家族との再会
「お父さん、お母さん、ただいま」
「おかえりなさい、エミリア」
「大丈夫だったかい?」
「うん、ぼちぼちやってるよ」
エミリアは、久しぶりに、実家に戻っていた。
「そういえば、ダグラス君にはもう会ったの?」
「いいえ。ダグラスがどうかしたの?」
ダグラスというのは、エミリアの同い年で幼馴染の男の子だ。
明るくて、元気な好青年で、エミリアにとっては兄みたいな存在だった。
エミリアが聖女になってからは、手紙のやり取りとかもしていなかった。
一応、王子と婚約中の身だったので異性とやり取りをするのは憚られたのだ。
「ダグラス君ねえ、騎士になって、今は辺境都市で頑張っているみたいよ」
「ええ!そうだったの!会いたいなあ」
王都にしか、友人知人がいないと思っていたけれど、実はそうでもなかったらしい。
「ダグラス、久しぶりね」
「ああ、エミリア」
話に聞いていたが、本当にダグラスがいるとは思わなかった。
左遷されてしまったことを謝ると。
「別に君のせいじゃないよ」
「あ、ありがとう」
温かい言葉をかけてくれる人のためにも、前を向くために復讐をしようと改めて決意した。
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