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e異世界転生  作者: 天水 こうら


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1/2

通常、そして転移

ミステリーばっか書いてても飽きるんで少し趣向を変えてみました。

将来の夢はこの作品をパチンコ化させて「ee異世界転生」というクソややこしいパチンコを作ることです。

最後に玉が弾かれた瞬間、俺は確信していた。

――ああ、これで人生は終わったな、と。


赤くも光らない盤面。

神も悪魔も沈黙したまま、液晶は無慈悲に「通常」を告げる。


財布は空。

希望も空。

なのに、なぜか心だけは妙に落ち着いていた。


「……結局、確率か」


俺が呟いたその言葉を、

世界は待っていたかのように受け取った。


次の瞬間、視界が白に塗り潰される。

音も、痛みもない。

ただ一つ、聞こえた声があった。


『あなたは、運命に抗い続けましたね』


目を開けると、森の中に立っていた。

見渡す限り、見覚えのない木々。

アスファルトも、ネオンも、騒音もない。


「……ここは……?」


胸が、少しだけざわつく。


異世界転生モノをよく“打って”いたから分かる。

これは――異世界転生だ。


こういう時は、たしか。


「ステータスオープン」


視界に、文字が浮かぶ。


【初期加護:当選確率 1/99】


「……」


元の世界で慣れ親しんだ数字。

見間違えるはずがない。


おかしい。

普通なら、筋力とか魔力とか、

そういう数値が並ぶはずだ。


「……まあ、考えてもしょうがないか」


俺は森の奥を見た。


当たるか、外れるかは、いつも運次第だ。

まずは森を抜けることを目指そう。


そう決めて、俺は歩き出した。


森を抜けかけた、その時だった。


空気が変わる。


風が止まり、鳥の声が消える。

まるで世界が息を止めたみたいに、静かになる。


「……またかよ」


足を止めた瞬間、

目の前の空間が歪んだ。


光が集まり、人の形を取る。

白でも黒でもない、曖昧な輪郭。


『驚きませんね』


聞き覚えのある声だった。


「そりゃあな。

異世界転生した時点で、次は“案内役”が出てくるって相場だ」


光の中から、女が現れる。


表情は薄く、感情の起伏が見えない。

だが、その瞳だけは――数字みたいに冷たかった。


『私は――フォルトゥナ。

この世界の確率を管理する者です』


「確率、ね」


俺は苦笑する。


「1/99だった理由、聞いていいか?」


『ええ。簡単な話です』


フォルトゥナが、指を一つ鳴らした。


視界に、再び文字が浮かぶ。


『これは、あなただけに適用されるルールです』


・行動成功率はすべて数値化される

・努力は確率を“僅かに”変動させる

・奇跡は、極めて低確率で発生する


「TRPGみたいなもんか?」


『あなたは前の世界で、

“奇跡を信じ続ける行為”を繰り返しました』


「……もしかして、パチンコ?」


『はい』


即答だった。


『本来、この世界に召喚された者は、

本人の性質を反映した能力が発現します』


フォルトゥナは、少しだけ目を細める。


『ですが、あなたは違った』


『外れ続けると知りながら、

それでもハンドルを握り続けた』


『その姿勢を、世界は――

「異常」と判断しました』


「褒めてんのか、それ」


『いいえ。警告です』


次の瞬間、文字が赤く染まる。


【警告】

【あなたの存在は、世界を歪めます】


背中に、冷たい汗が流れた。


「……赤文字は、パチンコだと熱いんだけどな」


『あなたには、観測価値があります』


『1/399を引こうとし続けた者が、

この世界で“何を当てるのか”』


女神の口元が、ほんの僅かに歪んだ。


『――私も、知りたいのです』


光が弾け、彼女の姿が消える。


静寂が戻った森で、

俺だけが取り残された。


視界の端に、新しい表示が浮かぶ。


【隠し条件 解放】

【初当たり発生時、世界に反動が生じます】


「……なるほど」


俺は空を見上げた。


「この世界、

当たったら終わりかもしれないな」


『PS.

能力は、頭の中でパチンコ台を思い浮かべ、

ハンドルを回す想像をすると発動します。

それと、おまけで現地の言葉も理解できるようにしておきました』


「……ちょっと試してみるか」


元の世界で好きだった台――

「e女神裁判」を思い浮かべる。


台を決めた瞬間、

周囲の風景が、作中さながらの世界へと変わった。


嬉しいことに、ヘソに入れなくても回ってくれるらしい。


心の中で台を離れる姿をイメージすると、

風景は元に戻った。


分かりやすい。

パチカスの俺には、ありがたい能力だ。


森を抜けてしばらく歩いたところで、

俺は「おかしい」と気づいた。


音がある。


――剣が弾かれる音。

荒い息遣い。


誰かが、戦っている。


俺は木陰から様子を窺った。


開けた場所で、一人の少女が剣を振るっていた。

相手は、二体の獣。


【勝率:27%】


紫保留ぐらいか。

期待はできるが、安心はできない。


彼女には悪いが、

能力の試し打ちとさせてもらおう。


周囲の風景が変わる。

獣たちが警戒し、少女の表情が強張る。


【勝率:13%】


自分の方が低いのかよ、と内心で悪態をついた瞬間、

視界が揺れた。


――保留変化。


7  7


7テン。

本機最強リーチに発展。


ここで外したら、パチンカー引退だ。


7 7 7


確率偏向リミテッド発動】

【残り時間:99秒】


数字が、書き換わる。


【逃走成功率:92%】

【勝率:71%】


力が溢れ出す。

これまでの人生で、一番のコンディションだ。


「勝率を上げるには……

ここからのST次第だな」


70回転中に、当てればいい。


8  8


8テン。

正妻JUDGE。ST中の最強リーチ。


8 8 8


【勝率:99%】

【逃走成功率:100%】


今の自分なら、

この獣たちを拳だけで倒せる。


の自分なら、この獣たちを拳だけで倒せる。

そう思わせるほど、全身に力が満ちていた。


――だが。


視界の隅で、数字が揺れた。


【世界負荷:上昇】


「……ん?」


一瞬だけ、空が歪む。

ほんの刹那。

だが、確かに“嫌な感じ”がした。


獣たちを倒した瞬間、

周囲の風景が、元に戻る。


少女が、呆然とこちらを見ていた。


「……助けて、くれたの?」


俺は息を整えながら、空を見上げる。


「……一応」


その時、視界に小さな文字が浮かんだ。


【警告】

【高確率状態は、世界を摩耗させます】


「……なるほど」


俺は苦笑した。


「この世界、

当たり続けると壊れるタイプか」


遠くで、何かが軋む音がした。

まるで、世界そのものが悲鳴を上げているみたいに。



e女神裁判

浮気をしたゼウスと間女に裁定を言い渡そう!というコンセプトの架空のパチンコ。

通常時の最強リーチはゼウス開き直り逆ギレクライマックス

久城が元居た世界では399しかなかったが能力でパチンコを発現させるとスペックが99になってた。

理屈は不明。

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