気だったか?おっ、なんか急に背が伸びたな。」


「…兄ちゃん、なんで父ちゃんの頭を撫でてんだよ。俺はこっちだぞ。」


お兄ちゃんが、男の人の頭を撫でてるの。


「こら、セルナ。アムザイさんの頭を撫でてどうするんですか。ランダル君は左ですよ。」


「んあ…わ、すみません!」


「いえいえ。ほら、ランダル。お世話になったんでしょう?お礼を言いなさい。」


「う、うん。」


ランダル君が、男の人に背中を押されて、前に出てきたの。


そうしたらお母さんに抱っこされたの。


「リリウムちゃん、私達には関係ありませんから、向こうに行っていましょうか。」


お母さんに抱っこされて、お姉ちゃんたちから離れたの。


やっぱり、お母さんは暖かいな。


そういえば、お姉ちゃんの【魔力】はお兄ちゃんともお母さんとも、違う味がしたけど…

はい、どうだったでしょうか?


今回は【白竜】の視点です。


心の中では流暢に考えたりしてますね。


ほら、いきなり擬態をしたから上手く喋ることが出来ないんですよ。


あと、少年のこれからもちょっとだけ。


感想、意見、その他諸々、お待ちしております。

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