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図書室の天使  作者: DN
2/3

気になるあの子は

続きです。

ぜひ楽しんで下さい

あれから私の担当日が終わったこともあり、一週間ほど過ぎたが。

「どうしよう…。」


再び担当の日……ではなく、栞が気になって図書室に寄ったらまだ天使の栞があった。

あれから取りに来ていないらしい。

こっそり覗いても天使がいた日なんてなかったし。


「でも普通本読んでいたら、ないことに気付くはずだよね…。」


きっと毎日来てたのに、しばらくは来なくなったのかもしれない。


「うぅ…次の担当は来週だし…。きっと嫌われたのだから、私の日に来てくれる保障もないしなぁ。」


でも読書家の天使は困るよね…?

いつかは取りに来るかもしれないけど…一週間も来ていないようだし…。

えぇい!!こうなったら探そう!!

あの天使の容姿だから、絶対分かる!


それに名前が近衛さんってのも分かるし!!

そうだ、委員会の後輩にも探してもらおう。

それで海未にも手伝わせてやろう!


早速二人に連絡して天使探しを始めた。

きっとすぐに見つかるはず。だってあれで目を奪われないなんてありないし!


…………と思ったのはいいんだけど。


『近衛さんという超美少女はいないっす。』


後輩からのメッセージで絶望した。

だって一年でいないわけでしょ?同じ二年でも近藤さんを見たことがない。


あれだけ美少女だもの、いたら真っ先に見つけてるわ。


『恵那ー、あの子いない。』


うん、知ってた。

海未の阿呆にはこれっぽっちも期待なんてしてなかった。


『でも私のクラスに近衛さんっているけど、さすがに違うと思うよぉ。』


なんですと?

私と海未はクラス違うし、知らない人がいて当然なんだけど…。

いや待て、名字が同じだけなんじゃ…。



「あぁもう!!行こう!」


違うと思う。

でも私はそう半ば確信していても動かずにはいられなかった。


それほどあの天使に飢えているんだ。

それほどあの天使に魅せられているんだ。


___

二年二組。

ここが海未のクラス。


「海未は…いないっぽい。」


このクラス、あんまり知り合いがないんだけどなぁ。

海未の阿呆め、どこほっつき歩いてる。


「あれ、恵那じゃん、どうしたん?」


「あ、久しぶりー。」


運がいいことに去年同じクラスでそこそこ仲良かった子がいた。


「海未いる?」


「あー海未ね、ついさっき課題未提出で呼び出しくらってたよ。」


何してるの、あのバカ。

とっさにここに来る口実に海未を使う私も私だけどさ。

課題やらないとかバカなの…あぁ海未はバカだったわ。


「そっかー海未いないの……ん?」


「恵那?」


どうしてか分からない。

けれども、視界に入った。


「あの子って……。」


「あー、近藤さん?彼女がどうしたの?」


見つけた、あの子が海未の言っていた近藤さんだ。

海未の言うとおりだと違うらしいけど。

私の天使は超美少女で、海未も実際に見ているのだから。

そして実際見る近藤さんは、真逆だった。


三つ編みにメガネ。

前髪も長めで、いかにも大人しそうな真面目な少女。

顔は……俯いているからちょっと分からないけど。


「あー、ちょっと気になって。」


「あれ?近衛さんと接点あんの?意外すぎるんだけど。」


「あ、いや、そうじゃなくて。珍しいというか…なんかこう、今までいなかったタイプというか。」


うーん、やっぱり違うのかな。

顔はともかくさすがに雰囲気が違いすぎる。


「あー分かるわぁ。今時おさげちゃんに丸メガネっていないもんね。ちょっと一瞬恵那が知り合いかと思ってドキリとしちゃった。」


「なんで?」


「近衛さんって、授業以外で喋ってるところ見たことないから。」


あー、雰囲気通りの人ってことかぁ。

でも……なんでだろう、すごく気になる。

なんというか………。

「見たことあるような…。」


「え!?話すところを!?」


「あ、違う。なんか分からないけど、近衛さんのこと…見たことあるような気がする。」


「学年同じだからじゃない?あれはあれで特徴的だから目立つし。」


そう、なのかな。

目立つのはその通りだから、すれ違ったこととかで覚えてるだけなのかな。


…………気になる…………。

すごーく気になる。


「そうだ、恵那。今日さ、委員会もないから暇だよね?適当に面子揃えて、久しぶりにカラオケ行かない?」


「あ、それ絶対楽し……っ!」


気のせい………?

一瞬視線を感じた気がしたんだけど。

それも…確証はないけど近衛さん辺りから。


なんだろう。

この一瞬の違和感を無視してもいい…かな。

………うん、決めた!迷うくらいなら行動しよっかな!


「行く……と言いたいけど、急遽委員会の担当今日だけ代わってあげたんだ。だから今日は放課後は図書室に行かないと。」


「えー熱心なこと。そんな委員会、サボっちゃえばいいのに。」


「それこそチクられたら面倒だから、行きますよっと。最近は面白そうな本もたくさん入荷したらしくて。本好きな人には堪んないらしいよ。」


「恵那って本読むタイプだったっけ。」


「違うけどね。ただそれだけ最近やることあってサボれないの。とにかくごめん、そういうことだからさー。あ、海未にはこのこと黙っといて。この間、仕事の途中なのに突撃されて怒られたのだから。」


「はいはい。」


「カラオケはまた今度行こう。そろそろ時間だし、戻るわー。」


用件が済んだので、海未のクラスを離れて、自分のクラスに戻る。

さて、今の会話…咄嗟に嘘をつくことにしたとはいえ、違和感は少ないと思う。

嘘とは勿論、委員会の仕事を代わったこと。予め代わったわけではないし、なんならこれから伝える予定。


これならきっと何の疑問も持たずに、友達は納得したはずだ。

そして彼女にも間違いなく聞こえたはずだ。

そして理解したと思う。

これは、近衛さん宛のメッセージであるということを。

私が彼女と話したがっていることを。


根拠はないけど、私は確信していた。





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