第33話【SMOoDOを背負った女】
今回もキャラ毎に『』←を変えております。
『』→アンナ
「」→ルリ子
{}→ポイ
〈〉→雪蘭
です
よろしくお願いします。
最強
最強ってなんだ?
アタシは何時も考える。
最強ってなんだ?
いやまあ、言葉通り取るなら【最も強い】ってことだろうよ。
そんなことガキにだって分かんだ。
アタシが言いてぇのあ、そーゆー事じゃあなくてだな。
【最強っつー者の存在する意味】の事な。
周りの奴らはさ、良く言うんだよな
流石ルリ子さん!
頼りにしてますよ!
組織最強の名は伊達じゃないですね!
そん時に何時も思うんだよな…
アイツ等にとってアタシは【最強】だってんなら
アタシにとって【最強】は何なんだってよ。
アタシがSMOoDOという組織の中で最強である理由ってのゎさ。
最近よー。
それがなんとなくだけどよ
分かってきた気がすんだよ───────
《7月2日(火) PM12:17 太平洋側海上》
「大型ディストートか…ここまでデケェのは久しぶりだな!」
{ポイが闘ろうか〜?}
「いや、戦闘よりも先ずは…」
ガシィッ
ぐおんっ!
「お前らとクルーザーだぜッ!」
次の瞬間─────
ルリ姉がクルーザーの手すりを掴んだかと思うと、そのまま片手で正しい向きに整える。
空中で逆さまになっていたクルーザーは見事、船底を下向きにして海にもう一度着水、私たちも海に落ちることなく、クルーザーの上に着地した。
「お前ら大丈夫か!?」
『なんとか…私とポイちゃんは大丈夫!』
{ルリちゃん凄〜い!}
〈ごぽ…げろぉ……………………………。〉
「雪蘭はダメそうだな…アンナ!」
『はい!』
「いったん皆と船内に入れ!中にD.B.M発生装置を起動するためのボタンがあるから押せ!」
『わ…わかった!』
ルリ姉の指示通り急いで船内へ。
後に続いて雪蘭をおんぶしたポイちゃんも入ってくる。
『D.B.M発生装置…これだ。』
{博士が作ったディストート避けみたいな感じってことかな〜?}※第15話参照
「今だアンナ!ボタンを押せ!」
『うん!』
ポチッ
『……………え?起動したの?』
…無音だ。ボタンは確かに押した。
だけど何か音がするわけではなく、振動とかそんなのがあるわけでもなく。
辺りには静寂が訪れる────
〘NNNNBOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOーーーーーーーーッ!!!!!〙
じゅじゃっぽぁぁぁぁぁぁぁぁぁあんんんんんんん!!!!!
『うわっ』
「たまんねぇだろ…お前らディストートには…よぉ?」
{ビックリした〜!}
「クルーザーを中心に半径500mにまで広がるD.B.Mの波動だぜ…博士曰く範囲にコストを割いた分、D.B.Mそのものの量は生き物や環境には何の影響もないらしいが…それでもテメーらディストートには効くだろうぜ!」
『やった…反応が離れてく。このまま逃げながら大阪に』
「いや、それじゃあダメだ。」
『え?』
「それじゃあアイツはずっと追ってくる。だったらヨぉ〜…ここでぶっ飛ばしたほうが良いなぁ!」
『え、ルリ姉アレと闘うの…?』
「ったりめーだろ…お前らは絶対アタシが守ってやるっての!」
そう言いながら、巨大ディストートが消えた方向の大海原に顔を向けるルリ姉。
反応が消え、静かに揺らめく水面を遠く見つめながらニヤリと笑っていた。
《30分後 船内》
『………ナニこの服、下にそんなの着てたの?』
「戦闘服だ!動きやすいんだぞ!」
『今付けた首のチョーカーは意味あんの?』
「かっこいいじゃねーか。」
『ああそう…。』
あれから30分…大型ディストートの襲撃はない。レーダーにも反応なし。
だけどルリ姉が言うには絶対にまた襲ってくるらしい。
まあ、確かにそうだよな。
あっちは【刺客】なのであって、目的は私たちが福岡基地に行くのを阻止することであって。
それに備えてルリ姉が戦闘服に着替え、次なる襲撃を待つ…って感じが今の状況。
{ルリちゃんかっこいい〜!}
「へへへ…だろ////」
『ルリ姉可愛い。』
ウルフカットのカッコいいお姉さん…傍から見たルリ姉の印象なんてそんなもんだろう。
ところがどっこい、ミニスカート履いたって体操服着たって様になってしまうのだから、この人は凄いのである。
やっぱり突き抜けた美人は何やったって華があるのだ。
「ま、そう言うわけだからよ…D.B.M発生装置は切っていいぞ。ボタンもう一回押したらOFFモードになるからよ。」
『わかった…ホントに1人で大丈夫?』
「ったりめーだろ!アタシは【最強】だからよ!」
《10分後 船の看板》
最強ってなんなんだろーな。
さっきよ…アンナに言ったけどよ。
最強ってなんなんだろーな。マジで。
ずーっとよ、考えてたんだアタシ。
そしたらよ、最近なんとなーくだけどな
答えが出たっぽいんだよな自分の中で。
それってーのがよ…………お?
〘NNNNBBBBBOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOoooO!〙
「来やがったな?グッピー野郎!」
D.B.Mが無くなったってんで馬鹿みてーに突っ込んできたなグッピー野郎…
「つーかよォ!ここは海だぜ!」
〘NNNNBBBBBOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOoooO!!!!!〙
おーおー…頭から突っ込んできたぞこの魚。
そのまま口から覆い被さって丸呑みにしちまう気だな?
悪ぃけどよ…この船には後輩2人とよぉ。
世界一可愛い妹分が乗ってんだわ。
あ〜…最強ってなんだって話の続きな?
最強ってのはよ、トップなんだよな。
テッペンなんだよ最強ってのは。
だからよ。最強ってのが簡単にやられちまったらよ、下の奴らも舐められちまうんだよな。
それゎよ。
絶対に駄目じゃねぇかって話でよ。
可哀想じゃねぇかよそんなのよ…だからアタシは決めたんだ。
SMOoDO最強って肩書きを背負ってやるってよ。
アタシが負ける時は組織が負ける時だ。
アタシが舐められる時は組織が舐められる時だ。
アタシが弱いと思われたら…それこそSMOoDOは弱いと思われて襲撃されて皆ヤラれちまう。
だからよ…それは絶対にダメだろうよ…
【最強】ってのはよ…
【全部守る】ってことだ
【SMOoDOを背負う】ってことだ!
〘NNNNBBBBBOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOoooO!〙
「グッピーゎよぉぉぉぉオーーーーーーッ!」
〘NNNNBBBBBOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOoooO!〙
「淡水魚だろぉがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
ヒュッ
キュインッ
ドッッッッッ!
「このまま蹴り上げてよぉ〜〜〜〜〜〜〜…」
ミシミシミシミシ
メキメキメキメキ
「地球の外まで飛んで行きやがれぇぇぇぇぇぇえ!」
どぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうううううーーーーーーーッッッッ!!!!!
NNNNBBBBBOOOOOOOOOOooooooooooooo………………
キラーン
{うぇぇぇぇぇぇぇえ〜!?お星様になっちゃった〜!?}
『あんなデカいの…やっぱりルリ姉凄い…!』
〈…うおー……………………………。〉
「へへへ…良く飛んだじゃねぇか!」
着地したルリ姉がニヤニヤしながら船内に入ってくる。
スカーッとしたようで、スッキリとした表情だ。
「よーし…刺客は倒した!このまま大阪まで突っ走るぜ!」
{お〜!}
『りょーかい。次の刺客が来る前にね。』
〈雪蘭は…早く……船降りたい…………オェ…。〉
「そうだな、雪蘭。もう少し頑張れよ!」
そう言いながらルリ姉がクルーザーのエンジンレバーを引く。
ドゥルルルルルルルルルと音を立ててクルーザーが動き出す。
「よっしゃあ行くぜ!商人の国、大阪だ!」
(アタシにとって…今回の任務最重要ミッションはUSBじゃねぇ。アンナやコイツらを無事に帰してやることだ。)
「それが最強ってことだ!」
『え?大阪に行くことが?』
「ちげーよバーカ////」
☆次回予告☆
大阪、上陸!
ここは日本の台所…次なる戦いに備え、暫し休憩!?
次回
第34話
【女子4人で大阪ウロつくんだっつーだけの話】
久しぶりの非戦闘回です。
【設定を語ろうのコーナー⑯】
●グッピー:ディストート
◯体長…100m
◯体重…9000t
◯危険度ランク…B
《備考》
大阪へ向かうUSB捜索チームの前に現れた巨大なディストート。グッピーだが海に現れ一向に襲いかかった。
Bランクのため、戦闘力は高い方だったと思われるが、ルリ姉が瞬殺したため詳しいことは不明。




