1.悪の開花
書いたんで良かったら読んでいってくださいな
めっちゃ痛い主人公になりそう
ある有名なゲームがあった。
そのゲームは絶大な人気を誇り、世界中でプレイされていた……というわけでも無く、ある一定の物好きな者だけがプレイしていた。膨大な量のクエスト、そのクエストの一つ一つにしっかりとしたストーリーがあった。
圧倒的な自由度を誇るゲーム、剣や魔法や高度な科学技術がある世界をまるまる一つ創造しその世界を舞台としたゲーム。
残念な点があるとしたらそれはメインクエストのストーリーだろう。
王道、普通、よく見た展開。
主人公が正義となって悪を討つという何の捻りもない物語。
これは、そんな世界に”化け物”が誕生した物語。
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「取り消しなさい…そしてその脳が入っていない頭を地に着け謝罪しなさい」
桜が舞う巨大な学園の門の少し先に人だかりが出来ている。
「…」
よく見ると人だかりの中心には二人の男女がいる。
女の方は手のひらを男に向けゴミを見るような目をしている。
対して男の方は膝をついて片手で体を支えており何も言葉を発しない。
女は苛立ちを隠そうともせず怒気を多分に含んだ声を出す。
「黙ってれば見逃すとでも?…手加減したのだけれど…アナタには強すぎたかしら?」
女はわざと煽るように言う。
「…」
だが男はまだ黙っている。
黙って体制を崩さず静止している。
周りの野次馬からはコソコソと話声が聞こえてくる。
『あれって先輩だよな?』『二年と新入生が喧嘩とかマジかよ』『おいあの黒髪の女って”皇殺し”の娘だろ?』『うわっ、また噛みついてんのかよあの”隻眼の熊”』『アイツが膝着くって相当だぜ』
様々な話が出るなか、未だ男は動かず。
女のイラつきが増す一方
この動かない男は今、何を思っているのか…
(頭いてぇ…)
読んでくれてありがとう