短編 40 植木鉢に植えてみた
なんかサラッと書けました。
今回の百本ノックで一番カッキーンしたのが、このお話です。
こういうの書けたんですねぇ、自分。
植木鉢に植えてみた。
種を3つ植えてみた。
ひとつだけ生えてきた。
「うにゅー!」
それは鳴いた。
マンドレイクだった。
「うにゅ?」
可愛いので育ててみた。
毎日水をあげ、肥料もあげてみた。
「うにゅー!」
マンドレイクはすくすくと大きくなった。
大きくなって……。
逃げ出した。
植木鉢では満足出来なかったようだ。
悲しみに暮れる日々が続いた。
なんとか持ち直したので、また種を植えてみた。
今度は二つの植木鉢。
「よう、旦那。これからよろしくお願いしやすぜ」
「うにゅー!」
なんか二つ生えてきた。
マンドレイクと……マンドレイクっぽくないの。
「おおぅ。たまんねぇですな」
「うにゅー!」
水をあげて、肥料もあげてみた。喜んでいるように見える。
マンドレイクとマンドレイクとは言えない何かは、すくすくと大きくなった。
「旦那、お世話になりやした。自分は故郷に帰るために旅に出なくてはいけやせん。どうかお体を大事になさってくだせぇ」
「うにゅ!」
マンドレイクとマンドレイクモドキは去っていった。
植木鉢には大きな穴が開いていた。
そういうことなら大丈夫。
きっと何処かの空の下。
あの鳴き声が響いてる。
「おおぅ。たまんねぇですな」
それじゃない。
「うにゅー!」
うん、これだ。
今回の感想。
しっくりくる。多分これがサーモンの感性そのものっぽいです。