第22話 マッサージ
シャワーを浴び終える頃になると、私はすっかり体が火照っていた。
「気持ち良かったね。はい、これどうぞ」
シャールは私を労うためにコップに注がれた牛乳を差し出してくれた。
「あ……ありがとう」
私はお礼を一言述べて、腰に手を当てながら牛乳を一気に飲み干していく。
冷たい牛乳が胃袋を満たしていくのを感じ取れる。
(ふぅ、美味い)
そんな様子をシャールは横目で見ていると、彼女は興味深そうに手を伸ばしていた。
「シャワーの時に実際見たけど、君の胸は意外と大きいねぇ」
至福の時を邪魔された私は思わずコップを床に落としそうになってしまった。
コップは上手くシャールがキャッチして、私は彼女に対して文句を垂れていた。
「いきなり人の胸を触るなんて非常識だぞ!」
「ごめんごめん、つい触ってみたくなってね。じゃあ、こっちを触ってみようかな」
シャールはコップをテーブルに置くと、今度は私の長耳を触り始める。
最初は嫌悪感しかなかったが、マッサージするような一定間隔で揉み解す感じは段々と気持ち良くなっていく。
「どう? なかなか気持ちいいでしょう?」
「別に……普通」
ここで素直に気持ち良いと答えたら、何だか負けた気分になるので私は平常心を保ちながら答えて見せた。
「おかしいなぁ。大抵の子はこれで気持ち良い筈なんだけど、それじゃあ少し本気を出してみますか」
意地を張ったばかりに、これが私の選択ミスだったと後悔する。
シャールは気合を込めて私の長耳を極限まで揉み解すような手つきで、これでもかと言わんばかりに感度が爆上がりしていく。
思わず、女の子みたいな声を上げてしまう私は彼女に屈してしまった訳だ。
「あらあら、可愛い声を上げちゃって。もっとおかわりが欲しいの?」
私はもういらないと答えようとしたが、爆上がりている感度のせいで上手く言葉を発せず首を横に振るのがやっとだった。
それはシャールも目にして私が何を訴えかけているのか分かっている筈なのだが、彼女は意地悪な笑みを浮かべる。
「ふふっ、欲張りさんね」
気分が乗ってきたのか、シャールはさらに長耳を揉み解して私の反応を楽しんでいる。
「そこ……ダメ」
余りにも全身から感度が込み上げて来る感覚に溺れた私は意識が段々と遠退いていく。
「少しやり過ぎちゃったわね。でも、女の子みたいな反応が見れて私は満足よ」
シャールが手を離すと、彼女は私が感度に溺れて流した涙を拭いてベッドまで運んでくれた。
それ以降の事は完全に気絶してしまい、何も覚えていない。
私の意識は闇の中に深く堕ちてしまった。




