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第三章:星と心の交差点
制御室では魔導核が不協和音を放ち、都市全体が揺れていた。魔法も科学も制御できず、誰も手を出せない。
だが、ミアは自分の魔法──“心の旋律”を使い、魔導核と“歌う”ことを選んだ。そこに、リィが加わる。
「我々には、心がなかった。だが、君が与えてくれた音が、確かに内側で響いている」
リィは自らの体内にある高密度演算核を、共振装置として魔導核に接続。ふたりの“調和”が都市を包み、暴走は静かに鎮まった。
都市は救われ、異星人への疑いも解かれる。
リィは言った。
「心とは、存在しなくても、共鳴し合うことはできるのだな」
ミアは笑う。
「調和って、きっと“違うものが響き合う”ってことなんだよ」
ふたりは空に浮かぶ列車に乗り、未来の星々を見つめた。魔法と科学、感情と理論──その交差点に、新たな時代が芽吹いていた。
都市の空には今日も、魔法の光と異星の星々が織りなすハーモニーが漂っている。
人と人がわかり合うには、言葉だけでは足りない。
心の音が、互いに響くとき。
それこそが「共に生きる」ということなのかもしれない。