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愛衣との勉強会

済みません

少し遅れました!

愛衣は水色のシャツを着て、タイトなミニスカートを穿いていた。

 胸が大きいからかボリュームがある。僕はドキッとした。


「どうかした?」

「……いや別に」


 そして僕達は僕の部屋で勉強を始めた。僕は明日に“まい”と会う為に集中して勉強する。気迫がこもりまくりだっ! 偶に分からないことがあれば、愛衣に勉強を教わる。こいつは僕より勉強も出来るからだ。

 そして特に何事もなく時が流れる。


「はぁ、ひとまず休憩するか!」

「えぇ、そうね……」


 そして僕はのんびりして、床に横になった。

(この四日間勉強漬けでしんだいな……)

 白の天井を見ながらボケーっとする。


「この部屋少し暑いわっ」


 と愛衣が独り言を言う。

(そんなに暑いかな?)

 僕はそう思っている時、ぷちぷちとボタンを外す音が聞こえてきた。まさかと思い、彼女の方をちらっと見ると少し上着のボタンを外し、谷間が強調されていた。

(おいおいっ!)

 僕は気持ちが昂ぶって谷間を凝視した。そして視線を感じたのでそっちの方を見ると、真顔の愛衣が横目で見ていた。


「何?」

「え? ……いや別に?」

「何か目線感じるんだけど?」

「え?」


 そりゃあ愛衣さんの胸元を見ているから……ねぇ?


「どこ見てるの?」

「それは……お前がどんだけ暑いか確認してるんだよ」

「……そ」

「……エアコンの温度でも下げるか」


 そして僕はそそくさと部屋のエアコンの温度を少し下げた。休憩を終え、また勉強を再開する。部屋の温度が下がってきたから、ちらっと彼女の方を見るが、一向に胸元を閉じようとしない。

(どうなってるんだ? さっきより涼しくなったと思うんだが……)

 勉強に集中しようとしたが、こいつの胸元にちらちらと目がいってしまう。そして、


「あ~、疲れたーっ」


 と言って彼女はばたっと横になる。うーんと伸びをして手を横に広げた。

(緩いな……)

 とは思っても僕は気にしなかった。

 かきかきかきかき……。

(……)

 かきかきかきかき……。

(……)

 かきかきかきかき……。

(……)


「……帰る」


 彼女は起き上がり突然こう言った。


「へ?」


 彼女はせっせと帰り支度を始めた。いや、待てっ。帰られたら分からん問題をどうしたら良いんだ!?


「ま、待ってくれ!」


 僕は彼女の鞄をガッと持つ。


「え、離してよっ!」

「いやいや、帰るなよっ!」

「え?」


 彼女の顔は止まっていた。もじもじしながら言う。


「……私が帰ったら困る?」

「あぁっ」

「……私が必要?」

「あぁ、勿論!」

「……そっかっ」

「そうじゃないと誰に勉強を教わるんだ?」

「……勉強の為?」

「? そうだが?」


 鞄が震える。彼女を見るとぷるぷる震えていた。


「やっぱ帰る!!」

「え? ちょっと待てっ!」

「帰るーーっ! 離してよ!」

「お前が帰ったら誰に勉強教わるんだーっ!?」

「勉強は自分でするものよーーっ!!」


 ぐぐぐと鞄を互いに引っ張っていたので、これを痛めたらいかんと思い僕は力を少し緩めたら、


「きゃっ」


 引っ張る力で彼女は少し転げた。そして彼女の鞄の中が少し散乱した。


「あいたた……」

「だ、大丈夫か、愛衣?」

「う、うん。大丈夫……」


 そして僕は彼女の物を拾っていた時、円状の物が入った袋が複数くっ付いていた。


「こ、これって……」


 僕は手を震わす。コ、コンドー……。そして彼女はバッとそれを僕から奪った。


「……」

「……」


 互いに無言になり、彼女はみるみる顔を真っ赤にしながら、目をうるおす。そして何も言わずばっと僕の部屋から出て行った。


「お、おいっ……」


 ドタドタと彼女は階段を降りていった。まだ床に鞄の中身が散らばっていたままで。

 そして勉強を終え気づくと夜になり、気晴らしに“まい”にメッセージを送ると返信が来る。


『どう勉強の調子は?』

『まあまあかな?』

『明日会えそう?』

『うーん、まあ何とか?』

『そ、それは良かった』

『ところでさ』

『何?』

『女性心理について訊きたいんだけど』

『うん』

『デートする前に友達の家で勉強しに行くかな?』

『どうかなーっ、周りに付き合っている子があまりいないから。そんな話あまりしないし。大切な人に会う前に友達に会うのはその子がその友達に相談するくらいしか浮かばないけど』

『そっかーっ』


(あいつ、男心でも聞きたかったのかな?)


『その友達とは仲良いの?』

『まぁ、悪くはないかな?』

『いつくらいの仲?』

『小学校からだからもう8年くらいの仲かな?』

『そっかー。そんな友達いて羨ましいなー』

『そ、そうかな? まいちゃんはいないの?』

『少ないね』

『まぁ、いるんだったら良いじゃん!』

『で、女の心理とは一体何?』

『え? だから一緒に勉強したその友達が女子なんだ』

『ふーん、そうなんだ』

『そうだよ』

『へー』

『で、明日の予定なんだけどさ……』


 と僕達は明日の打ち合わせをした。

 そして興奮冷め止まぬ次の日(日曜日)、あまり寝られなかった僕は少し目に隈を作りながら待ち合わせ場所に向かう。“まい”が女子と分かった以上、服はそれなりに整えたやつだ。

(同じ轍は踏まないようにしないとっ)

 そして待ち合わせ場所に着くと、まだ彼女はいなかった。

(まぁ、まだ30分あるしなっ)

 それから15分後、ちょんちょんと肩を触られた。

(来たっ)

 と嬉しく思いながら振り向くとギョッとした。そこにいたのは黒ずくめの女だった。

(……だ、誰?)

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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