第45話【リングを駆けるV(ビクトリー)!】
"ついに牙を剥いたオーシャン:ディストート渾身の必殺技!鉄の壁を粉砕するほどの威力で顔面を叩きつけられ、ぽいずんミルクてゃ…もはやこれまでかーーーーッ!?"
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「………カハッ…。」ブシュゥッ!
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〘どうだ!これでは立ち上がってこれまい!〙
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「ヒヒ……ひ、久しぶり…こんなにダメージ…受けたのは…!」
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「(鍛えてるんだけど…細胞とD.B.Mの融合が不完全な私じゃ、精々が危険度Aのディストートと互角レベルの身体能力…。)」
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〘後続の奴らに手柄を取られてはたまらんからな!〙
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「(だから私には…コレがあるんだよね〜♡コレのおかげで…私は…ルリ子ちゃんやアンナちゃんの近くに居られる…♡)」
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「毒の…おかげでね♡」グググ………
\ 8 /
〘な………なんだとっ!?〙
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「言ったじゃん…ポイの勝ちだって♡」グッ…!
"あーっと!立ち上がった立ち上がった〜〜〜!オーシャン:ディストートのダブルパワー・ビッグウェーブ・ライド・ドライブを食らい、あわや敗北かと思われましたが!ぽいずんミルクてゃ、立ち上がった〜!"
〘ば………馬鹿な!〙
「………壊れちゃったね〜…壁♡」
〘…………!〙
「決着つくと思って後先考えず壊しちゃったんでしょ〜?」
〘し…しまった!〙
「思えばリングにいる時…アナタはず〜っと…あの壁の影の部分にポジショニングしてた…スピニングトゥーホールドの時も、ポイの可愛いお顔に座りやがった時も……!」
〘く………そ、それは…!〙
「日光が怖かったの?……いや〜…違うね〜…!」
〘き…気づいていたのか!〙
「アナタは気づいてな〜い♡自分の体に何が起こっているのか〜♡」
〘自分の……?〙
"…ねぇルリ姉、なんかあのディストート…ピカピカじゃない?"
"ん?…お!おぉ!本当だ!オーシャン:ディストートに光沢が…!"
「最初はアナタの羽に挟まれた時…少々の出血から、自分の身体を『コーティング』する分には十分の量を作れたの…だけどアナタに気づかれないようにアナタ自身をコーティングしようとしたら……それをカモフラージュするための出血としては心もとなくて…!」
〘な…なんだ……皮膚が…水分が……!〙
「だから考えたんだ〜…あえて最強必殺技をくらえば、ポイは自然に出血できるし…壁は壊せてアナタを不利にできる…!」
〘な…なんということだ…私は既に貴様の…術中にハマっていたのか…!〙
「種明かしの時間だよ〜♡」
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①オーシャン:ディストートのフォーウィングスクラッパーを食らって出血。
②体外に流れ出た自分の体液で身体を薄くコーティングして濡れないようにする(初対面で『水上の手品師』と名乗っていたことをしっかり覚えていたため、水を使った攻撃に備えた)。
③オーシャン:ディストートが常に壁の影にいることに気付く。
④乾燥を気にしていると仮定する。
⑤壁を壊す&怪しまれないよう、自然にかつ素早く乾燥させる方法を思いつく。
⑥最初の必殺技の炸裂で、「ここで怪我をして出血した」と思わせられる量の血液を出す(自分から出血するより自然なため)。
⑦2回目の必殺技をくらい、鉄の壁を壊す。
⑧壊れたタイミングで徐々に進めていたオーシャン:ディストートのコーティングが完了。
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「ちなみに…アナタの身体をコーティングしているのは『アセトアルデヒド』と呼ばれる有害物質で〜…その特性は〜。」
〘うぐおぉぉ………!〙カサカサ…
「乾きやすくてぇ〜!」
"おっとぉ!?ぽいずんミルクてゃ、崩れた鉄壁の破片を両手に持って〜!?"
「極めて引火しやすい♡」
〘や…やめんか〜〜〜〜〜!!!!!〙
かちぃっ!
VOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!
ドボぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉお!
〘ぐぉぉぉぉぉぁぁぁぁあ!〙
"あ~っとぉぉぉぉお!鉄の破片同士をぶつけ合わせて飛び散った火花から引火ぁ!オーシャン:ディストートの身体が炎に包まれる〜!"
〘貴様ぁぁぁぁあ!毒は使わぬと言ったはずだぁぁぁぁぁあ!〙
「違うよ〜?『毒で攻撃はしない』って言っただけで〜…。」
〘ぐぉぉぉぉぉお………!〙
「使わないとは言ってない。」
ドロドロドロドロドロ…………カチカチカチカチカチカチカチ!
"そして両手の指先から大量の毒の液体を溢れさせる〜!それが次第に爪の形に固まっていくぞ〜!"
「そして爪もね♡毒としては使わないからOK〜♡」
ヒュンッ
「トドメ〜!」
"空高く飛び上がったぽいずんミルクてゃ!そのまま身体を真っ直ぐに伸ばし、ドリルのようにキリモミ回転しながら、オーシャン:ディストート目掛けて、毒を固めて作った鉤爪で襲いかかる〜!"
ギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルィィィィィィィィィイイイイイイイイイイン!!!!!
〘………………な…なんということd〙
「くらえ〜!ポイの完全オリジナル必殺技〜!」
ドズバシュォォォォォォォォオーーーーーーッ!!!!!
「ぴえん・ドライバー♡!」
"(もろパクリだーーーーーーーーーーーッ!?)"
"あーっと!『ぴえん・ドライバー』が炸裂ー!オーシャン:ディストートの身体を大きくエグッたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあーーーーーーーーーっ!"
〘………………ぐほっ……。〙
シュタッ
「………勝ち♡」
\ 1 /
「あ、影狼君〜!」
「紫葡殿!?」
「ダウンカウント要らない〜。」
"オーシャン:ディストート選手〜!返事をしてくださーい!オーシャン:ディストート選手〜!?"
〘………………………。〙
「…………失神KOだよ〜♡」
"影狼!ゴング鳴らして!ポイちゃんの勝ちだよ!"
カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカーンッ!
"ここで試合終了〜!互いにしのぎを削りあった接戦!勝ったのは〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?"
"ぽいずんミルクてゃだ〜〜〜〜〜〜〜!太陽の光を浴びて!勝利のポーズを決めたーーーーーっ!!!!!"
「やったやった〜〜〜〜〜♡」
【瀬戸内海上特設リング・ぽいずんミルクてゃ☆(ぴえん・ドライバー)vsオーシャン:ディストート★】
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〘…………………ん…。〙
「あ、起きた起きた〜♡」
「紫葡殿がいつもの話し方に戻ったでござる!」
「傷深いね…ポイちゃんのス◯リュ………ぴえん・ドライバーの威力が高すぎたんじゃない?」
「絶対間違うなよアンナ。」
〘………なぜだ。〙
「ん?」
〘なぜ殺さぬ。〙
「私たちは〜、USBを持って帰るのが任務で〜アナタを殺したいわけじゃないのです〜!」
〘…………なんだと?〙
「討伐任務なら話は別…だけどポイちゃんの言う通り、今回はあんたからUSBを奪う体力さえ削れればOK。」
〘聞いていた話と随分違うな。〙
「我等は別に殺戮集団ではござらんよ。任務上討伐命令が下れば致し方なしでござるが………共存の望みがあるのであれば命は取らぬでござる!」
「ポイ、久しぶりにとっても楽しかったよ〜!」
「オーシャン:ディストートさんよ……お前、紫葡に感謝するんだぜ?紫葡が最初から毒を攻撃に使ってたら…お前はプロレスの試合すらさせてもらえなかっただろうよ。」
〘………そうか。〙
「というわけで…私たちはもう行くからね。」
〘………あと3人だ。〙
「ん〜?」
〘あと3人、お前達を狙う刺客がいる。〙
「…それ私たちに教えていいの?」
〘………久しぶりに心躍った…試合の礼だ。〙
「…あんたと戦う前にさ、私…リオック:ディストートってやつと戦ったんだけど。」
〘ほう…一本筋の通った奴だっただろう?奴と私は戦友なのだ…。〙
「…あんた達2人は、なんだか嫌いになれない感じがしてさ。本当はこんな感じで分かり合えたら…それが1番良いんだよ。じゃあね。」
「一本筋が通ってるやつはだいたい強いからな!怪我治ったら、今度はアタシと力比べしてくれや!」
〘………………もちろんだ。〙
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《再びクルーザーで海を行く一行》
「……………うぇ…。」
「雪蘭は船酔いと蚊帳の外のダブルパンチで立てないって。」
「みたいだな。」
「ごめんね〜雪ちゃん〜…。」
「早く………陸に…上がりたオボボロロロロロロロ!」
「うわぁ!雪蘭が吐いた!ちょ、大丈夫!?」
「あ〜!ルリ子ちゃんどーしよー!」
「ちょっと止めるから海に吐け海に!」
「ルリ子殿!拙者、こういうこともあろうかと袋を大量に持ってきてござる!」
刺客を退け、クルーザーで陸地を目指す一行!果たして残りの3人のディストートからUSBを守ることはできるのか!?
☆次回予告☆
愛知県は名古屋に上陸した一行!
地元に立ち寄った紫葡は何を思う………。
───次回!
第46話
【バディ】
シリーズ過去最強の敵、襲来───────!




