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私が行く・異世界冒険譚  作者: ちょめ介
蒔かれた種はどんな木に育つのか
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第二十三話・死に用心、赤竜一匹、致死のもと

はい、第二十三話投稿いたしました。


そういえば、主人公たちのプロフィールやら【魔法】についてやらを纏めた番外的な物を書いた方がいいですかね?


書こうと思えばすぐにでも書きますが、どうしましょうか?


要望があれば、次々回にでも載せたいと…


けれども、第二十三話始まり始まり…

【アプライド】に着いたと思ったら、倒れてしまいました。


イーナこと伊那楓です。


この世界に来るまでにも、数か月に一度は倒れていましたから、ちょうど時期だったんでしょうね。


熱が出て、体が思うように動きません。


右腕も折れてるようですし、ジワジワとした痛みが続いています。


添え木をして、固定はしていますが、完治にはどれほどかかるでしょうね。


三人には悪いことをしてしまいましたね。


私のせいで足止めさせてるなんて…


「ルビア…いいですか…」


昨日は一日中私の看病をさせてしまったので、今日くらいは自由にしてもらいたいですね。


いつもなら、一日寝ていれば治るんですけどね。


環境が変わったからでしょうか。


「はい、なんでしょう。」


ルビアが笑顔でベッドに近づきます。


どうやら、セルナは昨日の内から外出しているようで、部屋に姿が見えません。


「少し眠りたいので…ルビアも…自由にしていて…下さい。」


「私は自由にしていますよ。イーナさんの看病をさせてもらっています。」


ルビアが椅子に座りながら、そう言います。


「そうじゃなくて…ですね…セルナ…みたいに…」


「あんな泥棒猫なんて…」


「こら…」


ルビアを窘め、頭をポンポンと叩きます。


「あう…」


ルビアが叱られた子どものような顔をして、目線を落とします。


「じゃあ…そうですね…私の為に…何か買ってきて…くれませんか…」


頭を撫でると、ルビアの顔が赤くなりました。


もう、限界が近いですね…


口がうまく動きません。


ベッドに潜り込んでいるリリウムの前足に手を回し、ルビアに渡します。


「それと…リリウムを連れて…果物でも買って…あげてください…」


「キューキュキュー」


こら、暴れないでください。


リリウムをルビアに渡すと、ルビアが心配そうな顔をしています。


「それじゃ…お願い…します…」


ベッドに倒れこんでしまいました。


体に力が入りません。


「イーナさん…」


そんな顔をしないでください。


「大丈夫…です…寝ていれば…治ります…から…」


「キュ!キュキュー!」


二人とも、すみませんね。


理由を付けて追い出してしまって。


でも、迷惑はかけられませんから。


セルナもいませんし、誰にも迷惑がかかりません。


それに、もう、目が開けていられません。


また、ですか…




閑話休題




夢を見ました。


私が、あの家にいた時の夢…


夢を見ました。


私が、家族と暮らしていた時の夢…


夢を見ました。


お父さんが、笑っている夢…


夢を見ました。


お母さんが、キッチンにいる夢…


夢を見ました。


私が、紅いカーペットに寝ている夢…


夢を見ました。


私の、忘れることのできない夢…


そして、気付きました。


「…夢、なんですね。」


目覚めれば、忘れてしまう、とても儚い夢。


それでも、私はこの夢を忘れられません。


なぜでしょう…


夢は唐突に移ろいます。


何の前触れもなく、突然に…


夢を見ました。


お父さんが、紅いカーペットに寝ている夢…


夢を見ました。


お母さんが、笑っている夢…


夢を見ました。


私が、キッチンにいる夢…


夢のような、境界が曖昧で、それでいて、現実のような、境界が明瞭で。


「ごめんなさい。」


不意に、口が動きます。


私の意志とは関係なく、口がひとりでに…


「起きろ!イーナ!」


今まで見ていた夢が、溶けるように消え、目が覚めました。


…セルナ、ですか?


「セルナ…?どうして…?どうしてですか…?」


セルナに答えてもらいたいわけではなく、自分に問いかけたんでしょうね。


自然と目から、涙が流れてきました。


「これ呑め、解熱剤だ。」


と言って、器に入った緑色の液体を渡してきました。


解熱剤ということは、ヴァーナですかね…


特に味もなく、すんなりと飲むことができました。


呑んだら、体から少しだけ熱がひいていきました。


窓の外を見るとたくさんの人達が、慌てた様子で走っています。


流れの本を【レーダー】で確認すると…


「行かないと…」


緑色の点が二つが、赤色の点と対峙していました。


恐らく、ルビアとリリウムでしょうね。


窓を開け【霊力浮遊】を使って、二人の元に行こうとすると…


「イーナ!お前は寝てろ!まだ夢の中にいるつもりか!?」


セルナがそう言って腰に手を回してきました。


目はもう覚めましたよ。


大丈夫です。


「はなしてください…行かないと…」


「いいから…寝てろ!」


セルナに力が入ったかと思うと、ぼふっとベッドに倒れてしまいました。


「病人なんだからな!寝てろよ!」


そう言い、私から目を放しました。


「すみません…セルナ…」


一言だけ謝罪をし、ガラスを破って外に出ます。


所々を引っかけて、血が出てしまいましたが、気にしている暇はありません。


たくさんの人が逃げていた事から推測すると、リリウムが人目に付いたんでしょうかね。


袋を持って行ったはずですから、隠すこともできたはずですけど…


ルビアはリリウムを溺愛していますから、リリウムが嫌がることはしないでしょう。


やはり、竜は…


赤い点がいたという事は、リリウムに害を及ぼす【人間】でもいたんでしょうね。


【霊力浮遊】で浮かびながら進むと、目的地が見えてきました。


そこにいたのは【赤竜】と、その背中に乗っている【白竜】そして、綺麗な女性がそれに対峙していました。


【赤竜】…ルビアの竜としての姿ですが、その大きな口に大量の【魔力】が凝縮されているのが視えます。


視えたと思った途端、(ブレス)が放射され、女性を包もうとしています。


【霊力突進】を発動【霊力急進】も併用し、全力で【赤竜】と女性の間に割り込み、【霊力障壁】で女性の盾になるように、(ブレス)を受け止めます。


ルビアの(ブレス)を受けるのは、二回目ですね。


しかし、体調が悪い上に【霊力突進】で消耗した【霊力障壁】では、ルビアの火の(ブレス)を完全に防御することはできません。


徐々に【霊力障壁】が減衰して行き…


「どうです?リリウムちゃ…え?」


「キュ?キュ…キューッ!」


圧倒的な熱量を持った炎が、生身の私を包みました。

はい、どうだったでしょうか?


久々に【赤竜】の竜の姿が出ましたね。


あと、主人公は基本的におかしいです(笑)


夢の内容ですが…


伏線的な?そうじゃないような?


深読みしたい人は、してもらっても構いませんよ?


感想、意見、その他諸々、お待ちしております。

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