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大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる  作者: 遠野紫
次元迷宮

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43 自暴自棄

「そんな……」


「乱暴になってしまいすまなかったな」


 ファルは簡単にルネアの腕を振りほどき、自由の身となった。今までナイフを突きつけられていたにも関わらずルネアを気遣う余裕すらある。


「ふふ……私、何もかもうまくいかない。ならもう、いいか」


「気を付けてサザン! 彼女、自爆魔法を使おうとしてる!!」


「なんだって!?」


 魔力感知に優れたメルが、ルネアが自爆魔法を使おうとしていることを伝える。しかしルカたち勇者パーティーは少し遠くに居るため、防壁魔法と耐性魔法を使うにも届かないうえに時間も無い。

 

「……なあルカ。私たちは自力でここまでたどり着いた。勇者の力が無くたって、ここまで共にやってこれた立派な勇者パーティだ。そうだろ?」


「……レイス?」


「そうだな。ルカが勇者じゃないって知った時は少し驚いたが、考えてみればそれでもここまでやってこれたんだからそりゃもう勇者パーティと言って良いだろうさ」


「バルドも……二人共急にどうしたんだ……?」


「だからさ、ルカ。お前は誇って良いんだ」


「ああ、お前は立派に勇者してたぜ」


 レイスとバルドは全力で俺の方へとルカを突き飛ばした。


「サザン! ルカを頼んだ!」


「私たちの気持ち、しっかり守ってよ!」


 ルカは俺の魔法の範囲内にまで突き飛ばされており、このままそこにいれば助かるだろう。だがルカはレイスとバルドの方へと向かおうとした。


「駄目だ! レイス! バルド!」


「すまない、許せ!」


 ランは魔法の範囲内から出ようとしたルカのうなじに手刀を当てる。突き飛ばされた拍子に奇跡的に装備の一部が外れてうなじの辺りが無防備になっていたため、無事に気絶させることが出来た。


「ありがとう……ラン」


「ルカのことをよろしく頼んだ」


 刹那の後、辺りは真っ白な光に包まれた。エルフの魔術師が全生命力を代償に放つ一撃は、レイスとバルドを一瞬で蒸発させる。この瞬間をルカが見ていないのが、せめてもの救いだろう。


 光が収まった時、勇者パーティはルカしか残っていなかった。勇者パーティは壊滅したのだ。


 とは言え危機はまだ終わっていないため、安堵するのはまだ早い。あれほどの威力の爆発が起こればダンジョンだってただでは済まないのだ。

 俺たちはルカを抱えながら急いできた道を戻った。道中魔物が出てくることもあったが何故か動きを停止しており脅威にはならなかった。それでも崩れる速度の方がだんだん速くなっていき、とうとう通路が崩落して閉じ込められてしまった。


「道が!!」


「クソッ! こうなったら瓦礫を破壊して進むしか無い!」


 魔法を駆使して通路を無理やり進む。しかしどんどん先の方まで崩落してしまっているためか、ある段階からどれだけ破壊しても通路が見えなくなってしまった。

 このままでは生き埋めになるのは確実だった。

 こうなったらある程度表層まで登ってきいることを願って、一か八か龍転身で無理やり地上を目指すか……?

 

 その時、ルカのポケットに何かが無理やりねじ込まれているのに気付いた。確認すると、どうやらダンジョンから瞬時に抜け出せる道具のようだった。


「これがあれば……!」


 恐らくレイスかバルドがルカを突き飛ばす直前にねじ込ませたのだろう。俺はあの二人の勇気ある行動に感謝をし、道具を起動する。


 気が付くと、俺たちはダンジョンの入り口の前に立っていた。入口は崩れ落ちており、もう中に入ることは出来なさそうだった。





「おい聞いたか。勇者パーティが壊滅したんだってよ」


「ああ、ダンジョンの崩落に巻き込まれたんだろ?」


「流石の勇者でも事故には勝てなかったんだな」


 ギルド内ではダンジョンでのことが噂になっている。しかしその噂は全てが真実というわけでは無い。ルカは絶対に生きている。俺がこの手で連れ帰ったのだから。

 しかし当人のルカは朝には既にいなくなっており、代わりにルカを寝かせていたベッドには書置きが置いてあった。そこには自分がダンジョンで死んだことにする噂を流したという事と、さらなる強さを求めて修行の旅に出るという二つが書かれていた。

 彼は本物の勇者になるための修行の旅に出たのだ。


「それにしてもあのルカという青年、どこかで見覚えがあるような気がするのだが……」


「ダンジョンにいた時に一度戦ったんだろ? その時の記憶じゃないか?」


「いや、その時には顔全体を覆う装備を付けていて見えていなかったはずなのだ」


「そうなのか? まあ世界には似た顔の人が3人はいると言うし、そこまで気にする必要は無いんじゃないか?」


「そうだな」


 俺たちは次元迷宮から持ち帰った道具を確認しながらそんな雑談をするのだった。


 なお次元迷宮から持ち出されたものは一度ギルドに通す必要があり、兵器として危険すぎるものに関してはギルドが管理することとなった。そのため残念ながら持ち帰ったものの半分は没収されてしまった。とは言えその分の報酬金はもらえるため、決して悪くはない実入りだ。

 さて、次はどの次元迷宮に潜ろうか。……次は今回ほどの大冒険は控えたいものだけどね。


次元迷宮 完

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