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第34話【女子4人で大阪ウロつくんだっつーだけの話】

《7月2日(火) PM16:40 渋谷109》


『ライミさ〜ん、着ました〜?』


『う、うん!え~っと…今まで着たことないタイプの服だから不安だなぁ…アハハ。』


『大丈夫です!ライミさん美人だから何着ても似合いますッ!』


『そ…そうかな〜。じゃあ開けるよ。』


『どうせなら満面の笑みで!』



                   シャッ



挿絵(By みてみん)



『ライミさんと〜っても可愛いですぅ!』


『そうかなぁ…じゃあ買っちゃおうかなぁ!アハハ!アハハハ!』


『アンナちゃんにも見せましょうね!ライミさん!』


『うん、そうだね…アンナちゃん、今ごろ何してるのかな〜?』


『そうですね〜。あとドラちゃん…1人で大丈夫ですかね…。』


『う…うん…本部に呼ばれて…一応連絡はあったんだけどね。意地悪されてないと良いけど…。』
































《7月2日(火) PM17:44 大阪府沿岸部某所》


「よっしゃあー!大阪だぜ!」


元気よく両手をグーにして上に突き上げ、ルリ姉が大声で叫ぶ。


ここは大阪のとある沿岸部、人通りの少ない場所だ。


『ルリ姉ハシャぎすぎ…約1名もう限界なんだから。』


私も船から降りながら休憩室を振り向く。弱々しく壁に手をついて現れたのは…


〈…オェ………ぷひゅ………〉


完全にグロッキーになった雪蘭と


{大阪大阪〜♡}


誰よりもワクワクしているポイちゃんだった。


船を降りて4人で横一列に並ぶ。

誰が指示したでもないが、同じ位置に立って見つめる先には、日本の台所・大阪の街が……























まだ見えない。


そりゃ沿岸部だもの。



「………とりあえずホテル行くか。」


『そうだね…荷物置きたいしちょっと寝たいし。』


{お菓子とか買って入ろうよ〜!}


〈カヒュ………ヒュー………ヒュッ……あぱぅ………。〉
























《7月2日(火) PM20:00 ホテル》


『………お高いホテルだ。』


「ちなみにアタシら以外誰も客いねーからな。」


〈貸切…………。〉


{なんでいっつも貸し切るのかな〜?ウチの組織〜。}


『存在自体が国家機密だから細心の注意払ってんでしょ。』


「だからってちとやり過ぎだがな。」


〈貸切…………。〉


『4人で同じ部屋だっけ?』


「おう。最高級のスイートルームだぞ。」


{凄〜い!億万長者みた〜い!}


「アタシとオマエは長者番付載ってただろうが。」


『え、ルリ姉とポイちゃん長者番付に載ってんの?』


「…まあ日本人のランキングだけどな。オマエもΩランク正式に名乗ればすぐこうなるぞ。」


『…なるほどね。国家機密の秘密結社で切り札的存在にもなれば、国も最大限のお給料を出さざるを得ないってことか。』


{表向きには海外で起業してることになってま〜す。}


〈貸切…………。〉










《そして室内…》


『今何時…?』


{21時前だねぇ〜。}


「眠たいか?準備は明日にして今日はもう休んでいいぞ。」


〈…スー…スー…。〉


めちゃくちゃ眠い…昨日と今日とで休むことなく2連戦…私が戦ったわけじゃないけど常に気は張ってたから。

あと精神的にも…色々疲れた。


『ん〜…眠たい…寝るゅ………。』


「疲れたよなwゆっくり休めよな…。」


{にゃははw2人ともオネムで可愛いね〜w}


『………………。』


「…寝ちまったな。」


{仕方ないよ〜…ここまで色々あったんだから〜。}


「さて、アタシらはこれからの予定を立てっか。今回の任務は10日以内に東京に戻ることが絶対条件だ。恐らく刺客はこれからまだまだ増えるし強くなる…アタシとオマエの協力は必要不可欠だぞ。」


{も〜っちろん。下手したら危険度Sのディストートも出てくる可能性あるもんね〜。}


「組織の決めた危険度は規定のルールに基づくモンだからな。危険度内でも強さの振れ幅はバラバラだ。同じSでもアタシらなら難なく倒せるヤツもいれば…。」


{下手したら全滅しかねないような怪人〜……出てこないと良いけどね〜。}


「…オマエが語尾伸ばさなくなったら警戒するわ。」


{にゃはは…そうならないと良いけどね〜。}

























挿絵(By みてみん)



《7月3日(水) AM8:00 ホテル最上階・VIPルーム》


「よ〜し…飯行くかぁ…。」


大あくびをしながらルリ姉がドアを開ける。

服はバッチリかっこよく決まっているのだが、如何せんめちゃくちゃ眠そうなので覇気は感じられない。


{お化粧あとでで良いや〜…どうせポイ達だけだもんね〜。}


うしろからポイちゃんがついてくる。

こちらも服は決まっているのだが、髪の毛のセットと化粧が済んでいない。


『化粧要らないってば2人とも素材がいいんだから。』


「アタシは化粧しねーよ。」


{特大ブーメランだねアンナちゃ〜ん…ふわぁ。}


『雪蘭…は、起こさなくていいかな?』


そう言いながら部屋の方に目をやる。


そうなのだ。


雪蘭はまだぐっすり寝ている。よっぽど疲れたのだろう。

無理な船旅で心身ともに一番疲れてたからな…こればっかりは仕方ない。

無理に起こすのも可哀想だし。


『ルリ姉の特大アラームでも起きないとは…。』


{明日からルリちゃんと別の部屋がいい〜。}


「悪かったよ………。」


寝起きで少しイライラしているであろうポイちゃんのニコニコ顔が昨日までのディストート達よりも恐ろしかったのは触れない事にして、私達は朝ごはんに向かう。


無論、貸切で宿泊しているのだから朝ごはんも私たち以外の人はいない。


と言うか普通、こういうホテルの朝食ってバイキングじゃないのか?


席に座らされたんだけど…?


『…バイキングじゃないの?』


「…二つ星シェフが作るフルコース式らしいぞ。」


『朝からそんなに食えないよ…。』


「安心しろよ残したらいつもみたいにアタシが食うから…。」


{食うって言い方やめよ〜?女の子なんだから〜…。}












《そして45分後………》










『いやー…全部食ったね。』


「全部食ったんかい。」


{全部食ったんかい〜。}


〔全部食ったんかい。〕←?


「お前誰だよ。」


『トマトスープが美味しかったね…。』


美味しかったな…量もちゃんと寝起きでも食べられるように考えられてた。

バランスもいいし、何より料理が出てくるタイミングが完璧だった。


『何円って書いてる?』


「17万5千。」


『ライミちゃんの手取りくらい。』


{アシスタントさんってそんな低いの〜?}


「言ってやんなよ………。」








《AM9:10 ホテル最上階・VIPルーム》


「戻ったぞ〜………お、おぉ!起きたか雪蘭!」


挿絵(By みてみん)


『萌え袖だ。』


{キャ〜♡雪ちゃん萌え袖可愛い〜♡}


〈……………お腹すいた。〉


「え………。」


〈お腹すいた………ごはん…行こ…?〉


{……………ルリちゃんが悪い〜。}


〈ここ…朝ごはん…有名だって………昨日…調べた。〉


『……………うん。雪蘭あのね。』


〈……………?〉


これは起こさなかったルリ姉が悪い。

軽く睨みつけながらルリ姉の目を見る。

それで悟ったのか知らないが、ため息をついてルリ姉が口を開いた。


「………(わり)ぃ。今食ってきた…。」
























《7月3日(水) AM9:35 ホテルロビー・玄関前》



いってらっしゃいませ!お客様!



『ルリ姉の全奢りね。』


{ルリちゃんがんばって〜。}


〈…………………!〉ギロリ


「………わーったよ…。」


朝からギクシャクしてしまった…ポイちゃんは機嫌良くなったけど今度は雪蘭が怒っている。


意外と食い意地張ってる子なのだろうか。

そう言えば新幹線の中でも弁当4つ食ってたな。


この空気耐えられん…よし。


『…なんか音楽流していい?』


「お〜…明るいやつで頼むわ。」


『これかな…旅立ちにピッタリなぁ〜?あの曲。』



てけてけてん!


とぅっとぅる♪とぅっとぅる♪

とぅとぅる♪とぅっとぅっとぅる♪


びょ〜んびょんびょん♪びょ〜んびょんびょん♪

びょんびょんびょん♪びょんびょんびょんびょん♪


〈…Come And Get Your Love…。〉


『!』


「詳しいな雪蘭。RedBoneがわかんのかよ。」


〈これ好き………。〉
























☆次回予告☆


タイトル詐欺になってしまった今回!

次こそは大阪の街をブラリするぞ!


次回

第35話

【女子4人で大阪をアレするっつー話】


はい、あの〜。

アレします。

【設定を語ろうのコーナー⑰】


☆デイ・アフターマン


《概要》


行間に現れては夜が明けた事をお知らせする謎のスーパーヒーロー。

次の日だってんだバカヤロー

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