54 侵略
「サザン様、お久しぶりです」
俺は年を取らないことについて相談するため、ガルデに会うことにしたのだった。
「それにしてもお若い」
「若いというか年を取っていないんだコレが」
「……え?」
ガルデは俺のその言葉を聞き驚いている。つまりガルデにも俺が年を取っていない理由はわからないということだろう。
「俺も理由はわからないんだ」
「そうなのですか……。私もそのようなことは聞いたことがありませんね」
やはりガルデも俺のこの状況についてはわからないようだった。箱庭が何か関係しているのでは無いかと思ったが、ガルデが知らないという事は前例も無いのだろう。
その後も二人で情報を探したが、それらしい情報を見つけることは出来なかった。
「ガルデ! 外が大変だよ!!」
部屋に飛び込んできたのはリアだ。あれから十数年が経ったため相応に成長している。幼かった顔立ちからはあどけなさが抜け、身長も伸びた。体つきも大人びており、俺だけが時間の流れから取り残されてしまったかのようだった。
「リア様、いったい何事なのですか?」
「また来たんだよ……デオスが!」
「デオスだって!?」
あの時基地を破壊してから一切気配の無かったデオスが、何故今このタイミングで……。
やっと地上に戻れたというのに、この状態で襲われれば今度こそ文明が終わってしまう。そんなことはさせない。させられるはずが無い。
俺たちは急いで外へ出た。
外へ出て空を確認する。そこには母衛星がいくつも向かって来ているのが確認できた。
それだけでは無い。遠くの方に以前破壊した基地よりもさらに大きい何かが複数確認できたのだ。明らかにあの時とは違う戦力だった。
まず間違い無くヤツらは決着を付けに来ている。そう実感した。そうでなければこれだけの戦力を出してくるはずが無い。
俺は思わず飛んだ。
「サザン様!」
「サザン!!」
ガルデたちが叫んでいるが、そんな余裕は無かった。いつヤツらが攻撃を開始するかわからない以上、少しでも早く破壊する必要がある。
俺は地上に影響が出ない所まで飛ぶと龍転身を行った。いつのまにかこの痛みにも慣れた。
緋色石で出来た頑強な体に、どんなものでも破壊出来そうな特大の主砲。十数年ぶりに緋艦龍の姿へと変わった。
主砲から魔力砲を放ち母衛星を破壊する。ヤツらに攻撃される前に先に攻撃を行う。それしか地上を守る手段は無い。
見える範囲の母衛星を全て破壊し尽くした時、遠くにある基地から光の線が放たれてしまった。避けるだけなら簡単だ。だがそれでは地上に大きな被害が出てしまう。
どうするべきか考えていた時、地上を守るように魔力の壁が張られ光の線をかき消したのだった。
『少しの間だけだけど、地上は私が守るから! サザンは攻撃に専念して!』
どうやら魔力の壁はリアが張ったものだった。
「ありがとう!」
守りは彼女に任せ、俺は攻撃に専念する。彼女の負担を減らすためにも、攻撃される前に破壊し尽くすのが最善だ。
基地に向かって魔力砲を放ち続ける。あの時の基地には魔力砲が通用することはわかっている。今の俺の主砲であればあの距離でも届く。
一つ、また一つとデオスの基地は減っていく。
そして最後に、一際大きな基地だけが残った。
目に見えて大きな基地。明らかにあれがヤツらの本拠地であることは目に見えて分かった。
あれさえ破壊すれば俺たちの勝ち。そう考えると気が高ぶる。鼓動は速くなり、全身を濃い魔力が巡る。
何をしてくるかわからないため一発で決める。主砲へと全魔力を注ぎ込み魔力砲の準備を進めた。
この一手が命運を分ける。
正真正銘最後の戦いだ。




